や
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八百屋お七 ((やおやおしち)) ⇒ お七の十
やかん
自称先生に「愚者」と言われていた八五郎が薬缶の語源を聞けば、 先生は川中島の合戦と薬缶を講談調で無理矢理こじつける。
やかんどろ
泥棒が新米の子分を垣根の外に待たせておき、台所道具を次々に盗んで渡すが、新米がはしゃぎ始め、家の隠居に気付かれる。
やかんなめ
大家の女房の癪は薬缶を舐めると治まる。ある日下女と梅見に出掛けて癪を起こし、下女は禿げた侍に「頭を舐めさせて」と頼む。
役者息子 ((やくしゃむすこ)) ⇒ 七段目
厄払い ((やくはらい))
与太郎が厄払いになったが、その文句が覚えられず紙に書いて貰って払いに行くが、「東方朔は八千歳」の朔が読めず逃げ出す。
弥次郎 ((やじろう))
隠居の家へ久々にやって来た弥次郎が、「武者修行に出掛けて、山中で出会った山賊やイノシシを退治した」などとホラ話を語る。
安兵衛狐 ((やすべえぎつね)) ⇒ 墓見
やつがしら
素戔嗚尊が八岐大蛇を退治した死骸を自宅へ持ち帰えり、「煮て食べよう」と甘煮にしたが、生臭いと思ったのに野菜の味がする。
宿屋の仇討ち ((やどやのあだうち))
宿屋で騒いでいる三人の中に、 「三年前に人を殺した」 と嘯く者が出て、隣に泊まり合わせた侍に、「妻の仇」 と三人は縛られる。
宿屋の富 ((やどやのとみ))
金の工面に来た男が、「田舎の大金持ちだ」と出まかせを言って宿屋に泊まり、副業に富くじを売っている亭主に一枚買わされる。
宿屋ぼぼ ((やどやぼぼ)) ⇒ わしがかか
柳田格之進 ((やなぎだかくのしん))
越後屋で、 主人作兵衛と浪人柳田格之進が碁を打ち、格之進が帰った後で百両紛失していることに気付き、格之進が疑われる。
柳の馬場 ((やなぎのばば))
按摩富の市が「武芸百般を心得ている」と嘯いたため、 気の荒い馬に乗せられてしまい、 馬にしがみつくが柳の枝に顔が当たる。
藪医者 ((やぶいしゃ))
患者の来ない藪医者が流行っている様に見ようと思い、下男を玄関で怒鳴らせると、下男は「越後屋玄兵衛から来ました」と言う。
藪入り ((やぶいり))
奉公に出て、初めての藪入りで帰った息子が、五円札を三枚も持っているので、親は「もしや悪いことでもしたのでは」と心配する。
山岡角兵衛 ((やまおかかくべえ))
赤穂浪士山岡角兵衛が病死して後、妻お縫は吉良上野介の屋敷へ奉公し、情報を大石内蔵助に流して、仇討ちの手助けをする。
山崎屋(上) ((やまざきや)) ⇒ よかちょろ
山崎屋 ((やまざきや))
山崎屋の番頭は若旦那に弱みを握られていて、廓通いの金の都合を頼む若旦那に 「いっそ花魁を嫁にしては」と話を持ちかける。
闇夜の梅 ((やみよのうめ))
紙問屋甲州屋の一人娘お梅が奉公人の粂之助と深い仲になり、旦那は粂之助を谷中の長安寺に預け、婿養子に迎えようとする。
遣繰軍記 ((やりくりぐんき))
六ヶ月も溜まっている店賃を取りに来た大家に、店子の才助は「遣り繰り軍記の一席を」と、大家の好きな講談調で言い訳をする。
ゆ
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幽女買い ((ゆうじょかい))
病気で死んだ男があの世で友達と遇い、幽女買いに誘われ冥土の吉原へ行くが、女に振られてしまい、愚痴をこぼしながら帰る。
幽霊稼ぎ ((ゆうれいかせぎ)) ⇒ 不動坊火焔
幽霊車 ((ゆうれいぐるま))
乳飲み子を抱いて二人乗りの車を引く車夫が、 「女房に先立たれ自分も病弱だが、坂道では女房の幽霊が後押しをする」 と言う。
雪てん ((ゆきてん)) ⇒ 雑 俳
雪解の冨士 ((ゆきどけのふじ)) ⇒ 有馬のお冨士
雪とん ((ゆきとん))
絹問屋の娘お糸に岡惚れした大尽兵左衛門が女中を買収し、とんとんと叩くのを合図に裏木戸を開けさせて夜這いをしようとする。
雪の瀬川 ((ゆきのせがわ)) ⇒ 傾城瀬川
指仙人 ((ゆびせんにん))
若旦那と幇間が木曽山中で仙人になった花魁羽衣に会いに行き、羽衣が天を指さして呪いを言うと、食べ物や大金が降って来る。
夢 ((ゆめ))
魚屋の金公は、講釈の登場人物が次々と出て来る夢を見るが、目が覚めてみると、金公が寝ていた場所は貸本屋の二階だった。
夢 金 ((ゆめきん))
船頭熊蔵が、若い女連れの侍を船に乗せて大川へ出た所で、「女を殺して所持金を山分けしよう」と侍に持ち掛けられた夢を見る。
夢路の風邪 ((ゆめじのかぜ))
お茶を挽くことが多い芸者が豊田屋のお座敷で、客とヲーライになりそうな夢から覚めた途端に、その豊田屋からお座敷が掛かる。
夢の株式 ((ゆめのかぶしき)) ⇒ 夢 屋
夢の後家 ((ゆめのごけ)) ⇒ 夢の酒
夢の酒 ((ゆめのさけ))
若旦那が女と逢った夢を見たと、嫁が嫉妬して大喧嘩。仲裁に入った大旦那に「夢でその女に意見してくれ」と言われ昼寝をする。
夢の瀬川 ((ゆめのせがわ))
旦那が花魁瀬川に会いに行く夢の中で、渡し場で知り合った女の家へ行きご馳走になった話をすると、女房はその夢に嫉妬する。
夢 八 ((ゆめはち))
甚兵衛に空き店の番を頼まれた八兵衛が、筵の裏をのぞくと死体がぶら下がっていて、怖がる八兵衛に「伊勢音頭を歌え」と言う。
夢 屋 ((ゆめや))
金持ちになりたい男が、夢屋に前金を払って金持ちになった夢を見るが、孤児院から貰いに来た寄付を断ったところで目が覚める。
湯屋の娘 ((ゆやのむすめ))
若旦那が恋煩いした相手は、町内の湯屋が休みでたまたま行った湯屋の一人娘だが、どうにか話を付けて若旦那の嫁に迎える。
湯屋番 ((ゆやばん))
居候を続けていた若旦那が湯屋へ奉公し 、親方が食事をする間だけ番台へ上がらせて貰ったが、 女湯にはひとりも客がいない。
よ
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養子と障子 ((ようしとしょうじ))
養子が、「家に障子が合わないとき、鴨居や敷居を削るのではなく障子を削るのだから、自分が障子になれば収まるのだ」と悟る。
よかちょろ
山崎屋の若旦那が掛け取りの金を持ったまま吉原へ居続け、 「何に使った?」と旦那に聞かれ「よかちょろに四十五円」と答える。
夜 桜 ((よざくら))
若旦那に 「遊びが過ぎる」 と意見して無尽に出掛けた旦那が、帰りに夜桜見物して茶屋へ揚がり、若旦那と鉢合わせしてしまう。
吉住万蔵 ((よしずみまんぞう))
吉住万蔵が熊谷で泊まった宿屋の娘お稲といい仲になる。 江戸へ戻った万蔵は、その後お稲が吉原の花魁墨染になったと知る。
与太郎 ((よたろう)) ⇒ 錦明竹
四段目 ((よだんめ))
芝居好きの小僧定吉が使いの途中芝居を見て来たのがバレて蔵へ閉じ込められるが、 蔵の中で四段目の判官の真似を始める。
淀五郎 ((よどごろう))
判官に抜擢された沢村淀五郎が、四段目で由良助役の市川団蔵が傍へ来ないので、舞台で団蔵を殺して自分も死のうと考える。
四人癖 ((よにんぐせ))
鼻の下をこする癖、目をこする癖、袖口を引っ張る癖、拳で掌を打つ癖の四人が、 「それぞれの癖が出たら五十銭出す」 と決める。
寄合酒 ((よりあいざけ))
町内の若い衆で「酒を飲もう」 という話がまとまったが、つまみを買う金がないので、それぞれ材料を一品ずつ持ち寄ることにする。