カラスの話(その2)

              ー マヨネーズの空き容器 処分事件 ー  平成13年5月20日


 昨年の夏、ヒロミ(副住職の妻)がプランターのペチュニアの花摘みをしていたときのこと

あるプランターの、二つのピンクの花の間に、なぜか業務用の大きなマヨネーズの空き容器が

あるのを発見した。

容器は、外からは見えず、花をかき分けないと分からないような状態だったのだが…。

 「??? なぜ、こんな所に こんな物が?」

 不思議に思ったヒロミは、きっとカラスが (ヒロミは、普段からカラスに敵対心を持っている)

上空からうっかり落としてしまったものだろうと(決め付け)、(汚い物を)拾ってゴミ袋に捨てた。

翌日郵便局に行こうとしてプランターの傍を通ったヒロミは、ピンクのペチュニアがきれいに

咲きそろっているのを確認していた。

そして、ほんの数分後、戻ってきたときに見たものは・・・。

な、なんと!無残にもあのペチュニアのプランターが荒され、土があたり一面に飛び散っていた

光景だった!!

他のプランターは何事もないのに、あのピンクの花のプランターだけが荒されていたのだった。

                              …そう、ご想像の通り、カラスの仕業である。

ヒロミは呆然として、恐怖におののきながらつぶやいた。      ああ、・・・カラスの復讐だっ!!!

 「あのマヨネーズの容器は、カラスが密かに隠していた“宝物”だったんだ。」

「おそらく ・・・ あれを 探しに来たんだ。」

 「…いや、カラスが隠していた大切な物を私が捨ててしまったものだから、きっと怒ったんだ。

 

そして問題は、長い1日の中のヒロミが郵便局に行っていた、ほんの数分間に起きたという事に

ある。


 (つまり、探し物が無かったから 怒ってプランターを散らかした…、という単純ではないところに、

空恐ろしさを感じるのである。 … ヒロミにしっかりと分からせるように仕組まれたあの数分間。)

 

 わざとらしいこのちょうどよいタイミングは、もしかして …あてつけ?  それとも、復讐?

 前日から、カラスが、このヒロミの外出の機会を ねらっていた可能性は、 … 高い


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