お初徳兵衛 (おはつとくべえ)
勘当された若旦那の徳兵衛は船宿大松屋で船頭をしていましたが、ある日、番頭連と芸者お初、それに油屋九兵衛が、徳兵衛が漕ぐ屋根船の客になります。
やがて一行は吉原へ向かうことになり、お初を徳兵衛に送らせますが、途中雷雨に遭い、二人は屋根船の中で深い仲になります。
この二人の中が噂になり、大松屋にいにくくなった徳兵衛は船頭仲間の吉五郎のところへ転がり込みますが、そこへお初からの手紙が届き、ふたりは大川へ身を投げて心中しようと思い立ちます。
お初徳兵衛は近松門左衛門の浄瑠璃、曽根崎心中をヒントにしたもので、船徳はお初徳兵衛の発端を滑稽に改作したものです。