か   目次へ

蚊いくさ ((かいくさ))
    剣術に凝った八百屋の久七は蚊帳まで曲げて、業を煮やした女房に 「剣術を止めないなら、子供を連れて出て行く」と言われる。

怪談乳房榎 ((かいだんちぶさえのき))
    武士真与島伊惣次は絵師菱川重信と名乗っているが、 重信の妻おせきに横恋慕した弟子浪江は重信を待ち伏せし、殺害する。

開 帳 ((かいちょう))
    回向院開帳雪隠を作り四文で使わせて儲けていたが、 急に客が来なくなる。調べてみると同じ商売を始めた者がいたのだ。

開帳の雪隠 ((かいちょうのせっちん)) ⇒ 開 帳

戒名万金丹 ((かいみょうまんきんたん)) ⇒ 万金丹

返し馬 ((かえしうま))
    女房は川崎大師へ行く亭主の男根に馬の字を書き、 「これが消えてなければ、品川で女郎買いをしなかった証拠になる」 と言う

蛙の子 ((かえるのこ))
    染物屋の主人が掛け軸から抜け出た女性と話しているが、 息子にはその女が見えないので、狐でもついたのではないかと思う。

火焔太鼓 ((かえんだいこ))
    甚兵衛が仕入た太鼓の音を大名が聞きつけた。屋敷へ呼ばれたので持参すると、火焔太鼓という名器とかで、三百両で売れる。

顔の医者 ((かおのいしゃ)) ⇒ 金玉医者

加賀の千代 ((かがのちよ))
    借金ができなかった甚兵衛に女房は、千代女の 「朝顔につるべ取られてもらい水」 の句を教え、隠居のところへ借りに行かせる。

鏡 代 ((かがみだい))
    呉服屋の娘に惚れた男が反物に恋文を忍ばせて仕立てに出したら、仕立て上がった着物に、紙に包まれた一円札が入っていた。

書置違い ((かきおきちがい)) ⇒ ふたなり

書割盗人 ((かきわりぬすっと)) ⇒ だくだく

角兵衛の婚礼 ((かくべえのこんれい)) ⇒ 越後屋 ・越後屋

角兵衛の女房 ((かくべえのにょうぼう)) ⇒ 山岡角兵衛

鶴満寺 ((かくまんじ))
    鶴満寺へ花見に行った若旦那の一行が、和歌を詠まない者は入れないというので、若旦那は寺男に金を握らせて酒宴を始める。

隠れ遊び ((かくれあそび)) ⇒ 坊主の遊び

景 清 ((かげきよ))
    にわかに目が見えなくなった木彫り職人の定次郎が上野の清水観音へお百度詣りをしたが開眼せず、観音様に八つ当たりする。

掛取り ((かけとり)) ⇒ 掛取り万歳

 掛取風景 ((かけとりふうけい)) ⇒ 掛取り万歳

掛取り万歳 ((かけとりまんざい))
    大晦日に借金の払いができず、 掛取りが凝っているもので言訳をして帰していた男の家へ、 万歳が好きな三河屋がやって来る。

加古川本蔵 ((かこがわほんぞう)) ⇒ 九段目

笠 碁 ((かさご))
    待ったなしと決めて打った碁でつい待ったをしてしまい、それが原因で喧嘩別れした二人が、雨の三日も続くと碁敵が恋しくなる。

笠と赤い風車 ((かさとあおかいかざぐるま))
    馬道の豆腐屋嘉吉の倅常吉が近所の者に「おせんは継母で、実母が元気なうちから父といい仲だった」という噂を吹き込まれる

鰍 沢 ((かじかざわ))
    新吉が一夜の宿を頼んだ家のお熊は、 新吉に毒入りの卵酒を飲ませ所持金を狙うが、 新吉は小室山の護符を飲んで逃げ出す

鰍沢二席目 ((かじかざわにせきめ))
    お熊が狂言で男と駆け落ちし、 亭主伝三郎がその男を鉄砲で撃ち殺す手口で稼いでいるところへ、死んだはずの新吉が現れる

鰍沢雪の酒宴 ((かじかざわゆきのさかもり)) ⇒ 鰍 沢

鰍沢雪の夜噺 ((かじかざわゆきのよばなし)) ⇒ 鰍 沢

貸本屋の夢 ((かしほんやのゆめ)) ⇒ 

火事の引越し ((かじのひっこし))
    火事の夫婦が、「この辺も焼き尽くしたから、他の土地で大いに火の手を上げよう」と相談していると、火事の子供が「ボヤも行く」

火事息子 ((かじむすこ))
    質屋が近火に遭い、 店の者が目塗りをしているのを手伝ったのは、 勘当になって消息を絶っていた質屋の若旦那藤三郎だった。

春日の鹿 ((かすがのしか)) ⇒ 鹿政談

数取り ((かずとり))
    戌年戌月戌日生まれのため、良縁に恵まれず尼になった娘を、 「自分の病はその日生まれの女の肌で治る」と男が騙して犯す。

風の神 ((かぜのかみ))
    町の者達が「かぜの神送ろ」と、はやしながら張り子の神を川へ流している最中に「お名残惜しい」と言っているのは薬屋だった。

風の神送り ((かぜのかみおくり)) ⇒ 風の神

片側町 ((かたがわまち))
    髪結床へ来た客が床屋に片方のを剃り落とされてしまい、「これじゃ表を歩け無え」と言うと、 「片側町を歩きねえ」と言われる

刀 屋 ((かたなや))
    徳三郎はおせつの婚礼の席へ切り込もうと刀屋へ行くが、店の主人に意見されて思いとどまり、そこへおせつが逃げ出して来る

刀 屋 ((かたなや))
    刀屋をのぞいていた武士の連れの者が浪人に言いがかりを付けられ、 武士がいくら謝っても聞かないので、 武士は浪人を斬る。

片 棒 ((かたぼう))
    三人の息子がケチな父親に、 「おとっつあんが死んだらどんな葬式を出す?」と聞かれ、息子達はそれぞれの考えを父親に話す。

かため
 ⇒ 家の固め

かつぎ茶屋 ((かつぎぢゃや))
    旦那が、担ぎ屋芸者に縁起の悪いことを言って困らせている処へ、「おめでとうございます」と言って入って来た幇間がしくじる。

かつぎや
    元日早々
権助に縁起の悪いことを言われてふさいでいた担ぎ屋旦那が、 翌日宝船売りに縁起のいい言葉を並べられて喜ぶ。

かつぎや五兵衛 ((かつぎやごへえ)) ⇒ かつぎや

家庭芸者 ((かていげいしゃ))
    旦那芸者遊びに凝って家へ寄りつかないので、 自宅を待合風にして、奥方が芸者、娘が半玉、女中が女将に扮してもてなす。

神奈川宿 ((かながわじゅく)) ⇒ 朝這い

金の味 ((かねのあじ)) ⇒ 擬宝珠

花 瓶 ((かびん)) ⇒ 尿 瓶

果報の遊客 ((かほうのゆうきゃく)) ⇒ とんちき

かぼちゃ売り ((かぼちゃうり)) ⇒ かぼちゃ屋

かぼちゃ屋 ((かぼちゃや))
    初めて商いに出た与太郎のかぼちゃ屋が細い路地へ入って行くと、 親切な男がいて長屋の連中にかぼちゃを全部売ってくれる

鎌倉山 ((かまくらやま)) ⇒ 権助芝居  

釜どろ ((かまどろ))
    釜泥棒が横行し、 豆腐屋が泥棒を捕まえようと釜の中に身を潜めていたが寝込んでしまい、 中に入ったまま釜が盗み出される。

がまの油 ((がまのあぶら))
    口上を言いながら蝦蟇の膏を売っていた男が、膏薬が飛ぶように売れたのに気を良くして酒を飲み、売り上げを全部使ってしまう

紙入れ ((かみいれ))
    世話になっている旦那の女房に誘われ間男に行った新吉は、 突然旦那が帰って来たので慌てて逃げ出し、 紙入れ忘れて来る。

上方見物 ((かみがたけんぶつ))
    上方見物に行って来た田舎が医者に手紙を書くとき、上方で勘違いして覚えてしまった言葉を書き並べたので、意味が通じない。

京阪見物 ((かみがたけんぶつ)) ⇒ 祇園祭 ・三人絵師  

上方芝居 ((かみがたしばい))
    江戸から上方へ芝居見物に行った若旦那芸者春吉と夫婦約束をして帰った。やがて春吉は、みすぼらしい姿で江戸へ現れる。

紙屑のよりこ ((かみくずのよりこ)) ⇒ 紙屑屋

紙屑屋 ((かみくずや))
    勘当されて居候している若旦那が紙屑屋へ奉公するが、屑の中から出て来る本や手紙に熱中して、仕事がまるではかどらない。

剃 刀 ((かみそり)) ⇒ 坊主の遊び

髪結新三 ((かみゆいしんざ))
    白子屋の娘お熊が奉公人の忠七を好いていことを知った髪結の新三が、「忠七に会わせる」 と騙してお熊を連れ出し、監禁する。

蚊帳の紐 ((かやのひも))
    亭主が所用から帰宅すると、寝所の蚊帳の中から睦言が聞こえる。亭主は蚊帳の紐を包丁で切り、男女を取り押さえようとする。

からくり屋 ((からくりや))
    親方の娘お鶴と深い仲になって暇を出された仙公が、絡繰屋の伯父に、「お鶴と所帯が持てるよう親方に掛け合ってくれ」と頼む。

唐茶屋 ((からぢゃや))
    女だけの島へ行こうとした総兵衛が唐へ着き、 前に日本から来たという男と一緒に唐の吉原へ行って芸者幇間を揚げて遊ぶ。
;
皮財布 ((かわざいふ)) ⇒ 芝 浜

蛙茶番 ((かわずちゃばん))
    素人芝居で舞台番に回された半次は緋縮緬をちらつかせて番をする気だが、湯屋の番台へ預けたまま、締めるのを忘れる。

替わり目 ((かわりめ))
    酔って帰った亭主が家でも呑みたいと言い、女房におでんを買いに行かせ、通り掛かったうどん屋を呼び止めて、酒の燗をさせる

かんしゃく
    亭主が何かにつけて癇癪を起こすので里帰りした女房の父親が、 「女中にきちんと分担して仕事をさせないからだ」とたしなめる

勘定板 ((かんじょういた))
    便所が無く、勘定板という板に用を足して水に流してしまう田舎から江戸見物に来た者が、宿屋で 「勘定板を持って来い」と言う。

雁とり ((がんとり))
    不忍のが眠ってる間にたくさん掴まえ、腰に結わえ付けた八五郎だったが、雁が目を覚まして飛び立ったので宙に舞い上がる

堪忍袋 ((かんにんぶくろ))
    のべつ喧嘩ばかりしていた夫婦が堪忍袋を作り、 腹の立つことがあったらその中へ怒鳴り込むようにしてから夫婦仲が良くなる

看板のピン ((かんばんのぴん))
    親分と呼ばれる男が、 若い連中に無理矢理頼まれ樗蒲一胴を取ったが、 伏せた壺の外にはピンの目の賽子が転がっている。

雁風呂 ((がんぶろ))
    掛川で宿の屏風に描かれた松にの意味がわからずにいる水戸黄門に、雁風呂絵解きをしたのは二代目淀屋辰五郎だった。

岸柳島 ((がんりゅうじま)) ⇒ 巌流島

巌流島 ((がんりゅうじま))
    船中の下級武士が船縁で煙管を叩いて火玉を落とした拍子に雁首が抜けて水中に沈み、 屑屋が吸い口の払い下げを申し出る。


き   目次へ

祇園会 ((ぎおんえ)) ⇒ 祇園祭

祇園祭 ((ぎおんまつり))
    祇園祭を見物をしていた江戸っ子が神田祭の自慢をはじめると、それを聞いた京男が祇園祭の自慢を言い返し、互いに譲らない

義 眼 ((ぎがん))
    義眼を外してコップの水に浸して置いたのを知らずに呑んだ男が体調を崩し、 医者が尻の穴から覗くと、 向こうからも覗いている。

菊江の仏壇 ((きくえのぶつだん))
    患って里帰りしている若旦那の女房を旦那が見舞いに行ってる間に、若旦那は芸者の菊江を家へ呼び、ドンチャン騒ぎを始めた。

菊重ね ((きくがさね)) ⇒ なめる

汽車の白波 ((きしゃのしらなみ))
    横浜から終列車に乗った小林礼蔵が婦人の客と同席するが、品川から乗り込んだ目つきの鋭い男が、婦人の様子を伺っている。

紀州 ((きしゅう))
    八代将軍が決まる朝、尾州公が鍛冶屋の前を通ると鎚の音が 「天下取る、天下取る」 と聞こえたが、 天下を取ったのは紀州公。

貴 撰 ((きせん)) ⇒ 貴撰小僧

貴撰小僧 ((きせんこぞう))
    本妻の肩を叩きながら貴撰を口三味線で歌っていた定吉が、誤って本妻の腹部を突いてしまい、 「私を茶にしたね」としかられる

義太夫がたり ((ぎだゆうがたり)) ⇒ 転 宅

義太夫息子 ((ぎだゆうむすこ))
    義太夫に凝って帰りが遅い若旦那が締め出されて、どうにか家には入れて貰ったが、父親の小言にも義太夫で相槌を打つ始末。

狐つき ((きつねつき))
    「十七の娘に狐が付いたので落としてくれ」と頼まれた熊沢蕃山が、 「論語の中に『子曰わく』が幾つ有る?」と聞くと狐が落ちた

大豆粉の牡丹餅 ((きなこのぼたもち))
    車夫の女房鉄が、死んだ亭主喜六の好物、黄粉の牡丹餅を振る舞うが、谷中の寺から来た僧侶」という男だけが腹痛で苦しむ

杵 ((きね)) ⇒ 大師の杵

甲子待 ((きのえねまち)) ⇒ 宿屋の仇討

甲子祭り ((きのえねまつり))
    甲子祭りの日に、大黒天が家から出て行き、貧乏神が入って来た夢を見た吝い屋旦那が、目を覚ました途端に了見が変わる。

気晴らし帳 ((きばらしちょう)) ⇒ 気養い帳

擬宝珠 ((ぎぼし))
    若旦那が、「五重塔の擬宝珠を舐めたい」と言う。 浅草寺の五重塔に足場を組んで舐めさせ、「どんな味がした?」と聞いてみた。

きめんさん
    勘当された通称紀綿という若旦那が、 居候先で占いの看板を出すが上手くいかず、 今度は医者をやるが、 これもまた失敗する

肝つぶし ((きもつぶし))
    「舎弟分の病は、生まれた年月日がの人の生き肝を飲めば治る」 と言われた兄貴分の妹が、生まれた年月日ともに戌だった。

きゃいのう
    しばらく振りで遇った役者の団子兵衛が、「今度はセリフもある」 と言うので抜き書きを見せて貰うと、「きゃいのう」 と書いてある

気養い帳 ((きやしないちょう)) ⇒ 欲しい物覚え帳
    「岩崎に貸した五十万円は」と男が言っているので、岩崎の手代が「覚えはない」と言うと、貸したつもりで帳面に付けているだけ。

伽羅の下駄 ((きゃらのげた))
    豆腐屋で水を飲ませて貰った武士が良い香りがする下駄を礼に置いて行き、 家主に聞くと「伽羅の下駄で二百両はする」と言う。

九州吹き戻し ((きゅうしゅうふきもどし))
    熊本の宿屋で三年間働いた喜之助は、 貯めた金を持って江戸へ帰る途中の船が玄界灘で嵐に遭って、 桜島へ打ち上げられる。

 狂歌合わせ ((きょうかあわせ))
    太閤秀吉が家来を集めて大きい狂歌を詠ませた。勝ちを納めたのは、「天と地を団子に丸め飲む人を鼻毛の先で突き飛ばしけり」

狂歌家主 ((きょうかいえぬし))
    正月の餅はどうにか買った八五郎だが店賃の都合が付かず家主狂歌好きなので、「狂歌に凝ったので滞った」と言い訳する

狂歌会 ((きょうかかい)) ⇒ 狂歌合わせ

狂歌の餅 ((きょうかのもち)) ⇒ 狂歌家主

狂歌羅宇屋 ((きょうからおや)) ⇒ 紫檀楼古木

京見物 ((きょうけんぶつ)) ⇒ 祇園祭(上)
    京見物の江戸っ子三人が土地の人に、 「湯のある所」と湯屋を尋ねると、言葉の行き違いから、柚子のある八百屋を教えられる。

京の茶漬 ((きょうのちゃづけ))
    京では客が履き物を履いた後で、 「茶漬けを上がって行きなはれ」と愛想を言うが、大阪の商人が上がり込んで茶漬けを食べる。

胸肋鼠 ((きょうろくねずみ)) ⇒ 生兵法

御 慶 ((ぎょけい))
    千両富に当たった八五郎がを着けて年始に回る。 家主に「御慶」という言葉を教わったので、会う人ごとに「御慶」と言って歩く。

金魚芸者 ((きんぎょげいしゃ))
    子供が金魚を掴まえて遊んでいるのを金魚屋の六兵衛が買い取って育てると、その金魚は人間に姿を変えて柳橋芸者になる。

金魚のおめみえ ((きんぎょのおめみえ)) ⇒ 金魚芸者

近日息子 ((きんじつむすこ))
    愚かな息子が「芝居の初日は明日」と報告したがビラには「近日開演」と書いてあり、 父親は「近日とは近いうちだ」と小言を言う。

禁酒番屋 ((きんしゅばんや))
    禁酒令が出ている藩の屋敷へ酒を届けるためには、 禁酒番屋を上手く通り抜け無ければならず、 注文を受けた酒屋は策を練る。
 
金玉医者 ((きんたまいしゃ))
    長いこと気がふさいでいた娘の病も、藪医者が見舞うようになってから、どんどん快方に向かい、喜んだ父親は医者に秘訣を聞く。

金 嚢 ((きんのう)) ⇒ 夢金

金の大黒 ((きんのだいこく))
    子供達が砂遊びをしていて、 大家の子供が金の大黒を拾う。 大家は目出度いというので店子を家に呼んで、祝いの酒宴を催す 。

錦明竹 ((きんめいちく))
    中橋の加賀屋佐吉から使いに来た男は、早口な上方弁で道具七品の話をするが、与太郎は勿論、伯母さんにも意味が通じない。


く   目次へ

くしゃみ講釈 ((くしゃみこうしゃく))
    客席で眠り、講釈師に怒鳴られた男が、火鉢で胡椒の粉を燻して仕返ししようと企てたが、 胡椒は売り切れなので唐辛子を焚く。

くしゃみ義太夫 ((くしゃみぎだゆう)) ⇒ くしゃみ講釈

薬違い ((くすりちがい))
    恋煩をした男が、「イモリの黒焼きの粉を相手の着物に掛けると効く」 と言われて実行したが、間違えてヤモリの粉を掛けていた。

屑屋の遊び ((くずやのあそび)) ⇒ 子別れ(上)

九段目 ((くだんめ))
    素人芝居の九段目で、本蔵役の者が病気になり、越してきたばかりの男を代役にしたが、 下手な上に血止めに煙草を使う始末。

口入屋 ((くちいれや)) ⇒ 引っ越しの夢

口惜しい ((くちおしい)) ⇒ 鼻ほしい

首提灯 ((くびちょうちん))
    雑言をはいた酔っ払いに立腹した侍が、刀を抜いて鞘に収めて行ってしまうが、酔っ払いが歩いているうちに首が段々ずれてくる。

首ったけ ((くびったけ))
    花魁の紅梅が吉原の火事騒ぎでお歯黒溝へ落ちて助けを求めたが、 その相手は紅梅が冷たくあしらてっいた辰という男だった。

首売り ((くびうり)) ⇒ 首 屋

首 屋 ((くびや))
    七両二分で首を斬らせるという商売の男に首代を払った殿様が斬りつけると、 首は体をかわし、 張り子の首を置いて逃げて行く。

工夫の医者 ((くふうのいしゃ))
    藪医者が、 「サナダムシがわいたら蛙を呑ませて、蛇、ナメクジ、雀、鷹、鷲、狩人、鬼と次々に呑ませれば薬がいらない」と言う。

熊 坂 ((くまさか))
    牛若丸が、大泥棒の親分熊坂長範藪と渡り合って首を討ち取ったが血が出ないので、踏みつぶしてみると中からが出て来た。

熊坂長範藪 ((くまさかちょうはん)) ⇒ 熊 坂

熊の皮 ((くまのかわ))
    熊の皮の敷物を見た男が、鉄砲で仕留めた穴のまわりを撫でているうち、 「女房がよろしく言ってました」と思い出したように言う。

熊野の牛王 ((くまののごおう))
    権助は「旦那は網打ちをしていた」とおかみさんに報告するが嘘がバレ、「腹が痛い」と言って逃げるが、熊野の牛王を飲まされる

汲み立て ((くみたて))
    建具屋の半次と小唄の師匠が、 二人っきりで大川へ船で涼みに行ったと聞き、 面白くない連中が船を出して二人の邪魔をする。

粂の仙人 ((くめのせんにん))
    飛脚屋九兵衛の娘小雪が洗濯をしていると、天上で眺めていた粂の仙人が、ついつい小雪の姿に見とれて、下界へ落ちて来る。

蜘蛛駕籠 ((くもかご))
    呼び込みをしている駕籠屋にやっと付いた客が、こっそり二人乗り込んだので駕籠の底が抜け、仕方なしに自分たちも駆け出す

くやみ
    旦那が亡くなり、 甚兵衛は女房に悔やみの文句を教わってお店へ行くが、 他の弔問客も、 きちんと悔やみを言える者はいない。

くやみの妙薬 ((くやみのみょうやく)) ⇒ 胡椒のくやみ

競三人似顔鞘当 ((くらべてみつにがおのさやあて)) ⇒ うちわ喧嘩

蔵前駕籠 ((くらまえかご))
    吉原行きの駕籠を狙った追い剥ぎが出没し、夜は駕籠を出さないのだが、 駕籠屋を強引に説き伏せた男が下帯姿で駕籠に乗る。

廓大学 ((くるわだいがく))
    道楽が過ぎて勘当寸前の若旦那が、 「二階で漢学の本を読んでいる」 と言うので父親が見に行くと、 読んでいるのは吉原細見

廓の夜桜 ((くるわのよざくら)) ⇒ 夜 桜

九郎蔵狐 ((くろぞうぎつね))
    質の悪い狐が出て化かすので九郎蔵が退治しに出掛けると、白い狐が娘に化けて、馬糞を丸めて作ったぼた餅を重箱に詰めた。

黒木屋 ((くろきや)) ⇒ 紺田屋

鍬 潟 ((くわがた))
    「三尺二寸の鍬潟という力士が、七尺もある雷電を負かした」 という話を聞いた小男が、 二代目鍬潟を目指し相撲の稽古に励む。

桑名船 ((くわなぶね))
    桑名船が沖合で停まってしまい、「鮫が船を停めたので、誰かが人身御供にならなければ船ごと沈められてしまう」と船頭が言う


け   目次へ

稽古屋 ((けいこや))
    女に持てたい男が芸を習いに稽古屋へ行って、子供の焼き芋を食べたり、濡れた草履を火鉢で乾かしたりして師匠に咎められる。

稽古屋 ((けいこや))
    稽古屋へ通い清元を習っている男が屋根へ上がって、「煙が立つ♪」と貴撰を歌っていると、それを聞いた通行人が火事と間違う。

傾城瀬川 ((けいせいせがわ))
    堅物の若旦那善次郎を、旦那幇間に頼んで吉原へ連れて行かせるが、善次郎は松葉屋の傾城瀬川に夢中になり勘当される。

袈裟御前 ((けさごぜん))
    袈裟御前が遠藤盛遠に言い寄られ、「夫を殺してくれ」と盛遠に頼んでおき、自分が夫の身代わりになり、盛遠に首を刎ねられる。

下女の恋 ((げじょのこい)) ⇒ 春 雨

血 脈 ((けちみゃく)) ⇒ お血脈

喧嘩長屋 ((けんかながや))
    夫婦喧嘩の仲裁に入った大家が、悪口を言われて喧嘩に加わり、 止めに入った安公も巻き込まれたが、熊公は止めに入らない。

けんつく床 ((けんつくどこ)) ⇒ 無精床

源 平 ((げんぺい))
    一ノ谷の戦に敗れて瀬戸内を逃れる平家の船は、屋島を経て終局の壇ノ浦に至った。 時子が八木節を歌い、能登守が踊り出す。

源平盛衰記 ((げんぺいせいすいき)) ⇒ 源 平


こ   目次へ

こいがめ
    水瓶が買えず肥瓶を家見舞いに持って行くが、 一杯呑んで行けと出してくれた冷奴は持って行った瓶の水で冷やしたのだという。

小いな ((こいな))
    半兵衛が家の者を芝居見物にやり、柳橋芸者の小いなや幇間の一八を呼んで大騒ぎ。 そこへ気分を悪くした女房が帰って来る。

恋の仮名文 ((こいのかなぶみ)) ⇒ 花見小僧

恋のたていれ ((こいのたていれ)) ⇒ 魚づくし

恋の病 ((こいのやまい)) ⇒ 鏡 代

恋わずらい ((こいわずらい)) ⇒ 越後屋

孝行糖 ((こうこうとう))
    与太郎が孝行の徳により御上から青差し貫文の褒美を頂いた。町内の肝煎りがそれを元手に、孝行糖を売り歩く飴屋にさせる。

孝行娘 ((こうこうむすめ)) ⇒ 小烏丸

孝女お里 ((こうじょおさと))
    おつやに恋慕した伝内が亭主幸右衛門を殺し、 おつやが伝内に投げた脇差しの古傷を頼りに、娘のお里が幸右衛門の仇を討つ。

強情くらべ ((ごうじょうくらべ)) ⇒ 意地くらべ

強情灸
    強情な男が腕の上へもぐさを山のように積み上げ、友達が制するのも聞かず、それに火を付け強がっているが、段々火が回わる。

庚申待 ((こうしんまち)) ⇒ 宿屋の仇討

鴻池の犬 ((こうのいけのいぬ)) ⇒ 大どこの犬

甲府い ((こうふい))
    甲府から来た伝吉が豆腐屋で卯の花を盗み食いする。店の主人が伝吉の事情を聞いて、店で働かせて見ると、真面目な働き者。

紺屋高尾 ((こうやたかお))
    花魁高尾に恋をした紺屋の久蔵は、夢中で働いた金を貯めて吉原へ会いに行く。 事情を聞いた高尾は感激して夫婦約束をする。

高野違い ((こうやちがい))
    親分が「『たかの』と『こうや』は音と訓の違いだ」と言う。 鳶頭が紫式部を「鳶色式部」と言うと、 「それは大間違いだ」と言われる。

紺屋の思い初め ((こうやのおもいそめ)) ⇒ 紺屋高尾

高麗の茶碗 ((こうらいのちゃわん)) ⇒ 猫の茶碗

五月幟 ((ごがつのぼり))
    伯父さんが、「子供に五月人形を買ってやれ」と渡した祝いの金で、熊公は酒を呑み、伯父さんに「人形はどうした?」と聞かれる。

黄金餅 ((こがねもち))
    体調を崩して寝込んでしまた願人坊主の西念は、死ぬ前に、それまでに貯め込んでいた金を、あんこ餅の中へくるんで飲み込む。

小烏丸 ((こがらすまる))
    伊勢屋源兵衛の後妻は鍼医の定安と密通している。 源兵衛の気持ちを慮った娘のお照と鳶頭の勝五郎は、 定安を討とうとする。

五貫裁き ((ごかんさばき)) ⇒ 
一文惜しみ

故郷へ錦 ((こきょうへにしき))
    息子が「どうしても一緒に寝たい」というので母親が仕方なしに承諾すると、 息子は金襴肩衣長袴という姿で寝所へと向かう。

小倉船 ((こくらぶね))
    小倉船から三十両落とした男が、フラスコに入って海中へ拾いに行くと、金は見つかったのだが手が出せないのでフラスコを割る。

後家殺し ((ごけごろし))
    義太夫好きが元で伊勢屋の後家といい仲になった常吉が、心変わりの噂を信じて後家を殺してしまい、打首の刑を言い渡される。

小言幸兵衛 ((こごとこうべえ))
    麻布古川町の空き店を借りに色々な商売の人が訪ねて来るが、 家主の田中幸兵衛が小言ばかり言うので空き店は塞がらない。

小言念仏 ((こごとねんぶつ))
    今朝も仏壇の前に座った爺さんだが、念仏を唱えながら小言を言っているのか、小言の合間に念仏を唱えているのかわからない。

子殺し ((こごろし))
    五十両の金を付けて赤ん坊を貰った夫婦が、その子を疱瘡に見せかけ殺してしまうが、翌年になって子殺しが露見して手が回る。

心の眼 ((こころのめ)) ⇒ 心 眼

五十四帖 ((ごじゅうよんじょう))
    村崎式部という男と中将という花魁が所帯を持ったが、式部が近所の娘に持てるので女房はやきもちをやいて、喧嘩が絶えない。

後生鰻 ((ごしょううなぎ))
    参詣の帰りに、鰻屋が割こうとしいる鰻を買い求めて川へ放し、「ああ、良い功徳をした」と満足している隠居に、鰻屋が付け込む。

胡椒のくやみ ((こしょうのくやみ))
    悔やみの席で笑ってはいけないと思った笑い上戸が、胡椒を舐めてから出掛けたが量が多過ぎて、涙は出たが口がヒリヒリする。

小雀長吉 ((こすずめちょうきち)) ⇒ 双蝶々

御前汁粉 ((ごぜんじるこ))
    維新で士族が汁粉屋を始めたものの客が寄りつかず、 ようやく入った客にてんてこ舞いで汁粉を出したが、 これが全然甘くない。

五銭の遊び ((ごせんのあそび)) ⇒ 白銅の女郎買い

子 宝 ((こだから)) ⇒ 子別れ(下)

五段目 ((ごだんめ))
    素人芝居の五段目で、 肝心な鉄砲の音がしないので、 定九郎が 「鉄砲!」と怒鳴った途端に含み紅が割れ、 口から流れ出る。

滑稽義士 ((こっけいぎし))
    小言上戸の刀研師小竹屋喜平治が、薪割人次郎兵衛を気に入り酒を振る舞うが、その薪割は赤穂浪士三村次郎右衛門だった。

滑稽吹寄 ((こっけいふきよせ)) ⇒ 磯の鮑

骨董商 ((こっとうしょう)) ⇒ 初音の鼓

骨董屋 ((こっとうや)) ⇒ 初音の鼓

小 粒 ((こつぶ))
    体が小さいことを気にしている男が仁王尊に願を掛け、 夢枕に立った仁王に、 「背丈を三寸延ばしてやる」 と言われ目が覚める。

子供の洋行 ((こどものようこう))
    学校で父親が居ないと馬鹿にされ、「英国へ会いに行く」と置き手紙を残した倅を追い掛ける夢を見た母親だが、子供はまだ二才。

碁どろ ((ごどろ))
    二人で碁に夢中になっているところへ忍び込んだ泥棒も碁が好きで、つい口出しして、 「どなた」と聞かれ、 「泥棒です」と答える。

五人廻し ((ごにんまわし))
    五人の廻しを取った喜瀬川が杢兵衛大尽から離れず、他の四人から苦情がでる。 杢兵衛は四両出し「四人に帰って貰え」と言う。

木の葉狐 ((このはぎつね))
    夜、護持院原を通る踊りの師匠が前を行く二人に「稲荷の使い」と偽って道連れになって貰い、「金として使える」と木の葉を渡す。

子は鎹 ((こはかすがい)) ⇒ 子別れ(下)

碁盤割 ((ごばんわり)) ⇒ 柳田格之進

こび茶 ((こびちゃ))
    「『こいつはいい』と言った者は入牢」とのお触れに反したと捕まった紺屋の職人が、「媚茶がいい」と言ったのだと申し開きをする。

五百羅漢 ((ごひゃくらかん))
    小間物屋惣兵衛の女房が死ぬ時には髪が抜けて、女中との間に出来た子は髪が生えず、女中は仏壇の灯明で髪を焼き尽くす。

昆布巻芝居 ((こぶまきしばい)) ⇒ 鍋 蓋

子ほめ ((こほめ))
    八五郎は隠居に、 「人に酒をおごらせるには、世辞愛嬌が必要だ」 と、お世辞の言い方を教わり、竹の家へ赤ん坊をほめに行く。

駒 長 ((こまちょう))
    張兵衛は女房のお駒に丈七へ恋文を書かせ、丈七が借金を取りにやって来たら因縁を付けて脅し、所持金を巻き上げようと企む。

小間物屋小四郎 ((こまものやこしろう)) ⇒ 小間物屋政談

小間物屋政談 ((こまものやせいだん))
    小田原で死んだ若狭屋善兵衛が、箱根で助けられたときに貰った小間物屋小四郎の書付から、小四郎が死んだと間違えられる。

米屋の腹切り ((こめやのはらきり)) ⇒ 切 腹

五目講釈 ((ごもくこうしゃく)) ⇒ 桑名船

五目講釈 ((ごもくこうしゃく))
    居候をしている生薬屋若旦那が、 長屋の連中を集めて講釈を語ったのだが、 義士銘々伝に弁慶や与三郎まで出て来る始末。

暦の隠居 ((こよみのいんきょ))
    日々の吉凶を暦で調べないと気が済まない隠居のところへ、平年は早めに年始に来る甚兵衛だが、今年は挨拶に来るのが遅い。

こり相撲 ((こりずもう)) ⇒ 相撲の蚊帳

怖い物 ((こわいこもの)) ⇒ 饅頭怖い

子別れ(上) ((こわかれ))
    大工の熊五郎が、山谷へ葬式に行った帰りに屑屋の長公と遇い、葬式の強飯を背中へ突っ込んだまま、吉原女郎買いに行く。

子別れ(中) ((こわかれ))
    熊五郎は四日も吉原居続けて帰えり、 喧嘩の末に女房は息子の亀吉を連れて出て行き、 女郎を連れ込んだが長続きしない。

子別れ(下) ((こわかれ))
    了見を入れ替えた熊五郎が倅の亀吉に遇い小遣いをやる。 それを知った母親とも翌日再会できて、親子三人は元の鞘に納まる。

こわめし ⇒ 子別れ(上)

強飯の女郎買い ((こわめしのじょろかい)) ⇒ 子別れ(上)

権助魚 ((ごんすけざかな)) ⇒ 熊野の牛王
    旦那の浮気を疑っている女房が権助に旦那のお供をさせて、戻った権助に旦那の様子を聞くが、 「網打ちをしていた」 と嘘を言う

権助芝居 ((ごんすけしばい))
    素人芝居で、非人の権平役の男が「役不足だ」と不満を言って出て来ないので、吉兵衛が権助を一分で雇い、権平の役をさせる。

権助茶番 ((ごんすけちゃばん)) ⇒ 権助芝居

権助提灯 ((ごんすけぢょうちん))
    「あれの所へ行ってあげて」と本妻に言われた旦那が、権助に提灯を持たせ妾宅へ行くが、妾には「本宅へ泊まって」と言われる。

権助の心意気 ((ごんすけのこころいき))
    いつもは使いの者に手拭いと小遣いをくれる木村のおかみさんが、 「衛生に悪いから」 と鉄漿を落としてから手拭いしかくれない

紺田屋 ((こんだや))
    紺田屋の娘お花が餅を詰まらせて死に、 三百両と一緒に埋葬されるが、 番頭久七が金欲しさに掘り起こすとお花は生きていた。

こんにゃく問答 ((こんにゃくもんどう))
    蒟蒻屋の六兵衛の世話で和尚になった八五郎が、 雲水の僧問答にやって来たので逃ると聞き、 六兵衛は和尚になりすます。

権兵衛狸 ((ごんべえだぬき))
    毎晩 「権兵衛、権兵衛」 と行って家の戸を叩いていた狸を捕まえた権兵衛が、懲らしめのために狸を坊主頭にして逃がしてやる。



ホームページへ 目次へ 元来たページへ