カラスの話(その4)

― 子ガラスの飛行訓練 ― 平成13年6月7日

 

 例によって、副住職の妻(ヒロミ)から得た話である。

 

いつもこの時季になると、子ガラスの飛行訓練があるらしい。

いつもは2羽(ツガイ)でいたカラスが、何時の間にか6羽に増えてしまっていたカラス。

(子どもが4羽できていたのだ。) 昨年は子どもが3羽で、計5羽だったそうだ。

                 そういえば、去年もこんな話を聞かされたような気がする。

 最初は、見た目にも親子と分かる大きさの違いだったのに、この頃になると6羽とも同じような

大きさになってきており、親子の見分けがつかないほどだ。

(普通目には、ただの6羽のカラス。 しかし、ヒロミには親子の区別がつく!)

 「何で親子の違いがわかんなや〜?」

と副住職がヒロミに問うと、鳴き声が違うという。

親ガラスは「カア〜 カア〜」とカラスらしく鳴くのに対して、子ガラスはコオ〜 コオ

と、まだ半人前の子どもらしく?鳴くのだそうだ。

(ヒロミいわく、「子ガラスは、まだ声変わりをしていないので 分かる。」

 

… それにしても、その鳴き声を再現するヒロミの、とてつもなくカラスにそっくりな鳴き真似は

実に笑える。 唇をすぼめ、ほっぺたを膨らませて、真剣そのもの。 クックックッ(笑)

 

今日、例によってペチュニアの花摘みをしていると、どこからかカラスの大群がくる気配を

察し、娘の桂子(9才)のことが心配になって(…珍しく母親らしいこと。…実は怖くなって)

家の中に駆け込んだ(避難した)  (以前、乳母車ごと子どもを置き去りにして逃げてきたことがある。)

そして、2階の窓から観察していると、隣の大峡歯科医院の屋根に4羽の子ガラスが一列に

並んで、訓練飛行の順番を待っていたそうな。

親ガラスは「カア〜!! カア〜!!」(早く飛べっ!飛べっ!)と、言っているのに対し、

子ガラスたちはアッ アッ( ちょっと待って。怖いよう。)と言っていたという。
              (これは、ヒロミの『カラス語翻訳』による。)

そのうちに、意を決して数メートル先の木に向かって繰り返し飛び移る訓練をしたという。

(昨年は、本堂そばの松の木が訓練場所だったらしい。) …よく観察しているもんだぜっ!




  年がら年中カラスが鳴いていることに、何ら気にもとめなかった副住職だが、

やはり常に観察している人間は違うものだと、妙に感心をした日であった。

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