な 行
な
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【な行の最上段へ】
ないしょ【内緒・内所】⇒内証
1)内緒。内々だけの秘密。表沙汰にしないこと。
2)内所。内証。 「ちょっと、ご―‐で相談をして参ります。(お見立て)」
ないしょう【内証】
1)遊女屋で、主人の居間あるいは帳場。また、郭の主人。御内所。
2)一家の財政。暮し向き。
3)表沙汰にしないこと。内々にしておくこと。内緒。内密。秘密。「―‐勘当」
ないしょうかんどう【内証勘当】
公儀への届け出をしない、名目上の勘当。実際は信頼のおける者に預けることが多い。
ないとうしんじゅく【内藤新宿】
現在の東京都新宿区新宿一から三丁目。四宿の一。甲州街道第一番目の宿場として繁栄した。
なおし【直し】
1)あまり高級でない酒を加工して、香りや味を調えた酒。直し酒。
2)一定時間遊んだ遊客が、さらに時間を延長して遊興すること。
「お―‐だよってお前さんが声を掛けると、(お直し)」
なおす【直す】
1)元の状態、あるいは正しい状態に戻すこと。
2)仮の地位の者を適当な地位に付けること。転じて愛妻や妾などを正妻にすること。「下女を―‐」
3)直し。お直し。
4)劇場や客船などの席を、より上等な席に変えること。
なか【中】
江戸の吉原に有った遊郭と、大坂の新町に有った遊郭。
「ゆんべは―‐を素見して。(粗忽長屋)」
なかいり【仲入り】
演芸の休憩時間。
なかいりまえ【仲入り前】
仲入り直前に高座を勤める演者。なかどり。
ながかみしも【長裃】
江戸時代の武家の式服。肩衣かたぎぬと、それと同じ色文様の長袴ながばかまを着用。
なかがわ【中川】
埼玉県羽生市から東京湾に流れる川の名。上流島川、中流庄内古川、下流中川の総称。
江戸時代は荒川・利根川・庄内古川の合流点より下流を中川と呼んだ。
荒川・利根川放水路開削による分割後、元の合流点より上流をも含む呼称となる。
また、荒川放水路で分断され、荒川水系となった部分を旧中川。
中川本流から旧江戸川を結んで開削した部分を新中川という。
なかざ【中座】
1)張見世の中央の席。最も上席であることから、上位の遊女を指す。
2)講談で中程に出る芸人。前講、中座、後座の順に出演する。 「―‐が天保六花撰。(桑名船)」
3)大阪道頓堀の歌舞伎劇場。
なかせき【中席】
毎月十一日から二十日までの寄席興行。一月を十日間単位で区切り、上席、中席、下席とする。
また、三十一日まである月の最終日は、余一会の興行が組まれる。
なかせんどう【中山道・中仙道】
五街道の一。江戸日本橋から板橋へ出て、草津で東海道と合流し、京都に至る。宿場数は六十九宿。
なかどり【仲真打】
仲入りの直前に高座を勤める真打。仲入り前。
なかのごう【中之郷】
東京都墨田区吾妻橋の旧地名。
なかのちょう【仲之町】
吉原遊郭の大門から、水道尻みとじりに至る中央通りで、吉原の中心街。
「―‐のお茶屋さんへ、お金を取りにいらっしゃった……。(付き馬)」
なかばし【中橋】
東京都中央区京橋にあった橋の名。江戸時代東海道が紅葉川と交わる地に架っていた橋。
中橋南地は、初めて歌舞伎の興行が行われた地。
川は正保年間(1644〜1646)中橋より南が埋め立てられ、中橋広小路となった。
「―‐の加賀屋佐吉方から使いに参じましたもんで。(錦明竹)」
なかばしひろこうじ【中橋広小路】
東京都中央区京橋にあった旧地名。鹿野部左右衛門が木戸銭を徴収して落とし噺を演じた地。
正保年間(1644〜1646)に中橋より南を埋め立てた火除け地。
安永三年(1774)紅葉川の埋め立てが更に進み、中橋広小路町となった。
ながばかま【長袴】
裾を一尺以上もひきずる長い袴。肩衣かたぎぬと対で、長裃ながかみしもとして着用。
なかびけ【中引】⇒おひけ
なかむらなかぞう【中村仲蔵】
歌舞伎俳優。初代は、歌舞伎の家柄に恵まれなかったが、新演出を試み名をなす。(1736〜1790)
ながや【長屋】
長い一棟の建物をいくつかに区切り、その区切りを一戸とした住宅。「棟割―‐」「表―‐」「裏―‐」
「あの―‐を?あっしにくださんの?(崇徳院)」
なじみ【馴染】
1)なれ親しむこと。
2)同じ遊女のもとに通い馴れた客。遊郭では、三度目以降の客をいう。⇔しょかい
「―‐帳を繰っていくと、(品川心中)」
なすのよいち【那須与一】
鎌倉初期の武士。下野那須の人那。須与一宗高むねたか。(生没年未詳)
元暦二年(1185)屋島の戦に扇の的を射落して名をあげた。
「―‐宗高ってのは川中島へ出て来るんですか?(やかん)」
なだい【名代】
1)名高いこと。有名。 「あなたですか、―‐の道楽者というのは。(湯屋番)」
2)江戸時代、寺社奉行から興行の権利を与えられた者。
なだい【名題】
1)名題看板の略。
2)名題役者の略。
なだいかんばん【名題看板】
上演狂言の題名を表示した歌舞伎の表看板。
なだいやくしゃ【名題役者】
名題看板に載せられる資格がある幹部級の役者。
なだのきいっぽん【灘の生一本】
兵庫県神戸地方で醸造された、純度の高い上等の清酒。
なだのさけ【灘の酒】⇒なだのきいっぽん
「―‐と只の酒を聞き違えたんだろう。(子ほめ)」
なちのたき【那智の滝】
和歌山県那智勝浦町那智山にある、那智川上流の滝。
ななくさ【七草・七種】
春の七草は七種の菜で食用。秋の七草は七種の草花で観賞用。
ななくさがゆ【七種粥】
正月七日に、春の七草を入れて炊いた粥。
なにわぶし【浪花節】
講釈や文芸作品に節調を加えた語り物。三味線の伴奏で独演する芸。浪曲。
歌祭文から転化し、うかれ節などと呼ばれた。江戸末期に大坂から始まり、明治以後盛んになる。
なぬし【名主】
江戸時代の役人の一で村名主と町名主。
村名主は、村内の民政を行い、身分は百姓。庄屋。肝煎。
町名主は、町方の民政を行い、身分は町人。町役人まちやくにん。町役ちょうやく。
なみせん【波銭・浪銭】
裏面に浪模様がある銭。四文銭。文久永宝および、四文通用の寛永通宝。
明和五年(1768)に初めて製造された明和期の寛永四文銭は青みを帯び、青波銭と称す。
なみはば【並幅】
和服地などの一般的な幅。呉服尺で一尺。
ならも【奈良茂】⇒ならやもざえもん
ならやもざえもん【奈良屋茂左衛門】
江戸深川の材木商。通称奈良茂。姓は神田。
初代奈良茂(神田四代目)は日光東照宮修理を機に富を積み、紀国屋文左衛門と並び称される豪商。
二代目(神田五代目)は先代より四十万両の遺産を受け、驕奢を極め花街などで大金を費やした。
なりた【成田】
千葉県北部の一地区。成田山新勝寺の門前町として発達。現在は新東京国際空港がある。
なりたさん【成田山】
千葉県成田市成田にある新勝寺及び、その別院・分院等の山号。 「―‐へ行くんだよ。(山号寺号)」
なりたさんしんしょうじ【成田山新勝寺】
千葉県成田市成田にある真言宗智山派ちさんはの大本山。天慶三年(940)開山。通称成田不動。
なりたさんふかがわふどうどう【深川不動堂】
東京都江東区富岡にある成田山新勝寺東京別院。不動堂建立は明治十四年(1881)。
元禄十六年(1703)新勝寺の本尊を永代寺に出開帳したのが起源。
なりたふどう【成田不動】
千葉県成田市成田にある成田山新勝寺の通称。
また、その本尊である、弘法大師が敬刻開眼した不動明王像の通称。
なりひら【業平】
1)在原業平ありわらのなりひら。 「いい男がいるでしょう、―‐とかいう。(千早振る)」
2)東京都墨田区の一地区。業平天神から付いた地名といわれる。
業平の名が付いたのは、明治五年(1872)の小梅業平町が始まり。
明治二十四年(1891)中之郷業平町。昭和五年(1930)業平橋。昭和四十二年(1971)業平。
なりひらてんじん【業平天神】
小梅橋西詰めの本所中之郷南蔵院境内にあった神社。小梅橋が業平橋と呼ばれる由来の神社とされる。
昭和四年(1929)南蔵院が葛飾区へ移転の際廃社。
なりひらのりょう【業平の寮】
業平付近にあった大店や郭の保養所。 「―‐へ参っておりますので。(なめる)」
なりひらばし【業平橋】
隅田川水系の大横川に架かる橋。浅草通りの業平一丁目と吾妻橋三丁目簡の橋で、現在橋の下は暗渠。
寛文二年(1662)に架橋された。完成当時一帯の地名であった小梅村の名から小梅橋名付けた。
後に、この橋の西詰めにあった業平天神の名から業平橋になったといわれる。
なりんぼう【癩坊】
ライ病の人。ハンセン病の人。癩かったい。 「―‐の平吉と申します。(和歌三神)」
なんぞういん【南蔵院】
1)東京都葛飾区水元にある寺院。山号を業平山ぎょうへいざん、寺号を東泉寺。
元、本所区中之郷に有った寺。しばられ地蔵で知られる。昭和四年(1929)に移転。
2)東京都豊島区高田一丁目にある寺院。山号を大鏡山、寺号を薬師寺。山吹の里弁才天がある。
三遊亭圓朝作の怪談乳房榎では、絵師菱川重信が天井に雌雄一対の龍を描いたとされる寺。
なんぶ【南部】
豪族南部氏(二十六代当主南部信直以降外様大名)が支配した、岩手・秋田・青森またがる地域。
特に、岩手県盛岡の呼称。
に
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【な行の最上段へ】
にいのあま【二位尼】
平清盛の妻で名は時子。建礼門院の母。平家が壇ノ浦の戦に破れ、
孫の安徳天皇を抱いて海に身を投じた。(1126〜1185)
におう【仁王】
仏法守護の鬼神で健康の象徴とされる。阿吽あうん一対の像で、阿形を金剛、吽形を力士と呼ぶ。
におうもん【仁王門】
阿吽あうん一対の仁王を安置した山門。 「―‐を出たところで大勢の人だかり。(粗忽長屋)」
にじゅうしこう【二十四孝】
中国の教訓書に記されている二十四人の孝行者の総称。 「唐土に―‐と言うのがあって。(二十四孝)」
にちぼつ【日没】
1)太陽の上辺が地平線下に没すること。また、その時刻。ひのいり。いりあい。
2)六時の一。酉の刻。現在の午後六時頃。
にちれん【日蓮】
鎌倉時代の僧。(1222〜1282)
天台宗を初め、各地で諸宗を学び、法華経に仏法の真髄を見出し、建長五年(1253)日蓮宗を開く。
身延山に庵を結び、武蔵国千束郡池上にて寂す。 「祖師は―‐に奪われる。(山岡角兵衛)」
にちれんしゅう【日蓮宗】
日本仏教の宗の一。日蓮を祖とし、法華経を所依とする宗派の総称。
身延山久遠寺を本山とする日蓮宗をはじめ、法華宗・日蓮正宗など。
にちれんしょうしゅう【日蓮正宗】
日蓮系教団の一。日蓮を宗祖、日興を派祖とし、大石寺を総本山とする。
にっきだんじょう【仁木弾正】
伽羅先代萩めいぼくせんだいはぎの登場人物。妖術を使い伊達藩の乗っ取りを企てる悪役。
「筍の―‐なんて聞いたことがねえや。(二十四孝)」
にっこう【日興】
鎌倉時代の僧。日蓮門下僧の一。日蓮寂後、日蓮正宗の祖となり、富士に大石寺を開いた。(1246〜1333)
にっこうかいどう【日光街道】
五街道の一。江戸日本橋から千住へ出て、宇都宮で奥州街道と分岐し日光に達する街道。
宿場数は二十三宿。
にっちゅう【日中】
1)日のある間。ひるま。ひる。白昼。
2)六時の一。正午。真昼。現在の十二時頃。
にのせき【二の席】
一月の十一日から二十日の寄席興行。中席。
にのせんつき【二の膳付き】
ふたつ目の膳が付いていること。
二の膳が付いている料理形式を本膳といい、多いものでは五の膳まである。
にはち【二八】
二と八を掛け合わせた十六の意。十六歳。娘ざかり。 「―‐あまりの賤女しずのめが出て来て、(道灌)」
にはちそば【二八蕎麦】
蕎麦粉八、うどん粉二の割合で打った蕎麦。もり・かけが十六文だったことからとも。
にばんだいこ【二番太鼓】
寄席の開演五分前頃に打つ太鼓の曲名。略して二番という。
にひゃくとおか【二百十日】
立春から数えて二百十日目に当たる日。九月一日頃に当たり台風の多い時期である。
にほんさんけい【日三景】
日本の三大景勝地。天橋立・厳島・松島。
にほんづつみ【日本堤】
江戸隅田川竹屋の渡しから三輪みのわに至る山谷堀の土手。新吉原大門へ向かう道。
現在は、東京都台東区に地名だけが残る。
にほんばし【日本橋】
1)日本橋川に架かる橋。全国への道路の基点となり、中央に元標がある。
2)東京都中央区の一地区。東京二十三区の中央部。金融・商業の中枢をなす。
にほんばしがわ【日本橋川】
隅田川と江戸城外濠とを結ぶ川。
にほんばしとおり【日本橋通】
東京都中央区日本橋の旧地名。昭和二十二年(1947)の新区制で日本橋区と京橋区が中央区となった。
昭和四十八年(1973)には通一丁目から三丁目と日本橋江戸橋一丁目から三丁目が、合併して、
日本橋一丁目から三丁目と住居表示が変わった。 「―‐一丁目の白木屋という呉服屋。(出世の鼻)」
にほんばしどおり【日本橋通り】
東京都中央区日本橋を通る中央通り(国道15号線)の江戸時代の呼称。....
にゅう【疵】
道具屋の符丁で、品物の疵きずや欠点。 「茶をあけてみると―‐がない(茶金)」
にょうぼう‐ことば【女房詞】
室町初期ごろから、宮中奉仕の女官が用いた一種の隠語的なことば。
主に衣食住に関する事物について用いられ,上品な言葉遣いとされた。
のち将軍家に仕える女性から、武家や町家の女性に広がった。
あもじ |
いしいし |
おかか |
おかき |
おかず |
おかちん |
おかべ |
おくもじ |
おこわ |
おじや |
おつけ |
おでん
| おなか |
おなら |
おにぎり |
おはぎ |
おはぐろ |
おひや |
おむすび |
おめもじ |
かもじ |
くき |
くこん |
くろもじ |
こうこ |
こもじ |
こん |
ささ |
しゃもじ |
すもじ |
そもじ |
なす |
にもじ |
はもじい |
ひもじい |
ふたもじ |
ふもじ |
ほもじ |
みもじ |
ゆもじ |
などの類。
にょらい【如来】
仏の尊称。「阿弥陀―‐」「釈迦―‐」「大日―‐」
にんぎょうじょうるり【人形浄瑠璃人情噺】
浄瑠璃に合せて操る人形劇。文楽。
にんぎょうちょう【人形町】
東京都中央区日本橋の一地区。江戸時代に歌舞伎・浄瑠璃・文楽芝居などで賑わった。
にんじょうばなし【人情噺】
笑いを主体とせず、人情や世情を題材とした落語。
にんそくよせば【人足寄せ場】
火付盗賊改長谷川平蔵の意見を取り上げ、寛政二年(1790)初めて江戸石川島に設けた施設で、
無宿者を収容し、手に職を付けさせることを目的とした自由刑執行の場。
ぬ
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【な行の最上段へ】
ぬか【糠】
玄米を精米した時に出る、胚乳や種皮などの粉末。 「お熊は―‐屋の娘だ。(藁人形)」
ぬかにくぎ【糠に釘】
手応えが無く、効き目がないたとえ。
ぬかぶくろ【糠袋】
糠を入れた袋。とくに肌を洗うため、手頃な大きさの布袋に米糠を詰めたものをいう。
ぬかみそ【糠味噌】
糠を煮立てて冷ました塩水で練って発酵させた漬け物の床。
「―‐の中から古漬けを出して貰いたいんだが、(酢豆腐)」
ぬかみそがくさる【糠味噌が腐る】
調子はずれな歌をけなしたことば。
ぬかみそくさい【糠味噌臭い】
体に糠味噌のにおいが染みるほど家事に追われ、新鮮さがない女房。糠味噌女房ともいう。
ぬきがき【抜書き】
1)必要な箇所を抜粋して書くこと。また、それを書いたもの。
2)芝居で、その役者が出る部分だけを書いた略式の台本
「―‐を持っているんだよ。(きゃいのう)」
ぬく【抜く】
出番のある芸人が寄席を休むこと。
ね
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【な行の最上段へ】
ねぎし【根岸】
東京都台東区北部の一地区。江戸時代には「呉竹の里」、「初音の里」などと呼ばれた閑静な地。
ねぎま【葱鮪】
葱ねぎと鮪まぐろを煮ながら食べる鍋料理。ねぎまなべ。
ねこ【寝粉】
長期保存し使用できなくなった粉。 「黄粉がみんな―‐だった。(大豆粉きなこの牡丹餅)」
ねこいらず【猫イラズ】
黄燐を主成分とした殺鼠さっそ剤の商品名で、明治三十八年市販された。
「あたいのは、―‐いらずってえの。(道具屋)」
ねずみいらず【鼠入らず】
鼠が入れないように作った食器棚。 「―‐を担いでいびきをかいている。(引越の夢)」
ねたちょう【ネタ帳】
寄席の楽屋にある、日付と演題と演者(色物は演者のみ)を書き留める帳面。
同じ日に付く噺が重複するのを避けるため、一日分が一頁に収まるよう前座が書き残す。
一般的に、半紙を縦長に二つ折りにし、短辺を和綴じにした帳面。
洒落て根多帳と書く。鶯宝恵帳おぼえちょう。
ねづ【根津】
東京都文京区の一地区。根津権現(明治以降、根津神社)がある。
江戸時代には門前に妓楼があったが、明治二十一年(1888)に洲崎へ移された。
ねとい【根問い】
根元まで掘り下げて問いただすこと。「―‐物」「浮世―‐」
ねぶか【根深】
ネギの異称。成長に従い土を被せていき、茎の白い部分を長く育てたネギ。
「これは―‐でござんすよ。(垂乳根)」
ねぼけせんせい【寝惚先生】⇒おおたなんぽ
ねん【年】
1)元日から大晦日までの一めぐり。四季の一めぐり。十二か月。
2)年季の略。 「―‐が明けたら末は夫婦ひいふになるべえちゅう……。(お見立て)」
ねんき【年季】
1)奉公の約束の年限。一年を一季とする。
2)年季奉公の略。「―‐が明ける」
ねんきぼうこう【年季奉公】
年季を定めてする奉公。
ねんぶつ【念仏】
仏の姿や功徳を想い、仏名を口にして念じること。特に南無阿弥陀仏の六文字を唱えることをいう。
「お正月に―‐などあげないでおくれよ。(かつぎや)」
ねんぶつおどり【念仏踊】
太鼓・鉦かね・瓢ふくべをなどを打ちならし、念仏・七五調の和語の経を唱えながら踊ること。また、その踊り。
のち、芸能にも取り入れられ、阿国歌舞伎、女歌舞伎、若衆歌舞伎、野郎歌舞伎。と変化していった。
また、盆踊りの起源ともいわれる。
ねんねこ
1)寝るの幼児語。
2)赤ん坊。年頃になっても世間知らずな娘。
ねんねこ
1)寝るの幼児語。
2)ねんねこ半纏の略。 「世の中に帷子の―‐なんぞあるもんじゃねえ。(十徳)」
ねんねこ半纏
乳幼児を背負うときに着る綿入れ半纏。ねんねこ。
の
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【な行の最上段へ】
のう【能】
1)物事をなし得る技。知恵や技術。「才―‐」「無―‐」
2)効果。ききめ。「―‐書き」「効能」
3)日本芸能の一。猿楽から発展した歌舞劇。また、猿楽・田楽にもいう。
のうがき【能書】
薬のなど効能などを書いたもの。効能書き。
転じて、自分の得意なことや、身勝手なことを並べ立てた言葉。
のうがく【能楽】
日本芸能の一。能と狂言の総称。古くは猿楽と称し、能楽は明治以降の呼称。
鎌倉時代に猿楽から歌舞劇が生れ、能と呼ばれた。
一方、猿楽本来の笑いを主とする演技は科白劇として確立、狂言と呼ばれた。
のうきょうげん【能狂言】
猿楽の笑いの要素が洗練された、科白劇の芸能。
のがけ【野駆】
春や秋ののどかな日に、食事の用意をして野山を歩き回ったりして遊ぶこと。野掛け遊び。野遊び。
「夜明けじゃない―‐。(道灌)」
のし【熨斗】
熨斗鮑の略。また、四角い紙を縦長で末広がりの六角形に折り、中に小さい熨斗鮑を張ったもの。
進物の右上に添える。 「おめえは―‐のポンポンをしらねえな。(鮑のし)」
のしあわび【熨斗鮑】
アワビの肉を薄く引き伸ばして乾燥したもの。祝儀の進物に添える。
のしいと【熨斗糸】
製糸工程で、繭の糸口を探す際に出る屑糸。
のしもち【伸し餅】
切餅とするための厚さに延ばした、長方形状の平たい餅。
のせる【載せる】
寄席の楽屋符丁で食事をする意。
のぞきからくり【覗絡繰・覗機関】
箱の中に物語の筋に応じた数枚の絵をおさめておき、これを順次に転換させる装置。
箱の両側に立った二人が物語を歌いながら、綱を引いて絵を転換させ、
これを前方の眼鏡から覗かせて料金を取った。からくり。
のだいこ【野太鼓・野幇間】
素人の幇間。転じて芸のない幇間をさげすんだ呼称。
「幇間太鼓、―‐てやつで(野晒し)」
のとのかみのりつね【能登守教経】
平教経。 「これを遙か見ておりましたのが―‐。(源平)」
のむ【飲む・呑む】
納める。隠し持つ。 「―‐んでのんでいた匕首で、(新聞記事)」
のれん【暖簾】
1)禅家で隙間風を防ぐのに用いた垂れ幕がはじまり。日よけとして軒先に張った布。
江戸時代以降、商家では屋号などを染め抜いたものを張ったり垂らしたりするようになる。
「上総屋という―‐が下がっているだろう。(元犬)」
2)部屋の仕切りに垂らす布。 「麻の―‐と蚊帳の間にいたんだよ。(麻のれん)」
3)店の格式や信用。 「―‐にも障ることで、(出世の鼻)」
のんこう
京都楽焼三代目、楽道入の俗称。
「―‐の茶碗。(錦明竹)」