な
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無いものねだり ((ないものねだり)) ⇒ 居酒屋
長崎の赤飯 ((ながさきのこわめし))
勘当された若旦那金次郎が長崎でお園と結婚たと知った大旦那は、 金次郎を江戸へ引き戻したが、 身重のお園が江戸へ来る。
長崎の代官 ((ながさきのだいかん)) ⇒ てれすこ
中沢道二 ((なかざわどうに))
心学者中沢道二が日本橋で講話会を開いたが、 心学と田楽を聞き違えた連中が集まり、田楽が出ないので途中で帰ってしまう。
長襦袢 ((ながじゅばん))
織物屋の亭主が花魁紫に夢中になり、 女房が舌を噛み切って死に、 血の付いた反物が染め直され、 袋物屋の若者半七が買う。
中村仲蔵 ((なかむらなかぞう))
名題になった仲蔵が定九郎役しか貰えずがっかりするが、 柳島妙見に日参した満願の日に見た浪人をヒントに新しい形で演じる。
長 持 ((ながもち))
鳶頭の家へ若旦那と許嫁がやって来て、鳶頭は二人にしようと、居合わせた半公と辰公に「帰れ」と言うが、長持ちに隠れて覗く。
長屋の花見 ((ながやのはなみ))
貧乏長屋の連中が、酒は番茶を煮出し水で薄めた物、 蒲鉾は月形に切った大根、卵焼きは沢庵と、 代用品を持って花見に行く。
泣き塩 ((なきしお))
女中と侍と焼き塩屋が泣いている訳を聞くと、女中が侍に手紙を読んで貰ったところ、「国元の母が大病」と書いてあるのだと言う。
薙刀傷 ((なぎなたきず))
小間物屋の若旦那が浪人の娘つるに恋煩いし、手代の仲立ちで結婚して三年後、つるは店へ押し入った賊に薙刀傷を負わせる。
仲人役 ((なこうどやく)) ⇒ 高砂や
茄子娘 ((なすむすめ))
和尚が茄子を植え、「大きくなったら私の菜にしてやる」 と言っているのを聞いた娘が、「私は茄子です、 妻にしてください」 と言う。
茄子の子 ((なすのこ)) ⇒ 茄子娘
名違い ((なちがい)) ⇒ 平 林
夏 泥 ((なつどろ))
夏の夜に汚い長屋へ泥棒が忍び込むと、その家の住人はぐっすり寝込んでいて、蚊遣り木代わりに燻した木から火事が起きそう。
夏の医者 ((なつのいしゃ))
病人が出て呼びに来た男と医者が、 隣村へ向かう近道の山中でウワバミに飲まれたが、 医者が腹の中へ下剤を撒いて助かる。
鍋草履 ((なべぞうり))
芝居茶屋の若い衆が誂えの鍋を梯子段の下へ置き、幕が閉まるのを待っていたが、降りて来た客が、鍋へ足を突っ込んでしまう。
鍋 蓋 ((なべぶた))
臭いを嗅でおかずを言い当てて貰い歩く源八が、家主の家は「昆布巻き」と嗅ぎ分けたが、家主は「そんなものはない」と嘘を言う。
生兵法 ((なまびょうほう))
剣術に凝った若旦那が、 「一八を当て身で気絶させ、活を入れて息を吹き返させる」と言ったが、一八が断ると鼠で試して見せる。
なめる
芝居見物をしていた八五郎が、お嬢さんと女中の桟敷に同席を勧められ、女中が、「お嬢さんが『家へ招くように』と帰った」と言う。
成田小僧 ((なりたこぞう))
芸者小千代が十一屋の若旦那清三郎に恋煩いするが、他の女と家出したと聞き身投げするところを止めたのは十一屋の大旦那。
成田土産 ((なりたみやげ))
明朝成田へお詣りに行く亭主が、女房と暇乞いの交わりをしたいが子供がなかなか眠らず、 寝付いたのを見計らい暇乞いをする。
縄のれん ((なわのれん)) ⇒ ずっこけ
難題話 ((なんだいばなし))
雲州塩谷の諸士が鎌倉へ四十七人が東海道を下っては目立つと、天川屋義平に船を用意させるが、風や浪に流され天竺へ着く。
に
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二階ぞめき ((にかいぞめき))
若旦那が吉原を冷やかさないと気が済まないので、二階に吉原の背景を作ったが、若旦那が騒いでいるので小僧を見に行かす。
二階の間男 ((にかいのまおとこ))
芳公が旦那に、 「人妻に色ができたから二階を貸して欲しい」 と頼み込むが、 実は芳公が旦那の女房と一緒に二階へ上がった。
にかわどろ
仏師具屋へ入った泥棒が羅漢像を怪物と間違えて首を切り落とし、怒った主人は泥棒にニカワで首を継ぐ仕事の手伝いをさせる。
錦の袈裟 ((にしきのけさ))
町内の連中が、錦の布を下帯にする趣向で吉原へ繰り込むことになったが、与太郎の分は「自分で都合を付て来い」と言われる。
錦のしたおび ((にしきのしたおび)) ⇒ 錦の袈裟
二十四考 ((にじゅうしこう))
不孝者の八五郎に、大家は二十四考の何人かを例に挙げて孝行の徳を説き、「孝行ができなければ店を空けろ!」と活を入れる。
偽稲荷 ((にせいなり)) ⇒ 稲荷車
偽金 ((にせきん))
酔った旦那が道具屋金兵衛の大きな睾丸を、 「五十円で売れ」 と言い、 金兵衛も酔った勢いで、 「明朝八時まで届ける」 と言う。
二段目 ((にだんめ))
芝居風呂に来た客が、「本当に忠義な義士は本蔵」だと言い、一方は「由良助がいるから忠臣蔵になるんだ」と言って喧嘩になる。
二丁ろうそく ((にちょうろうそく))
吝屋吉兵衛が、女房の実家でお七夜をするので呼ばれ、供の定吉に「『提灯を点けろ』と言ったら 『忘れて来たと』言え」と教える。
二人癖 ((ににんぐせ)) ⇒ のめる
二人書生 ((ににんしょせい))
二人の書生が借りた離れの床下からうめき声がするので縁の下を覗いてみると、 そこの奉公人と旦那の二号が埋められていた。
二人旅 ((ににんたび))
二人連れの江戸っ子が謎掛けなどをしながら旅を続け、「やなぎや」という茶店にたどり着くが、ろくな料理はないし酒は水っぽい。
二番煎じ ((にばんせんじ))
火の番の夜回りをした旦那衆が、番所へ内緒で持ち込んだ酒を呑んでいると、役人が回って来たので、「風邪薬だ」と言い訳する。
二番目 ((にばんめ))
婚礼のあった家へ忍び込み、 残り酒を飲んで酔っ払ってしまった芝居好きの泥棒が、 石川五右衛門になったつもりで見得を切る。
にゅう
茶道具の鑑定家の半田屋長兵衛の奉公人が、「『にゅう』とは『傷』のことで『にゅう』を見付けろ」などと教わり、代理で鑑定に行く。
女房孝行 ((にょうぼうこうこう)) ⇒ 派手彦
女丈夫 ((にょじょうぶ)) ⇒ 薙刀傷
にらみ返し ((にらみかえし))
大晦日の晩に掛け取りを帰す商売の男を雇い、男が煙管で煙草を吹かし、にらみ付けていると、掛け取りはあきらめて帰って行く。
俄心学 ((にわかしんがく)) ⇒ 天災
人形買い ((にんぎょうかい))
神道者の息子の初節句祝いに、長屋中から金を集めて人形を買いに行った八公と熊公は、「値切った百文で酒が飲める」と喜ぶ。
人情八百屋 ((にんじょうやおや))
棒手振りの八百屋が誓願寺店で見た極貧の母子に売り上げを渡して帰り、後に母子の様子を見に行くと、母親は自殺したという。
人参かたり ((にんじんかたり))
漢方医へ 「薬種問屋の若い者」 と名乗る男が来て、 「朝鮮人参を盗まれた同僚が、気がおかしくなったので診て欲しい」 と頼む。
ぬ
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抜け裏 ((ぬけうら))
通行人が路地を通り抜けるので「猛犬あり」と張り紙をして、声色の上手な男に犬の鳴き真似をして貰ったら通り抜けしなくなった。
抜け雀 ((ぬけすずめ))
旅籠相模屋の絵から雀が飛び出して評判になるが、泊まった老人が「このままでは雀が死んでしまう」と言い、鳥籠を描き添える。
ね
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ねぎまの殿様 ((ねぎまのとのさま))
雪見に出た殿様が、空腹の余り居酒屋で初めて葱鮪を食べるが、 その味が忘れられない殿様は、 庭で葱鮪を作るように命じる。
猫怪談 ((ねこかいだん))
与太郎の親が死に、谷中へ行く途中で早桶が壊れ、 新しい物を買いに行っている間に猫が死体の傍を横切ると死骸が動き出す。
猫 久 ((ねこきゅう))
猫久と呼ばれるほど柔和な久六が、ある日血相を変えて戻り 「刀を出せ!」と怒鳴ると、女房お光は神棚の前で三度頂いて渡す。
猫 定 ((ねこさだ))
猫定と呼ばれる猫好きの魚屋定吉が旅に出た留守に、女房に若い男が出来て猫定が帰ると邪魔になるので、若い男に殺させる。
猫退治 ((ねこたいじ))
お嬢さんが病気になり、 「死んだ飼い猫が化け、お嬢さんの体を舐めるからだ」 と聞いた出入りの鳶頭が、若い者と猫退治に行く。
猫忠 ((ねこただ)) ⇒ 猫の忠信
猫と金魚 ((ねこときんぎょ))
隣の猫に金魚を捕られ困っている旦那が、湯殿の棚の上で、金魚鉢を掻き回している猫を懲らしめて貰おうと、鳶頭を呼びにやる。
猫と鼠 ((ねことねずみ))
野州の牢同心向井金左衛門の長男金三郎は盗癖があり、父は谷川で長男を斬殺するが、長男の盗癖は次男金之助に乗り移る。
猫の恩返し ((ねこのおんがえし))
魚屋の金公が博打に負けて仕入れの三両まですってしい、 金公の愚痴を聞いた飼い猫の駒が、 掘留の旦那の家から三両盗む。
猫の災難 ((ねこのさいなん))
貰った鯛の粗に鉢を被せておくと、友達がはみ出た部分だけを見て尾頭付きと勘違いし、「あれで一緒に呑もう」と酒を買いに行く。
猫の皿 ((ねこのさら)) ⇒ 猫の茶碗
猫の忠信 ((ねこのただのぶ))
猫が吉野家の常に化け、 清元の師匠お静と差し向かいで飲んでいるところを、 吉野家の次郎吉と亀屋の六兵衛が取り押さえる。
猫の茶碗 ((ねこのちゃわん))
掘り出し物の骨董を探し歩くのが商売の男が、 宿場の茶店で猫が飯を食っている茶碗が高麗の梅鉢で二・三百円が相場と踏む。
ねずみ
虎屋という大きな旅籠を乗っ取られ、鼠屋という小さな宿屋を営んでいる亭主に、左甚五郎が彫ってやった鼠が動き、評判になる。
ねずみ ⇒ ねずみの耳
ねずみ穴 ((ねずみあな))
たった三文を元手に蔵を三つも持つまでになった竹次郎が、風の強い日に火事が起き、ネズミの穴から蔵に火が入った夢を見る。
ねずみの耳 ((ねずみのみみ))
股を拡げて寝ていた妾の股間に鼠が入り、旦那に「権助に身を委ねろ」言われて実行すると、権助の陰茎に食い付いて出て来る。
ねずみ耳 ((ねずみみみ)) ⇒ ねずみの耳
捻兵衛 ((ねじべえ)) ⇒ 樟脳玉(下)
寝 床 ((ねどこ))
旦那の義太夫の会があり長屋の者に使いを出すが、 それぞれ言い訳をして断り、 店の者も仮病を使うので、旦那は怒ってしまう。
の
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能祇法師 ((のうぎほうし))
俳諧師能祇法師が大磯に庵を結び、 写本をしているところへ泥棒が入いるが、 盗る物がないので伊勢物語をひったくって逃げる。
能狂言 ((のうきょうげん))
江戸で見た能狂言を懐かしく思った国詰の殿様が、 「端午の節句にやれ」 と命じたが、能狂言を知っている家来が一人も居ない。
野晒し ((のざらし))
隣家の浪人尾形清十郎に 「釣りに行って見付けた人骨を回向をしたら、綺麗な女が礼に来た」 と聞いた八五郎が骨を釣りに行く。
蚤のかっぽれ ((のみのかっぽれ))
酔った男の背中がムズムズするのでシャツを脱いで見ると、 ノミがいるので潰そうとすると、 「かっぽれを踊るから助けて」 と言う。
後の船徳 ((のちのふなとく)) ⇒ お初徳兵衛
のめる
「呑める」が口癖の男が、 「つまらねえ」が口癖の男に「互いに口癖が出たら罰金を取る」と決めさせ、相手に言わせようと仕組む。