黒猫ミャオの(子の)恩返し
ー ヒロミの新車購入時 秘話 ー
ープロローグー
平成13年10月、ヒロミの愛車のミニカがトッポにかわりました。
ミニカ (平成9年2月〜平成13年10月) トッポ (平成13年10月〜 )
ヒロミの愛車1台目(ミニカ) 昭和62年〜平成 9年 (10年間)
ヒロミの愛車2台目(ミニカ) 平成 9年〜平成13年 (4.5年間)
ヒロミの愛車3台目(トッポ) 平成13年〜
1台目から2台目に替えるときには、1台目はかなりガタがきていて、ときどきエンジンストップを起こし、
修理に修理を重ねていた。そのために、平成9年、仕方なく1台目から2台目に買い替えたのだが・・・。
実はその半年後に軽自動車の規格が変わり、長さや幅などが少し広めの軽自動車が出てきたのだった。
あ〜あ、もう少し1台目が動けば広めの軽自動車が買えたのに、と思って少々残念さがあったのだった。
2代目のミニカはよく走ったが、やはり新規格の軽自動車と比べれば、ちょっとせまっ苦しい感じがする。
新車に替えるのには、軽自動車とはいえ100万円以上を投資しなければならない。とても無理であった。
ー本文ー
2年位前から、どこからか黒猫が来て、家に出入りするようになった。
首輪をつけている。 オスである。
家族は、『ミャオ〜』という可愛らしい鳴き声から「ミャオちゃん」と勝手に
名前を付け、カツオブシなどを与えて、やって来るのを楽しみにしていた。
ただし、動物恐怖症のヒロミだけは半径5m以内には近づけずに、遠くから
「ミャオちゃ〜ん」「ミャオちゃ〜ん」と(カツオブシを持ちながら)呼んでいた。
ときどき、ミャオが何週間も来ないときがあったりすると、何かあったの
だろうかと家族が心配するほど、楽しみにしていた存在であった。
平成13年9月9日 私が青森ツーリングから帰ってくると、ヒロミが泣いている。
訳を聞くと、ミャオの子供が3匹生まれていて大日堂の縁の下にいたのだが、
そのうちのミャオにそっくりの1匹の赤ちゃん黒猫が、死にそうだというのだ。
(耳に怪我をしているので、たぶんカラスにでも襲われたのではないかという)
昼頃発見し、ミルクなどを与えて介抱していたが、なす術もなくていたようだ。
獣医でもなく、猫に関しては素人の私は、そっと抱き上げミルクを与えると、
敵だと思ったのか最後の力を振り絞って「ミャオ〜!」と、か弱い声で歯をむき
威嚇してきた。でも、スポイトでミルクを与えると、コクコクと喉を動かして、
ほんの少しを胃の中に流し込んだようだ。怪我をした耳には消毒薬をつけて手当てをした。風をしのげるように
毛布を敷いたダンボール箱に入れて、ヒロミや子供達が時々夜まで様子を見に行っていたのだが…。
翌朝、ミルクをスポイトでやると少しコクッと飲んだ。今日は元気を回復してほしいと願いながら私は出勤した。
その日帰宅した私は、またもや泣いているヒロミを見た。(あの赤ちゃん黒猫が死んでしまっていたのだった!)
日中、ヒロミは猫好きの友達を呼んで相談したところ、獣医に連れて行ったほうが良いということになり、
その友達の知っている獣医に連れて行ったのだが、あいにく留守で診てもらうことができなかったらしい。
助けることができなかったミャオの子猫。私達は倒れていた場所の大日堂
脇に亡骸を埋め、花とミルクを供え線香を立て、お経をあげて冥福を祈った。
それにしても、子猫も怖がるほどの動物恐怖症のヒロミが赤ちゃん猫のために
介抱したり病院に連れて行ったり、ワンワン泣いたりしたことは意外であった。
ところで、この時はもとより、しばらくの間、当の父親のミャオは姿も現さず、
みんなは、「親猫なのに薄情なものだ、」と語っていた。父親はいつでもいない、と…
数週間ぶりにミャオが家に顔を出したとき、長男のケンジが、
「こらっ お前、今まで一体どこで何をしていたんだ!」と、叱っていた。
心ばかりの、野の花束
ーエピローグー
黒猫ミャオの子が亡くなってから、1〜2週間が過ぎたころ、車屋さんが来て、今のミニカを売って欲しいと言う。
なんでも、軽のミニカを欲しがっている人がいて、高額で下取りしその代わりお手ごろの新車のトッポを高条件で
提供できるという。 1〜2年前に試しに見積もったときの話とは違ってずいぶん条件が良いと思ったが(車屋さん
にとってはそうでもなかったかもしれないが)、結局契約することにし憧れの新規格のトッポに乗ることができた。
(因みに,自動車の安全祈願ーお祓いーは,副住職がします。お陰でバイクも含め(今までは)無事故! お守りは大日如来。皆様も是非。)
ところで軽のミニカを欲しがっていた人について、どこのどなたかは教えてもらえなかったが、「家でたくさんの
猫を飼っている人」だという。 この話を聞いて、ハッ!とした。 これって、もしかすると …! …? …!
関係ないかもしれないが、もしかしたら黒猫ミャオの子の恩返しかもしれない…と。 (脳天気な私達,家族かも!)
あらためてミャオの赤ちゃんの冥福を心から祈ります。 合掌 ー 命日は、平成13年9月10日(月) ー
また、あのミニカと 新しい所有者の方の 今後益々のご健勝とご活躍を 心からお祈り申し上げます。
ー補足ー
動物恐怖症のヒロミがワンワン泣いたのは、3匹の子猫が自分の3人の子供とダブって見えたからだそうだ。
とくに3番目の女の子は生まれつき身体が弱く、小さいときから何度も死にそうな目にあってきたために、まるで
その子が死にそうになっているような気がして、とても可哀想に思えたということである。
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不思議な線香の現象の話
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