錦の袈裟 (にしきのけさ)
隣町の連中が吉原へ繰り込んで、揃いの緋縮緬の長襦袢でかっぽれを踊り、自分たちの悪口を言って帰ったと言うのです。
憤慨した連中は隣町に負けない趣向はないかと相談した結果、
「錦の布を借りることができるからそれをふんどしにして繰り込もうと」言い出す者がいて話はまとまりますが、一本足りないので、与太郎の分は自分で都合を付ければ連れて行ってやることにします。
家へ帰って与太郎が女房に相談をすると、女房は考えた結果、お寺へ行って袈裟を借りて来る知恵を付けます。
与太郎はどうにか袈裟を借りることができ、錦の下帯を締めた若い衆は中へと繰り込みます。