は 行


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はいかい【俳諧・誹諧】
 俳句連句の総称。  「馬鹿ハイカラじゃない、和歌―‐だ。(雑排)」

はいく【俳句】
 五・七・五の十七音を定型とする季語を含む短い詩。連歌発句を継承したもので、俳諧の句の略。
 明治中期、正岡子規の俳諧革新運動でと発句区別した呼称。江戸時代以前の発句を含めて呼ぶこともある。

ハイカラ
 1)高い襟の意、洋風を気どった流行を追うこと。また、その人。
    「何です?その、馬鹿―‐よってえのは。(雑排)」
 2)洋風に束ねた女性の髪。

はうた【端唄】
 俗曲の一。江戸で、文化・文政期に円熟し大成した短く調子の砕けた小品の三味線歌曲。
 歌沢節小唄の母胎。江戸端唄。

ばいぼく【売卜】
 報酬を得て占いをすること。  「夜は芝切り通しへ出て―‐をしておるが。(井戸の茶碗)」

はおりをひく【羽織を引く】
 寄席高座噺家が脱いだ羽織を上がり口に放ったものを、前座が片づけること。
 羽織が引かれると、次の演者の支度ができた合図になっている。

はがさね【羽重ね】はめ
 板張の形。板の一端に次の板の一端を重ねて張り、これを繰り返し張って行く形。

ばくろう【博労・馬喰・伯楽】
 馬の善し悪しを鑑定、または馬の売買や仲買をする人。
 馬の鑑定が巧みであったという中国の人、伯楽はくらくの転化。

ばくろちょう【馬喰町】
 東京都中央区にある町名。日本橋馬喰町の略。神田川の南岸、浅草橋上流に位置する。
 古くは馬市が立ち、多くの馬喰が住むことに由来した地名といわれ、各地の馬喰の宿屋街であった。
 後には商人の宿屋街として横山町の問屋と共に発展。鉄道の発達で宿屋は激減し、問屋街へと変貌。
  「―‐というところには宿屋がたいへんに並んでおりまして、(宿屋の富)」   

はこ【箱】
 入れ物の意で、興行を打つ劇場やホールのこと。小屋入れ物

はこね【箱根】
 神奈川県足柄下郡の一地区。全域が富士箱根伊豆国立公園に属す。
 古くから「箱根七湯(現在は十七湯)」の名で湯治に利用されてきた温泉観光地。
 東海道の難所として知られる宿場で、芦ノ湖畔には関所が設けられていた。

はごろものまつ【羽衣松】 一行あらすじへ  
 三保松原にある黒松。松原に降りた天女が羽衣を掛けた松と伝わる。
 現在の松は二代目で樹齢六百五十年以上。

はしけぶね【艀船】
 乗客や貨物を乗せて、陸と停泊中の本船の間や、大船同士の間を運ぶ小舟。はしけ。

はしごおち【梯子落ち】
 数字が一つずつ上がっていく落ち

はしごだん【梯子段】
 急勾配な階段。

ばす【馬尾毛】
 馬の尻尾の毛。釣糸などに用いる。

はたご【旅籠】
 1)旅をする時、馬の飼料を入れた籠。
 2)旅人が、食料や雑貨を持ち歩くための籠。また、その食物。
 3)旅籠屋の略。  「―‐に掛け合ってみたらどうだ?(竹の水仙)」

はたごや【旅籠屋】
 旅人を宿泊させる職業。また、その家。宿屋。

はちけん【八間】
 木枠で組んだ笠に紙を貼り、その下に油皿を付けた行灯釣行灯
 笠の形は、和室に吊り下げる照明器具状で、円形・正方形・八角形などのものがある。
 遊廓湯屋・商家などで、梁や天井から吊して用いた。  「―‐がぼんやりとついていて。(お直し)」

はぢゃや【葉茶屋】
 葉茶を売る家。水茶屋料理茶屋などと区別した呼称。

はっそうとび【八艘飛び】
 壇ノ浦の戦の船上戦で、平教経源義経に襲いかかったとき義経が隣の舟へ乗り移った故事。
 教経が強弓の腕前であったところから、矢も届かぬ八艘も先まで飛んだと伝説に残る。

ばっちょうがさ【ばっちょう笠】
 真竹の皮で作った、大きくて浅い笠。  「―‐に徳利を下げて、(鰍沢)」

はつてんじん【初天神】 一行あらすじへ  
 一月二十五日に行われる年明け最初の天満宮の縁日。

ばとうかんのん【馬頭観音】
 頭上に馬頭をいただいた観音や、頭が馬頭そのものの観音。馬の守護神として祀られる。

はつゆめ【初夢】 一行あらすじへ   一行あらすじへ  
 正月二日の夜に見る夢。古くは、節分の夜から立春の明けがたに見る夢。元日の夜に見る夢をも言う。
 正月二日に宝船を枕の下に敷いて眠り、一冨士二鷹三茄子の夢が縁起が良いとされた。

はないろ【花色】
 1)花の色。
 2)はなだいろ。薄い藍色。

はないろもめん【花色木綿】 一行あらすじへ  
 縹色に染めた木綿。  「裏は―‐。(花色木綿)」

はなだいろ【縹色】
 色の名前。淡藍色。花色

はなかわど【花川戸】
 東京都台東区の町名。言問通りと馬道通りと隅田川で区画された地帯。  「山の宿から―‐、(文七元結)」
 昭和九年(1936)浅草区の花川戸・馬道・山の宿猿若の各町が統廃合され台東区花川戸となった。

はなしか【噺家】
 落とし噺を聞かせることを業とする芸人落語家。  「―‐か幇間に違いないよ。(転宅)」

はなしづか【咄塚】
 太平洋戦争中に口演が相応しくないと、禁演落語決めて東京都台東区寿の本法寺に埋め建立した塚。

はなまち【花街】
 料理屋芸者屋遊女屋などが集中した町。色町。色里。

はね【跳ね】
 1)寄席の終演。打ち出し
 2)自分の出番が終了すること。

はねばし【跳ね橋・撥ね橋】
 城門などの橋で、敵襲の時には跳ね上げて遮断したり、不要時は吊り上げておき、必要な時だけ降ろす橋。
  「―‐ィ渡ってこようとすると、(首ったけ)」

はまちょう【浜町】
 東京都中央区日本橋の一地区。隅田川西岸の水郷地で、川に面する地帯は浜町河岸はまちょうがしと呼ばれ。
 江戸時代はゆったりとした敷地の武家下屋敷が並んでいた。

はめ【羽目】はがさね
 板張の形。端を重ねず平らに張る。  「お父っつあん―‐板洗ってら。(堀の内)」

はやおけ【早桶】
 棺桶。死人あった時に急いで作るところからいう。  「親代々の―‐屋。(かつぎや)」

はやのかんぺい【早野勘平】
 仮名手本忠臣蔵の人物。もと赤穂藩士の一、萱野三平に擬す。塩谷家の腰元お軽を妻にする。
 お軽の父与市兵衛を誤って撃ち殺したと思い自害する。

はらごうえもん【原郷右衛門】
 仮名手本忠臣蔵の人物。赤穂浅野家足軽頭原惣右衛門に擬す。

はりす【鉤素】
 釣具の一。錘おもりから釣鈎つりばりまでの間に使用する糸。
 糸が切れたとき釣鈎以外を残す目的で、道糸より細い天蚕糸てぐす馬尾毛ばすなどを用いる。

はりせん【張り扇】
 講釈師釈台を叩いたときに良い音がでることが目的に作られた、開かない扇。

はりみせ【張店・張見世】
 遊郭の道路に面した格子内で、遊女遊客を誘う場所。また、そこで遊客を待つこと。

はるさめ【春雨】
 1)春の雨。特に若芽の芽吹く時期に静かに振る細かい雨。
 2)でんぷんから製した透明のな線状の食品。まめそうめん。とうめん。
 3)端唄歌沢の代表曲の一。「春雨にしっぽりぬるる鶯の」の歌い出しから付いた曲名。
   嘉永のころ江戸で流行し三味線の調子は二上がり。別名を鶯宿梅

はるのななくさ【春の七草】
 芹せり・薺なずな・御形ごぎょう(母子草)・繁縷はこべ・仏座ほとけのざ・菘すずな(蕪かぶ)・蘿蔔すずしろ(大根)の総称。
 正月七日に粥に入れて食べる。

ばれ【破礼】
 下がかった話。卑猥な話。みだらな話。「―‐噺」「―‐根多」「―‐句」

ばればなし【破礼噺】
 破礼を題材にした噺。艶笑噺。破礼根多。

ばれねた【破礼根多】
 破礼を題材にした噺。

はんぎょく【半玉】
 まだ一人前に扱われず、玉代も半分の芸妓

はんごんこう【反魂香】 一行あらすじへ  
 焚いた煙の中に死者の姿を現すという香。

はんごんたん【反魂丹】
 江戸時代、富山の薬売りが全国に売り広めた,腹痛の特効丸薬。

ばんしょ【番所】
 1)番人の詰め所。見張所。
 2)江戸時代、交通の要所に設けて通行人や船舶などを見張り、税の徴収などを行なった小屋。
 3)江戸町奉行所の称。

はんじょう【半畳】
 1)一畳の半分の畳。
 2)芝居小屋で、賃金を取って見物人の敷物に貸した小さい畳。または茣蓙ござ。「―‐を打つ
    「下手へ―‐という物を置いて、(蛙茶番)」

ばんしょう【晩鐘】
 入相の鐘。暮れの鐘。「三井の―‐

はんじょうをいれる【半畳を入れる】はんじょうをうつ

はんじょうをうつ【半畳を打つ】
 下手な芝居に対する不満を表すため、自分の敷いている半畳を舞台に投げる。
 転じて、他人の言動に対し非難の声を発する。弥次る。

はんすけ【半助】
 円助の半分で五十銭。  「調理番に―‐をやりたいが……(成田小僧)」

ばんた【番太】
 1)町村に召し抱えられて火の番や水門の番などに当った者。
 2)番太郎の略。

ばんたろう【番太郎】
 木戸番屋に住み、木戸の番をした町の雇用人。
 昼は駄菓子・雑貨などを売る内職をしながら、その任をつとめた。番太郎。

はんてん【半纏・袢纏】
 羽織に似た丈の短い和装の上着。襟えりの折り返しや脇のがなく、胸紐も付けない。
 「刺し子―‐」「印―‐」「ねんねこ―‐

ばんとう【番頭】
 商家の雇人の頭で、店の万事を預かる者。丁稚でっち手代てだいの上に立つ奉公人
  「―‐さんがやると、万事めでたい。(かつぎや)」

ばんばちょう【番場町】
 東京市本所区の一地区名。東西が隅田川達磨横町、南北が駒形橋厩橋間にあった。
 現在は墨田区東駒形一丁目と本所一丁目。

はんふだ【半札】
 割引券をいう。招待券は丸札。  「これが寄席の―‐でございますよ。(角兵衛の婚礼)」

はんもん【煩悶】
 煩い悶える。もだえ苦しむこと。

ばんや【番屋】
 1)番所。  「御門のところへ―‐をこしらえまして。(禁酒番屋)」
 2)江戸時代、木戸の番をするため、その隣に建て番太を住まわせた小屋。番小屋。
 3)猟師などが寝泊まりする小屋。北海道では漁師が寝泊まりする小屋をもいう。


      ひ   
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ひ【緋】
 濃く明るい赤色。火色。「―‐縮緬」「―‐の衣」

ひいき【贔屓】
 1)特別に目をかけ、力を添えをする。後援する。  「なにぶんよろしく、ご―‐を。(居残り佐平次)」
 2)後援者。スポンサー。

ひえいざん【比叡山】
 京都府と滋賀県の境、京都市の北東にそびえる山。叡山。天台山。北嶺。ひえのやま。
 頂上は東の大比叡(848メートル)と西の四明岳しめいがたけ(839メートル)に分かれる。
 東の中腹に天台宗の総本山延暦寺があり、延暦寺の山号

ひきつけ【引付け】
 1)引付下駄の略。
 2)引付座敷の略。  「―‐へ通って、ずうっと待っている。(とんちき)」
 3)発作的な痙攣けいれん。主に小児の痙攣に対していう。

ひきつけげた【引付下駄】
 表面に畳表を貼った駒下駄。婦人物は材を漆塗りして仕上げる。引付

ひきつけざしき【引付座敷】
 遊郭で、遊客遊女を引き合わせて、遊興料などを決める部屋。引付

ひきずり【引摺り】
 おはしょりをせず、裾を引き摺るように着物を着ること。
 転じて、おしゃればかりで、ろくに働かない女をあざける語。おひきずり。
  「佐兵衛のかかあは―‐で。(牛褒め)」

ひきてぢゃや【引手茶屋】
 遊郭で、遊客妓楼に送り込む茶屋

ひきぬき【引抜き】
 1)他に所属している者を、自分の所属にさせること。
 2)着ている衣装を素早く脱ぎ、下の衣装をあらわすこと。また、それがしやすいように細工をした衣装。
   「緋縮緬の長襦袢の―‐かなんかでもって、(錦の袈裟)」
 3)混ざり物のない上等なそば粉。

ひきゃく【飛脚】
 信書・金銀・貨物などの送達する使いや人夫。
 鎌倉時代、京・鎌倉間に早馬を用い七日間で通信の速達に当たり鎌倉飛脚・六波羅ろくばら飛脚などという。
 定置的な通信機関として江戸時代に発達し、継飛脚大名飛脚町飛脚の三つに大別される。
  「―‐が足を痛めちゃしょうがねえや。(茗荷屋)」

ひきゃくどいや【飛脚問屋】
 飛脚を仕立てることを業とする問屋。飛脚屋。

ひきゃくや【飛脚屋】
 1)ひきゃくどいや
 2)飛脚を業とする人。

びくに【比丘尼】
 1)出家した女性。尼僧。
 2)尼の姿をした遊芸人。また尼の姿をした私娼

ひざ【膝】
 膝替わりの略。

ひさし【庇・廂】
  建物の外壁から突き出た、片流れの屋根。  「むこうの―‐にがぶら下がっているよ(浮かれの屑選り)」

ひざかくし【膝隠し】
 上方落語見台の前に置いて、演者の膝が客席から見えない様にする小さな衝立

ひざがわり【膝替わり】
 寄席で、トリの一人前に上がる演者。

びぜんおさふね【備前長船】
 備前長船村。現在の岡山県邑久おく郡長船町。
 平安時代から幕末まで、備前物、長船物などと呼ばれる刀剣を制作し、多くの名工を生み出した。
  「―‐住則光錦明竹)」

びぜんおさふねじゅうのりみつ【備前長船住則光】
  備前長船村の刀工則光が手掛けた刀の意.。

びぜんやき【備前焼】
 岡山県から産出する上薬を掛けない焼き物。

びた【鐚】
 良質な鉄をとった後の不純物が多い粗悪な鉄。
 鐚銭びたせんの略。「―‐一文」

びたせん【鐚銭】
 粗悪な鉄銭の異称。室町時代から江戸初期にかけ、びたと称する粗悪な鉄で鋳造された一文銭
 寛永鉄銭などの称であったが、後には鉄銭を称するようになった。びた。

ひたたれ【直垂】
 元は庶民の衣服で、身幅・袖幅の狭い上衣だった。後には武家の代表的衣服となる。
 端袖はたそでを加え広袖とした上衣の胸には組紐の胸紐、袖の下端にはつゆを付け、共布の袴を着用。
 鎌倉時代に武家の幕府出仕の服となる。江戸時代には侍従以上の礼服とされ、長袴を着用。

ひだりうま【左馬・
 馬の字を左右反転させた文字。客が帰って来るようにとの縁起を担ぎ、遊里の女が書いたのが始まり。

ひぢりめん【緋縮緬】
 色の縮緬。  「―‐の長襦袢の引き抜きかなんかでもって、(錦の袈裟)」

ひとえ【一重・単】
 1)重なっていないこと。
 2)ひとえものの略。⇔
    「袷に―‐のひと揃いくらいは持って来ようと言うんだ。(垂乳根)」

ひとえもの【単物】
 裏地をつけないで仕立てた和服。ひとえ

ひとつかね【一束ね】
 一つにまとめて束にしたもの。ひとたば。  「―‐、値何銭文なるや?(垂乳根)」

ひともじ【一文字】
 女房詞で葱ねぎのこと。もと葱を「き」と一文字で読んでいたことによる。  「其文字の携えし―‐草(垂乳根)」

ひのき【檜・檜木】
 ヒノキ科の常緑高木。日本特産種で国内に広く分布。木目が緻密で光沢・芳香がありる。
 建材・家具・船舶などの材として用途が広く、木曽産のものが重用される。  「家は総体―‐造り、(牛褒め)」

ひもの【檜物】
 ヒノキで作ったわげもの。後には、わげものの総称。まげもの。

ひやかし【冷やかし】
 1)ひやすこと
 2)張見世遊女を見歩くだけで遊興しないこと。また、その人。素見騒き
   山谷の紙漉き職人が、材料の紙が冷えるまでの間吉原を見物したことから来た言葉。
    「あっちこっち―‐始めましたが(明烏)」
 3)買う気がないのに商品を眺めたり、値段を聞いたりすること。また、その人。
 4)相手が恥かしがることを言ってからかうこと。

ひゃっぽんくい【百本杭】
 護岸のために多くの杭を並べて打ち込んだもの。両国の百本杭は両国橋の北側の大川に打たれていたもの。
  「首尾の松、―‐を一目にズーっと眺めて、(船徳)」

ひやみず【冷水】
 冷たい水。れいすい。
 水売りが売り歩く水。「年寄りの―‐」

びょうぶ【屏風】
 風を屏ふせぐの意。室内の風除けや仕切りとして建てる家具。また、装飾としても用いる。
 縦長の木枠に紙や布を貼ってつなぎ合せ、折り畳めるように加工したもの。
 通常、二枚から六枚程度の偶数枚に畳み、左右一組を一双として数える。
  「―‐がさかさまになってますよ。(くやみ)」

ひよけち【火除け地】
 火災の延焼を防いだり、避難場所とするために、特に設けた空地。
 普段は見せ物など、興行の場として使用された。

ひよどりごえ【鵯超】
 兵庫県神戸市兵庫区の地名。また、六甲山地の西部を横切る山道。
 一ノ谷の戦いで、源義経軍が鵯越の逆落としの奇襲を掛けたと地として知られる。

ひよどりごえのさかおとし【鵯越の逆落とし】
 一ノ谷の戦いで、源義経率いる軍勢が、鵯越の崖に近い坂の鹿道を馬で駆け下りた奇襲。
 平家の強固な要塞であった一谷の布陣も、想定になかった山の手の砦とりで後方からの攻撃に混乱。
 逃げ出す平家の兵をも源氏の兵との勘違いが連鎖的に広がり、平家は大敗した。
  「これが―‐、有名な故事来歴。(源平)」

ひよりげた【日和下駄】
 晴天の日にはく歯の低い下駄。

ひら【比良】
 比良山地の略称。比良山系。

びら【ビラ】
 宣伝広告のために張り出したり配ったりする紙。ポスター。ちらし。「―‐字」「―‐下」「―‐屋

ひらさんち【比良山地】
 琵琶湖西岸沿いに北東から南西へ連なる山地。
 標高1214メートルの武奈ヶ岳、1174メートルの蓬莱山を含む山系。
 近江八景の一、比良の暮雪で知られる。

びらじ【ビラ字】
 寄席ビラに使われる文字の意。
 紺屋栄次郎が、提灯の文字と勘亭流を合わせた肉太の文字を書いたのが始まり。
 現在は橘流寄席文字が主流。

びらした【ビラ下】
 ビラを張らせて貰ったお礼に配る招待券。
 本来は、ビラの下隅に三角形の招待券が刷り込んであったものをいう。

びらせい【ビラ清】
 ビラ屋の清次郎の略。浪花町の下駄屋で通称が清次郎、本名は栗原孫次郎。
 紺屋栄次郎の考案したビラ字を真似、道楽程度にの寄席ビラを書いていたが、
栄次郎没後ビラ字の第一人者となる。
 安政のはじめには、噺の席、軍談席が四百近くにもなり、本業の傍らでは間に合わず下駄屋を廃業、
ビラ屋の元祖となるが一枚一枚の手書きにも限界があり版行を始め、版行ビラの祖でもある。

ひらぜんざ【平前座】
 本前座の中で立前座以外の前座

びらたつ【ビラ辰】
 ビラ屋の名。初代ビラ清の次男栗原辰三郎が川部家へ養子に入り初代ビラ辰を名乗る。
 二代目は辰三郎の長男川部殖造といい、噺家、橘右近が彼の影響を受けたことが、橘流寄席文字
大成への基となった。通常ビラ辰といえばその橋渡しとなった二代目をさす。

ひらのぼせつ【比良の暮雪】
 近江八景の一。比良山地に、夕暮の雪が降る琵琶湖の景観をいう。

びらや【ビラ屋】
 寄席の看板、行灯ビラ撒き物などにビラ字を書く職業。

ひるあんどん【昼行灯】
 日中行灯に灯をともしても、ぼんやりしていて無駄なところから、
ぼんやりしていて役に立たない人をあざけった語。

ひろこうじ【広小路】
 火除け地として設けられた幅の広い道路。「上野―‐」「日本橋―‐」「両国―‐」
  「武士、鰹、大名小路―‐、(鹿政談)」

びわこ【琵琶湖】
 滋賀県中央部にある湖。面積670.5平方キロメートルで日本第一。
 湖面標高85メートル。最大深度104メートル。
 上水・発電・水産・灌漑・水運などに利用。宇治川、さらに淀川の水源。

ひわあい【庇間】
 路地を挟んだと庇の間。  「九尺の―‐を飛び越えやがって。(火事息子)」
 ひあい。

びわようとう【枇杷葉湯】
 1)ビワの葉、薬草、甘茶などを細く刻んで混ぜ合せたものを煎じた汁。
  京都烏丸に本家があり、暑気あたりや痢病を防ぐ効能がある飲料として販売。
  江戸馬喰町山口屋又三郎の店がこれを扱い、宣伝用に路傍で無料でのませた。
 2)誰にでもふるまうところから、貞操のない女。

びん【鬢】
 頭の左右側面の髪。  「色の白いところに―‐ほつれが、こうきてだよ。(風呂敷)」

ぴん【ピン】
 カルタ、サイコロなどの一の数。  「あっしは、―‐に有り金全部張らして頂きます。(看板のぴん)」

びんごおもて【備後表】
 広島県の尾道・福山辺から産出す高級畳表。  「畳は―‐びんご五分縁でございます。(牛褒め)」

貧乏神【貧乏神】 一行あらすじへ  
 俗に、人を貧乏にさせると信じられている神。
 痩せこけて色青ざめた風体で、手には破れ渋団扇を持って悲しそうに現れるという。


      ふ   
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ふい
 努力が結果に反映しないこと。何も無かったと同じ結果になること。駄目になること。

ふうらぼう【風羅坊】
 松尾芭蕉の別号。  「―‐正筆の掛物かけもん。(錦明竹)」

ふかい【深い】あさい
 席の遅い出番。

ふかがわ【深川】
 東京都江東区西部の一地区。安永・天明年間には遊里が栄えた。
  「―‐の叔母さんのところへ来たが。(連理の梅枝)」

ふかがわふどう【深川不動】
 東京都江東区富岡にある成田山深川不動堂の通称。また、その本尊である不動明王。

ふきやちょう【葺屋町】
 東京都中央区日本橋にあった一地区。現在の人形町三丁目の中央部近くに位置した。
 元吉原の西方に当たり、歌舞伎浄瑠璃文楽芝居などがあり繁昌した。
 一説に、元吉原が逢った場所の地名とも伝わる。

ふくさ【袱紗・帛紗・服紗】
 表裏二枚に縫い合わせたり、一枚物の絹布を方形に作ったもので、進物を包んだり上に掛けたりするのに用いる布。
  「懐中から紫縮緬の―‐を出し、(殿様の郭通い)」 
 また、茶道で用いるものをとくに茶袱紗という。  「その―‐を、わたしが拾いました。(崇徳院)」

ふくべ【瓠・瓢】
 瓢箪ひょうたんの実の中を空洞にした器。おもに酒を入れて持ち歩くのに用いる。
  「―‐に飲み残りの酒があったんで、(野晒し)」 

ふくろもの【袋物】
 手提てさげ紙入れ・がまぐち・煙草入れ゙など、袋状の入れ物の総称。

ふくろものや【袋物屋】
 袋物を商う店、また、その人。袋屋。  「―‐のわかいもんでございます。(探偵うどん)」

ふじまいり【富士参り】 一行あらすじへ  
 富士山に参詣すること。また、その講中富士詣で

ふじまつぶし【富士松節】
 浄瑠璃の流派の一。宮古路豊後掾みやこじぶんごのじょう豊後節)の門人、
富士松薩摩掾ふじまつさつまのじょうが独立して創始。三代で絶える。
 その後、天保末期に鶴賀派を追放された富士松魯中ふじまつろちゅうが、一中節の味を取り入れて語った新内

ふじもうで【富士詣】
 富士山頂の富士権現社に参詣すること。とくに、陰暦六月朔日から二十一日までの参拝。

ふじわらのひでひら【藤原秀衡】
 平安末期の武将。奥州藤原氏の最盛期を築く。(生年不詳〜1187)
 源頼朝と対立し、源義経庇護ひご平泉中尊寺を建立した。

ふしん【普請】
 建築・土木の工事。「道―みちぶしん」「安―やすぶしん」  「その―‐を褒めに行く、(牛褒め)」

ふすま【襖】
 襖障子の略。臥す間からの称。木で骨組みした両面から、紙や布を貼った障子唐紙

ふすましょうじ【襖障子】
 のこと。鴨居敷居に溝を掘り、開閉可能とした障子
 板障子から始まった唐紙障子が、襖障子では主流となったところから、唐紙と称するようになる。

ふせ【布施】
 物を施しめぐむ意。とくに、僧に施す金品。

ぶたいばん【舞台番】
 江戸時代、劇場内の整理に当った従業員。舞台下手の角に座り、見物人が芝居の妨害をしたり、
騒いだりするのを制した者。  「―‐じゃ役不足だってんで、(蛙茶番)」

ふたつめ【二つ目】
 落語家の位の一つ。前座、二つ目、真打ちと昇進していく。
 楽屋の雑用から解放され、羽織を着ることが許される。
 真打ちの数が多い上に定席が少ないため、高座に上がる機会は少ない。

ふたもじ【二文字】
 女房詞で、韮にらのこと。葱ねぎの古称が「き」一文字だったのに対し、韮は「にら」の二文字だったことからの語。

ふち【扶持】
 俸禄を与え、家臣として雇うこと。また、その俸禄。

ぶちころす【打ち殺す】
 1)殺すを強調した語。
 2)殴り殺す。
 3)家財などを売り払う。また、質入れする。
 4)遊女を思いのままにするほど参らせること。

ふちょう【符丁】
 仲間内や同業者だけに通じることば。  「道具屋の―‐で買わずに行くことをしょんべんと言うんだ。(道具屋)」

ぶっしぐや【仏師具屋】
 仏像仏具を製造販売する店。仏師は仏像を作る職人。

ぶっつけおち【ぶっつけ落ち】
 落ちの分類の一。お互いに相手の言う意味を取り違えた会話が落ちになる。

ぶっぽうそう【仏法僧】
 仏・仏の説いた教え・それに従う人たちを三つの宝とする教え。三宝

ふどう【不動】
 1)うごかないこと。ゆるがないこと。「―の姿勢」
 2)不動明王の略。「江戸五色―‐」  「浅草のお―‐さま、じゃない、(粗忽長屋)」

ふどうそん【不動明尊】
 不動明王の尊称。  「―‐(損)と言うくらいだから。(天狗裁き)」

ふどうみょうおう【不動明王】
 大日如来の使者。 菩提心が揺るがないところから不動という。不動尊。
 悪魔を下し、仏道に導きがたいものの煩悩を打ち砕く。
 猛々しい表情で右手に剣、左手に羂索けんさくを持って、火焔を背負い石の台座に座す姿で表す。

ふともの【太物】
 呉服物に対し、麻織物・綿織物。

ふないたべい【船板塀】
 古くなった和船の船底の板を加工してはめ込んだ塀。  「―‐に見越しの松がニューっと……。(転宅)」

ふなじま【船島】
 山口県下関市の関門海峡にある無人島で、形状が舟の形に似ているところから付いた称と伝わる。
 面積約0.1平方キロメートルの平坦な島で、通称巌流島

ふなばた【船端・舷】
 船の側面。船のへり。ふなべり

ふなべり【船縁・舷】
 船のへり。船の側面。ふなばた。  「そのお武家様が―‐でポンとやると、(巌流島)」

ふなやど【船宿】
 船遊びや釣客などを貸し船に乗せる仕事をしている家。  「―‐のお花坊ですよ。(宮戸川)」

ふのり【布海苔・海蘿】
 1)海藻類の一。岩に付着して繁殖。管状で枝分かれが多く、表面は粘滑光沢がある。
 2)(1)を板状に干し固めたもの。煮て糊として用いる。

ぶよう【舞踊】
 舞い踊る意味。ダンスの和訳が一般的になった明治三十七年(1904)以降の呼称。「日本―‐」

ふら
 寄席楽屋符丁で、その芸人に生まれつき備わっているおかしさをいう。「―‐が良い」「―‐が有る」

ぶらちょうちん【ぶら提灯】
  柄の先に、提灯の上端をぶらさげたもの。弓張提灯などに対していう。
  「もっと小さい丸いので―‐というのだが、(心眼)」

ぶり【鰤】
 日本付近に分布する海水魚。背は鉄青色、腹部は銀白色で、体側中央に黄色の帯が縦に走る。
 代表的な出世魚で、関東では、幼魚から順に。ワカシイナダワラサブリ
 また関西地方では、ツバス・ハマチ・メジロ・ブリと呼ばれる。因みに関東でハマチは養殖ものをいうことが多い。
  「―‐のってあだ名付けちゃった。(短命)」

ふりのきゃく【降りの客】
 雨宿りのために入って来たような予定外の客の意。フリーの客は誤用。

ふるたおりべ【古田織部】
 安土桃山時代の茶人。美濃の人。名を重然しげなりといい、千利休の高弟。(1543〜1615)
 茶道織部流の開祖。秀吉、家康、秀忠に仕えた茶匠。

ふろしき【風呂敷】
 1)入浴時に衣類を包んでおき、湯から上がった後にはその上で衣類を身につけた方形の布。
    「―‐ィ包んで、質屋へ持って行ってくれた。(三枚起請)」
 2)大風呂敷の略。

ふろや【風呂屋】
 特に、湯女ゆなを置いた湯屋。銭湯。風呂桶を売る家。

ふろやもの【風呂屋者】
 風呂屋にいた遊女。ふろおんな。湯女ゆな

ぶんきゅうえいほう【文久永宝】
 文久三年(1863)から鋳銭した穴あき四文銭。文久銭。波銭

ぶんごぶし【豊後節】
 浄瑠璃の流派の一。一中節の分派で、宮古路豊後掾みやこじぶんごのじょうが創始。
 京から江戸に進出し、心中物が大流行を博したが、風紀上の理由で元文年間に禁圧され、廃絶に至った。

ふんやのやすひで【文屋康秀】
 平安初期の歌人で六歌仙の一人。
 百人一首に「吹くからに秋の草木のしおるればむべ山かぜをあらしというらん」

ぶんらく【文楽】
 1)人形浄瑠璃の称。「―‐人形
   人形浄瑠璃芝居の座が、大正初年には文楽座だけになり、この名前が定着。
 2)文楽座の略。

ぶんらくざ【文楽座】
 人形浄瑠璃を演じる座。
 寛政年間に淡路出身の素人義太夫語り植村文楽軒が大坂道頓堀高津新地に座を創設。
 のち、大坂市内を転々とし、明治五年(1872)松島に移り文楽座となる。
 昭和三十一年(1956)道頓堀に新築移転。
 昭和三十八年(1963)文楽協会が運営をひきつぎ、朝日座と改称。
 昭和五十九年(1984)国立文楽劇場の発足により閉館。

ぶんらくにんぎょう【文楽人形】
 文楽の芝居を演じるための操あやつり人形。


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へ【舳】
 船の先端をいう古語。船首。舳先みよし。⇔とも

へいそく【幣束】
 1)神に捧げる物の総称。
 2)裂いた麻や畳んで切った紙を、細長い木に挟んで垂らしたもで、お払いをするのに用いる祭具。御幣

へさき【舳先】
 と先が重複した語。船の先端。船首。みよし

べっこう【鼈甲】
 1)亀の甲。特にスッポンの甲羅こうら
 2)ウミガメ科のタイマイの甲。櫛やこうがいなどの装飾品に加工。
   「―‐問屋の若いもんでございまして。(文七元結)」

へっつい【竈】
 かまど。  「―‐から出て来た猫みてえな顔をになって。(首ったけ)」

べらぼう【便乱坊・箆棒】
 寛文年間に大阪の見世物で人気をとった男の名。
 容貌が醜く、全身が真っ黒で頭が細くとがり目は赤く丸く、あごは猿のようで、愚鈍な仕草で客の笑いを誘った。
 この見世物から「ばか」「たわけ」「あほう」など意で人をののしりあざける時に言う語となる。
 穀潰しから箆棒の字を当て、ばかばかしいさま。 異常なさま。法外なさま。

べらぼうめ【べらぼう奴】
 べらぼうを強めて江戸っ子が人をののしるときに使った言葉。

べらんめえ
 べらぼうめの転化。

べんけい【弁慶】
 1)源義経に仕えた鎌倉初期の僧侶。幼名は鬼若丸( 〜1189)
 2)強い者のたとえ。「―‐の泣き所」
 3)藁を束ねたもので、魚をした串を刺すために用いるもの。
 4)竹筒にいくつかの穴を刻んで、台所道具などを差すためのもの。
 5)幇間。取り巻き。他人の払いで飲み食いする人。

べんざいてん【弁才天・弁財天】
 七福神の一。弁才は弁舌の才能、弁財は財福で、これらをつかさどる女神。弁天。べざいてん。
 一般的に琵琶を持つ姿が多く、音楽の神とされ妙音天・美音天ともいう。武器を持つ姿、子を抱く姿もある。

べんてん【弁天】
 弁才天の略。  「生きた―‐様かと思いました。(かつぎや)」


      ほ   
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ほうかん【幇間】
 遊客の機嫌をとり、酒宴を盛り上げる仕事の男。太鼓持たいこ。男芸者。
  「―‐太鼓、野太鼓てやつで。(野晒し)」

ほうこう【奉公】
 他家に召し抱えられ、家業に従事すること。  「十一の年から―‐致しておりますが、(山崎屋)」

ほうこうにん【奉公人】
 奉公する人。武家や商家などに他家に召し抱えられ、家事・家業に従事する人。
  「―‐と一緒にご飯を食べてた。(短命)」

ほうじょうときむね【北条時宗】
 鎌倉幕府の八代執権。通称、相模太郎。(1251〜1284)
 文永十一年(1274)・弘安四年(1281)両度の元寇げんこうに際し、強行に幕政を指導し防御撃退した。

ほうとう【放蕩】
 身勝手な振る舞い。酒色にふけり、素行が修まらないこと。

ぼうばな【棒端・棒鼻】
 1)棒の端。
 2)棒の先が転じて、先頭。最初。
 2)宿場のはずれ。境を示す杭が打ってあったからといわれる。  「品川の―‐まで来て、(三人絵師)」

ほうりんじ【法輪寺】
 1)奈良県生駒郡斑鳩いかるが町にある聖徳宗の寺。
   聖徳太子の子、山背大兄王やましろのおおえのおうが、父の病気平癒を祈ってその建立したと伝わる。
   別名の三井寺は、三井の里の地名に因んだものといわれる。
 2)京都市西京区嵐山にある真言宗の寺。
   和銅六年(713)、元明天皇の祈願で創建した葛井寺が始まりと伝わる。
   天長六年(830)に虚空蔵こくぞう菩薩を安置して本尊とした。
   さらに貞観十六年(874)には修行僧が住んで仏道をする場が整えられ、寺号も法輪寺と改められた。

ほお【朴】
 モクレン科の落葉高木。細工しやすい木材は、建材や版木、また、木炭として用いられる。
 樹皮は風邪薬の代用として用いられた。ほおのき。ほおがしわ。

ほおば【朴歯】
 の木で作った足駄の歯。また、その歯を入れた下駄
  「―‐の曲がった下駄に、輪宝りんぼうの鼻緒。(つよがり)」   

ほくめんのもののふ【北面の武士】
 御所の院を警護する侍。  「―‐佐藤兵衛尉義清にございます。(西行)」

ほけきょう【法華経】
 妙法蓮華経の略。

ぼさつ【菩薩】
 釈迦牟尼。悟りを求める修行者。
 また、観世音などの崇拝対象。「弥勒―‐」「地蔵―‐」「外面似―‐内心如夜叉げめんじぼさつないしんにょやしゃ
  「金竜山浅草寺に安置し奉る聖観世音―‐しょうかんぜおんぼさつ。(やかん)」

ぼだい【菩提】
 1)仏の悟り。煩悩を断ち切って到達する境地。  「―‐の鹿招けども来たらず。(西行)」
 2)死後の冥福。

ほっく【発句】
 1)和歌初句
 2)連歌俳諧で、第一の長句の称。また、それが独立した俳句。⇔挙句

ほっけ【法華】
 1)法華経の略。
 2)法華宗の略。  「身延山?と、お前さん―‐かい。(こうふい)」

ほっけしゅう【法華宗】
 法華経をよりどころとするところから、広義には天台宗日蓮宗の別称。
 狭義には法華宗陣門流・法華宗本門流・法華宗真門流。

ほっこく【北国】
 江戸城の北に当たるところから、新吉原の異名。  「吉原をむかし―‐と申しました。(山崎屋)」

ぼてふり【棒手振り】
 荷物を天秤棒でかついだり、手にさげたりして売り歩く人。  「裏長屋にいた―‐が、(芝浜)」

ほりどめ【堀留】
 1)堀割の最終地点。
 2)東京都中央区の一地区。日本橋堀留。

ほりのうち【堀の内】 一行あらすじへ  
 1)城下町の堀をめぐらした中にある町や屋敷の称。
 2)東京都杉並区の一地名。堀の内のお祖師様と呼ばれる日蓮宗の日円山妙法寺妙法寺がある。
   「―‐お祖師様なんかどうだい?(堀の内)」

ほんけん【本拳】
 の一。右手を出し、相互の開いている指の合計本数を言い当てる遊技。

ほんごう【本郷】
 東京都文京区の一地区。東京大学がある。

ほんしゅく【本宿】
 本陣などがあり、旅人を泊める設備を整えた宿場
 本宿の間に間の宿立場などがある。

ほんじょ【本所】
 東京都墨田区の一地区。隅田川東岸の低地。回向院吉良邸などで知られる。
  「―‐松坂町、紙屑屋の与太郎。(牛の嫁入り)」

ほんぜん【本膳】 一行あらすじへ
 形式を重んじた日本料理の膳組み。室町時代に確立し、江戸時代に発達した冠婚葬祭の料理形式。
 ひとつの膳以外の膳が付く料理。二の膳付き。また、その料理形式の一の膳をいう。

ほんぜんざ【本前座】
 見習いを終えた前座

ぼんのう【煩悩】
 人々をわずらわせ悩ませる一切の妄念。  「―‐の犬追えども去らず。(西行)」

ほんみょうじ【本妙寺】
 東京都豊島区巣鴨にある法華宗の寺。明治四十三年(1910)本郷から移転。山号は徳栄山。

ほんりゅういん【本龍院・本竜院】
 東京都台東区浅草七丁目にある古刹こさつで、浅草寺の末寺。山号待乳山まつちやま
 丘上に本堂の聖天宮しょうでんぐうがあり、待乳山の聖天さまとして親しまれている。


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