カラスの話(その2) 昨年の夏、ヒロミ(副住職の妻)がプランターのペチュニアの花摘みをしていたときのこと あるプランターの、二つのピンクの花の間に、なぜか業務用の大きなマヨネーズの空き容器が あるのを発見した。 容器は、外からは見えず、花をかき分けないと分からないような状態だったのだが…。 「??? なぜ、こんな所に こんな物が?」 不思議に思ったヒロミは、きっとカラスが (ヒロミは、普段からカラスに敵対心を持っている) 上空からうっかり落としてしまったものだろうと(決め付け)、(汚い物を)拾ってゴミ袋に捨てた。 翌日郵便局に行こうとしてプランターの傍を通ったヒロミは、ピンクのペチュニアがきれいに 咲きそろっているのを確認していた。 そして、ほんの数分後、戻ってきたときに見たものは・・・。 な、なんと!無残にもあのペチュニアのプランターが荒され、土があたり一面に飛び散っていた 光景だった!! 他のプランターは何事もないのに、あのピンクの花のプランターだけが荒されていたのだった。 …そう、ご想像の通り、カラスの仕業である。 ヒロミは呆然として、恐怖におののきながらつぶやいた。 ああ、・・・カラスの復讐だっ!!! 「あのマヨネーズの容器は、カラスが密かに隠していた“宝物”だったんだ。」 「おそらく ・・・ あれを 探しに来たんだ。」 「…いや、カラスが隠していた大切な物を私が捨ててしまったものだから、きっと怒ったんだ。」 そして問題は、長い1日の中のヒロミが郵便局に行っていた、ほんの数分間に起きたという事に 空恐ろしさを感じるのである。 … ヒロミにしっかりと分からせるように仕組まれたあの数分間。) わざとらしいこのちょうどよいタイミングは、もしかして …あてつけ? それとも、復讐? |