看板のピン (かんばんのぴん)
若い衆が集まって
樗蒲一
博打
をやっているところへ、親分と呼ばれる男がやって来ます。
親分は「博打なんかやめろ」と言うのですが、若い衆は親分に「一度だけ
胴を取って
くれ」と頼みます。
親分は「訳有って四十二の年に博打はやめたが、今年で
還暦
だから、子供に返ったつもりで、たった一度だけだぞ」と念を押して胴を取ります。
壺を伏せた親分が「さあ、張れ」と言いますが、壺の脇に
ピン
の目のサイコロが転がっています。