副住職 の 近況報告 平成16年10月24日( 午前2時30分)

 歳時記をずいぶん更新していなかったので、近況報告ということで日記風に書いてみました。

 今年6月、住職が、胃に初期のガンが発見されて市立病院に入院しました。
7月には胃の全摘手術を受け、胆嚢もとりました。だから、今の住職には胃がありません。
 という訳で、住職が入院した6月から、私、副住職が壇務の一切をしております。
今は住職はもう退院して3ヶ月になりますが、食事はまだ気をつけて摂らなければなりませんし、そういう理由で、寺の仕事や壇務の9割は私がしております。もちろん、土日に集中してやっております。

 そのせいか?10月は結構忙しい日々が続いております。
 4日後の10月28日(木)〜29日(金)は、県の教頭会で米沢市を代表して私が発表いたします。
土曜日の昨日は、壇務の合間を縫って、パワーポイントで最後の資料作成三昧でした。

 6日後の30日()は、檀家の総代会を行います。隣接する田が境内地を削って現況が田になっているのですが、法務局や司法書士・土地家屋調査士の方に会って相談したり、所有者との話し合いを進めたりして、その結果の中間報告をして検討する会です。
 翌31日()は、地区の文化祭と学芸会があるので出勤です。当日の法事は申し訳ないがヨロヨロ?の住職にお願いしましょう。
(なお、平日にお葬式が入ったりすれば、学校勤務の私はなかなか休めません。今までそれで休んだことなどほとんど無いです。でも、お葬式などめったにありませんから少し安心。たとえあっても、当日私の代わりを務めてくれる坊さんは常に数名おります。そして体調不安?ですが、住職もまだいるし…。)

 重なるときは重なるもので、西部小学校時代の校長先生を囲む会の幹事の番が回ってきました。地区の担当幹事で現職教員は2名だけなのですが、もう1名から忙しくてできないのでと、私に幹事の資料が回ってきました。…ということは、幹事は私1人だけ!? 案内発送は今々のことなので、とりあえず元校長先生のご都合をお聞きし(毎年11月の始め頃に開催)、11月6日()と決め会場を予約。(その後の予定あるし、もう1名の幹事もその日だと出席できるかもしれないというので。…でも当日は欠席でしたが。) 案内葉書をパソコンで作って印刷、(宛名書きは家内に)10月上旬にとりあえず80余名に発送。 …ん?そういえば、なんとその日は、市の連合PTA研究大会がある日でした!PTA担当は教頭の私。研究大会を終えてから急行すれば、校長先生を囲む会は午後5時からだし何とかなるでしょう。 改めて幹事の打ち合わせをする日は…。今度のは上記の理由で時間がない。木・金の県教頭会の前には3日しかなく無理だし…。会の資料作成はどうしよう? 私一人で一夜漬けででもやるか!
 駄目押しで、PTA大会の同日夕方から北部ブロックPTAの会議と懇親会をするという案内がきました。教頭が担当だから、PTAの会の方がどちらかというと大事なのですが、またダブった。ひぇ〜〜!

 また、寺には県指定文化財になっている「大日如来像」があります。数年前から市や県に補助金の申請をしていたのですが、新規事業ということでなかなか採択されずにいたところ、文化課の方から、ある財団で文化財修理に補助する制度があるので申請してみてはどうかと薦められました。
 採択されるかどうかは分からないのですが、とにかくワラをもつかむ心境で申請書を提出することにし、書類を作成しました。後は、権威ある方の推薦書を付けてやるだけです。○○県立博物館の方に来ていただけることになりました。11月2日です。私も立ち会わなければなりません。なお、その日はこちらにお泊りになるそうです。
…あっと!その日の夜は、学校の体育館で地区のミニコンサートがあるので学校を開けなければなりません。夜の10時まではかかりそうです。こんなことは、校長はじめ他の人には頼めそうにないので、やはり教頭が学校を開けなければならないでしょう。昨年も何かと重なり…。まったく、重なるものですね。

 なにはともあれ、当面は教頭会の最後の資料作成と学校評価のまとめを、今日明日の休み中に仕上げなければなりません。学校ではなかなか落ち着いて作成することはできません。授業もあるし、こんなときに限って休んだ先生の補習に出たり、突発的なことが出たりするものなんです。
 学校の私の机の上には、今々片付けなければならない仕事や、調査も含めた文書が少なくても常に5〜10種類はあります。授業もありで、走り回っております。でも、「教頭が忙しそうにしていたら、職員が相談する気にもならないから、なるべく暇そうにしておけ。」と、教頭になった8年前に指導を受けてから(25年前の本山修行の時の指導だったかな?)、どんなに忙しくても、「忙しくありません。」と返事することにしています。湖水に優雅に浮かぶ白鳥の、水面下でせわしなく動く水かきの姿は、はた目には見えないものです。
 
 忙しさをアピールしているようですが、昔からこういう運命にあるのかと思う時があります。
ある年などは、土曜日早朝PTA野球の試合でユニフォームを着て汗を流し、午前中は背広を着て学校で勤務、午後は体育指導員の制服に着替えて体育講習会、夕方は僧衣に着替えて檀家の家にお経読み、夜は道着に着替えて合気道の稽古…。 翌、日曜日は同様プラス法事…e.t.c,
1日が30時間あればなあと、学生時代からこんな心境で暮らしていました。また、29歳までは、臨時教員をしながら教員採用試験の勉強と資格取得のための通信教育で、睡眠時間はありませんでした。芸能人並みのスケジュール? でも本山と比べれば天国!本山など1日に5分の自由時間も無いことは当たり前の1日20時間勤務。 こんなことばかりやってきましたから、今ぐらいの忙しさは何でもないです。

 もっとも、学校に勤務していると、土・日曜日・祝日、お盆、年末年始、ゴールデンウィーク等は休みです。そういうときがちょうどお寺の忙しい時なのです。だから学校のカレンダーとお寺のカレンダーを重ねてみると、年間で1日まるっきり空いている日は実に少ないです。早朝から午前9時までとか、そんな合間を縫っての休みです。そんな貴重な日にオートバイで1人どこかに行こうとすると、家族から非難ごうごうです。

 こんなことを書いているうちに、もう時間は午前2時30分になりました。今日は昼から町内の芋煮会があります。行かなかったり、遅れたりしたら気まずいです。でも、飲んだらもう仕事はアウトですね。(4日後の県教頭会の資料はどうするの? 今週中の学校評価のまとめは? 6日後の土曜日の総代会の準備は?…詰めなければならない事をでかさねば! その次の土曜日の先生を囲む会の準備は?) 
 でも芋煮会ではきっと飲むでしょう。 付き合いですから!? 好きなのかも? まったく懲りないものです。

 もっと忙しくて、苦しんでいる方にとっては恥ずかしいでしたが、つれづれなるままに、最近の寺と副住職の近況報告をしました。駆け足で過ごしているときだったので、HP更新もこの勢いでできました。


     (本山など1日に5分の自由時間も無いことについての補足説明)
 
     永平寺に上山して特に最初の数ヶ月は先輩方の目も厳しく、新参者は厳しくそのしきたりを叩き込まれる。
      脚などは、立っていないときには正座か座禅しているかのみで、あぐらなどかく暇は無く、実に酷使される。

       目線は、立って六尺座って三尺前に落とすのだから、廊下を歩くときには廊下の板の目しか見えない。
      キョロキョロして、古参に何回拳骨をもらったか分からない。だから、数ヶ月は景色はおろか、どこに何が
      あるのか建物の配置すら定かでなかった。最初に配属された先は地下にある調理場で、朝3時前に起きて
      ナベ磨き
早朝の座禅は暗い廊下を歩き、日中は地下の電灯の下で過ごし、夜の座禅に行くときも暗くて
      景色など分からない。配属されたときには残雪があったはずだが、そのうちに散り落ちたサクラの花びらを
      見つけ4月も下旬かと思い、セミが鳴いているので夏の到来を知り、涼しい風とともに落ち葉が舞い込んで
      くるのを見つけ10月下旬頃かと推察する。上山当初は、こんな地下の調理場務めの8ヶ月間であった。

       1日に5分も自由時間が無いのは、上山したばかりのときだけではなかったが、上山してからの3週間は
      5日に1回の入浴日に風呂に入る時間すらなかった。もちろん下着もそのままで、3週間ぶりに入浴できた
      ときの爽快感は、本当に「生きていてよかった。」と思えるほどの気持ちよさで、その時の爽快感は30年近く
      経った今でも忘れません。


追伸 ; 住友財団への「大日如来坐像修復補助金申請」の件は、今回は残念ながら
     見送りとなってしまいました。 (平成17年3月11日に、財団から通知がきました。)



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