2002年2月15日(金)

モグリのタクシー?
 朝6時半、チェックアウトのためフロントへ。すると、今ごろクレジットカードの提示を求められた。もし何かあった場合、カードから引き落とされると言う。それって、チェックインの時に確認する事じゃないの?。

 タクシーを呼んでもらうと、5分程でやって来た。ところが、例のブラック・キャブではない。普通の白い乗用車。屋根には表示灯が付いているのだが、ダッシュボードにはメーターが付いていない。運転席もベンチシートではなく、ごくごくフツーの乗用車だ。まさかモグリでもあるまい。ちゃんとホテルで呼んでもらったのだから信用していいんだろうが、ボったくられたらどうしよう(汗)。
20分程で空港に到着。おもむろに料金表を取り出し請求されたが、15£しなかった。

 あとでガイドブックをよく読んでみると、これは『ミニ・キャブ』といってハイヤーなのだそうだ。ブラック・キャブよりも経済的と書かれてあった。それから、幾ら払ったのか忘れちゃうんで、領収書はもらっておくべきだな。

珍しずくめ
 実はマンチェスター〜グラスゴー間はSASが飛んでいないので、『ブリティッシュ・ミッドランド航空
British Midland Airwaysbmi)』というあまり聞き慣れない航空会社の飛行機で移動することになっているのだ(でも日本のWebサイトが有るよ)。もちろん格安航空券の範囲外だったので、別途料金がかかってしまったが。

 チェックインしたあと、再び両替。2万円が手数料3£を引いて93.27£。つまり1£が207.75円。3日前より50銭円高になっている。

 搭乗口の待合所で座っていると、窓の外に小さな飛行機がやって来た。まさか、これに乗るんじゃないだろうな。と思ったが、その“まさか”だった。搭乗が始まり前の人の後をついていくと、階段を下りて外に出たではないか。そしてその小さな飛行機まで歩いて行くのだ。こんな事は初めてだ。乗降口の扉にタラップが付いていて、それで乗り込む。まるで自家用機みたい

 一度こういう飛行機に乗ってみたかった。とてもうれしい。客室は狭い。座席は左側に1列、右側に2列、全部で
49席しかない。しかし何といっても驚いたのは、シートが革張り!なのだ。この飛行機はブラジル製の『Embraer(エンブラエル) ERJ-145』という。これは日本ではなかなか乗れない飛行機じゃないかな。後ろの方の席なので、窓の外を見るとエンジンがすぐそばにある。こりゃあやかましそうだと思ったが、割とそうでもない。普通の飛行機と同じような感じだ。離陸も軽やか。揺れもほとんど無く、快適な空の旅を満喫できた。
よっぽど北にあるのに
 グラスゴーには
1時間で着いた。スコットランドといえばイギリスの北部。かなり寒いんだろうな、雪が積もっていたらどうしようと、日本にいる時から心配していたが、ここもマンチェスター同様、思っていたより寒くはない。ジャケットにコート姿で大丈夫だ。持っていったセーターも着ずじまいになりそうだ。

 タクシーで、予約しておいた『プレミア・ロッジ・グラスゴー・シティセンター・ホテル
PREMIER LODGE Glasgow City Centre)』へ向かう。

 実は、本来なら某「C・ホテル」に泊まる筈だったのだが、日本を出発する1週間前にそのホテルが水災害に遭ったため閉鎖されたという知らせが入り、急遽プレミア・ロッジ・ホテルに変更になったのだ。出発する前で良かった。宿泊中だったら大変な事になっていたかも知れなかった。
午前中からチェックイン
 ホテルまでタクシーで約
20分、料金は14.5£だった。このホテル、以前は「Charring Cross Tower Hotel」と言ったらしい。入り口の床に、象嵌のようにその旧名が埋め込まれたままになっている。

 まあ、ビジネスホテルといった感じだろうか。新しい、明るい感じのホテルだ。しかしロビーが狭い。ラウンジもソファーもない。

 まだ
10時、チェックインには早いだろうから荷物だけ預かってもらおうと思っていたのだが、すぐに受付をしてくれた。バウチャーを渡すと、書類に名前、住所、次には何処へ行くのかなどを書かされた。それにしても、どうもフロントのおねえちゃんの英語が聞き取りにくい。渡されたのは、カード式のキー。部屋は709号室だ。

 エレベーターから降りると、掃除のおばちゃん達がこっちを見て怪訝そうな顔をしている。まだ早い時間だからだろうか、それとも僕らの風体が怪しかったのか。

 部屋に入る。東向きで明るい。でも隅の部屋なのか、三角形のような変な形の部屋だ。テレビが付けっ放しになっているのでよく見ると、これは驚いた。画面に
WELCOMEとあって、僕らの名前が映し出されている。なんとも凝った事をするものだ。

 そのテレビの下にある机の引き出しを開けてみたら、ドライヤーが入っていた。でもコードが固定されているので、テレビの前で髪を乾かせっていうことだろうか。
何はともあれ観光案内所
 UさんとTさん、Eさんの三人は、マンチェスターから列車で、1時ちょっと前に『グラスゴー中央駅(
Central Station)』に到着する。そのため、その頃彼らの泊まる『クオリティ・ホテルQuality Hotel Central Glasgow)』で待ち合わせる事になっている。

 ところが、そのホテルが何処にあるのか分らないと弟が言う。こういうことはきっちり打ち合わせをしておいて欲しいものだ。無駄に時間を取られてしまう。仕方がないのでフロントで聞いてみる。すると、このホテルの近くのようだ。だが今ひとつはっきりしない。1時まで時間があるので、観光案内所へ行く事にする。
さすが、頼りにしてます
 グラスゴーは、結構坂道のある街だ。ここに住む人はさぞかし足が丈夫だろう。街の中心部に近付くにつれ、だんだん賑やかになってきた。グラスゴーは結構大きな街のようだ。ガイドブックにも、
10ページにわたって取り上げられている。

 ホテルから歩いて
25分程で『ジョージ・スクエアGeorge Square)』という公園に着いた。ガイドブックによると、観光案内所はこの公園の南側にある筈だが…、あったあった。入り口が目立たないので、見過ごしてしまうところだった。中は結構混雑している。売店もあり、グラスゴーのお土産品がたくさん売られている。

 カウンターのおねえさんに話しかけてみる。と、おおっ、これは綺麗なおねえさんだ!。だがそんなことより「クオリティ・ホテル」の場所を聞かなくちゃ。すると、グラスゴー中央駅の建物の角にあるということだ。な〜んだ、フロントで聞いた所とは全然別の場所ではないか。印を付けてもらった地図と観光の小冊子を貰う。ついでにマッキントッシュ関係の資料も貰おうとしたが、その小冊子に書いてあると言われてしまった。
坂道が多くて疲れるなあ
 ホテルの場所を確認するために、セントラル駅に向かう。
途中、ブキャナン通り(Buchanan St.)を歩く。幅の広い通りなのだが、歩行者専用になっていて、たくさんの人で賑わっている。

 よく見ると、全般的に女の子のファッションが派手だ。冬だというのにミニスカートをはいて、日本のいわゆる“ギャル”と似たような格好をしている。思えばパリの女の子は地味だった印象ある。マンチェスターはその中間と言えるか。

 通りの中央に、この街のブロンズ製の模型が置かれていた。起伏のある街だということが一目瞭然だ。

 グラスゴー中央駅は古い建物で、その一角にある「クオリティ・ホテル」もまた古くて重厚な感じのホテルだ。

 街中を散策してみる。地図を見ていた弟が細い裏道に入っていくので付いて行くと、もう使っていない建物があり、弟がしきりに写真を撮り始めた。マッキントッシュ氏が設計した『デイリー・レコード・ビル
The Daily Record Building)』という建物だそうだ。それならもっと大事にしたらと思うのだが、街の中心部にありながら、廃墟状態じゃないか。それにしても、こんな薄暗い路地裏のような所にあるなんて…。
初めて知った意外な事実
 他にもあちこち散策しているうちに、待ち合わせの時間も近くなってきた。クオリティ・ホテルのロビーで、三人を待つ事にする。

 さっきもらった観光の小冊子を見ると、見たことがある写真が載っている。以前、安藤忠雄さんが外国の建築物を訪ねるというTV番組で、昔の学校の図書室を紹介していたのを観た事があり、印象深く記憶に残っていたのだが、その図書室の写真が載っていたのだ。そうか、あの番組で安藤さんが訪れていたのはグラスゴーだったのか。なんだか急に楽しみになってきた。すると、これは『グラスゴー美術学校
Glasgow School of Art)』の写真で、高校の建築史の教科書にも載ってるよ、と弟が言う。そんな何十年も昔のこと、すっかり忘れている。覚えているのは、アントニオ・ガウディ氏の「カサ・ミラ」の写真ぐらいなものだ。【帰国後さっそく教科書を引っ張り出して開いてみると、確かにその図書室の写真が載っている。机や椅子の形が違っているようだが…。】
マッキントッシュは街の誇り
 三人がやって来たのは、1時
20分頃だった。まだチェックインの時間ではないので荷物をフロントに預けて、五人でマッキントッシュ巡りをすることにした。

 まず最初に向かったのは『ライトハウス
The Lighthouse)』。ここはマッキントッシュ氏が設計したビルを、彼の資料館として公開しているのと同時に、建築、デザインの発信基地として活用されている所だそうだ。入場料が2.5£。3階(日本の4階)の「Mack Room」に芳名帳が置いてあったので、漢字で名前を書いた。この階にはマッキントッシュ氏に関するものが展示してある。帰り際、受付の女の人が僕らに向かって「サヨナラ」と言う。おやっ、日本語だ。僕らも「サヨウナラ」と返す。
グラスゴーは英語じゃない?
 ブキャナン通りの『ウィロウ・ティー・ルーム
Willow Tea Room)』の分店に入ってみる。しかし、満席で待っている人がたくさんいたので、諦めてすぐに外に出る。

 僕らの脇を、二人の男の人がまるで言い争いでもしているように、大きな声で話をしながら通り過ぎていった。どうも英語ではないように聞こえる。まるで別の言語のようだ。実はグラスゴーの人のしゃべりはかなり訛っているのだそうだ。さすがに7ヶ国語を操るEさんにも解らないという。どおりでグラスゴーの人達の英語は聞き取りにくいと思った。僕の英語力のせいだけではなかったんだ。
パブで食事
 お腹が空いてきたのであちこちレストランを物色してまわるが、グラスゴーは何故かイタリアン・レストランが多い。スコットランドに来てイタリアンはないだろうということで、「ジョージ・スクエア」近くのパブに入ってみる。大きくて天井も高い。真っ昼間から、たくさんの人が酒を飲んでいる…と言うのは、日本人の感覚。こちらでは、当然の風景なんだろう。食事もカウンターで注文するようだ。英語が出来るTさん(ニュージーランド人だから当たり前か)がいるので心強い。ハンバーガーを注文してもらう。

 運ばれて来たハンバーガーを見てびっくり。デカイ。上に載せるパンが脇に外されている状態で、白いお皿に載っている。自分でパンを載せて食べるらしい。なかなか美味しい。
これってデジャヴ?
 さて、「グラスゴー美術学校」へ行こうということになった。ソーキホール通り(
Sauchiehall St.)を通る。ここも歩行者専用の通りになっていて、賑やかだ。

 この通りに「ウィロウ・ティー・ルーム」の本店がある。ここもマッキントッシュ氏のデザインによるものだ。後で寄ることにして先を急ぐ。

 「ウィロウ・ティー・ルーム」から西へ1ブロック先を、右に曲がる。すると、急な上り坂になっている。見上げると、どこかで見覚えのある壁が!。やはりそれは「グラスゴー美術学校」の東側の壁だった。しかしそれは、安藤さんの番組で見たという記憶ではない。自分でも解らないが、何かで見たこの壁が、記憶のどこかに残っていたんじゃないかと思う。玄関は建物の北側についている。これがそうなのかと写真を撮った。

 Tさんが中に入り話を聞いて来た。すると、あしたの
1030分から見学ツアーがあると言う。またあした来る事にした。例の図書室を見ることが出来るのか。楽しみだ。

 ふと学校の隣にある小さな本屋さんに寄ってみる。さすがに建築の本が多い。日本の本も置いてある。店から出るとき、おばあさんと鉢合わせになった。僕が道を譲ると、そのおばあさんは僕に「
Thank you Gentleman」と言ったのだ。ジェントルマンだと…僕が。嬉しくなっちゃった。こういった場合、こちらの人は必ず「Thank you」とか「Sorry」とか声をかけてくる。日本人も見習うべきだよね。
百年前の喫茶店
 ソーキホール通りに戻り、「ウィロウ・ティー・ルーム」に入る。1階が「
Henderson The Jewellers」という宝飾店で、店の中を通って階段を登り「ウィロウ・ティー・ルーム」に行くようになっている。中2階に席が空いていたのでそこに座る。五人ではちと狭いがしょうがない。

 「
Ladder Chair」というマッキントッシュ氏がデザインした、背もたれの長い黒い椅子が使われている。もちろんレプリカだとは思うが、まさか100年前から使われている訳でもないだろう。

 イギリスと言えばやっぱり“アフタヌーン・ティー”ということで紅茶を注文。「
Tea Room Blend1.50£。物価高のイギリスで、しかも歴史的な喫茶店の割には安い。ごく普通の紅茶だが、こういうところで飲むと特別な感じがする。なにやら別の席では、日本人の女の子が店員さんに写真を撮ってもらっている。僕も店員さんに椅子の写真を撮っていいか聞いたら、快く承諾してくれた。

 店を出る前に2階を覗いてみた。誰もいない。ここは中2階と違いレストランのようだ。椅子も、背もたれは長いが銀色に塗られデザインも違っている。落ち着いた感じで、さぞかし食事も美味しいだろう。

 1階の宝飾店にも、マッキントッシュ関係の品物が売られていた。懐に余裕があれば欲しいところだが、ビンボー人には目の毒だ。
お買い物タイム
 三人のホテルのチェックインが未だだったので、8時に一緒に夕食に行く事にして、店を出たところで分かれる。

 僕らは、東西に走るソーキホール通りと南北に走るブキャナン通りがL字型にぶつかった所にある『ブキャナン・ギャラリーズ
BUCHANAN GALLERIES)』というショッピング・センターへ行く事にする。明るく大きな建物だ。ぐるりと店内を見て回る。まあ、ごく普通のショッピング・センターだ。日本へのお土産でも買おうと思ったが、適当なものが見当たらなかった。
面白お店発見
 ブキャナン・ギャラリーズからブキャナン通りに出ると、すぐそばに、なんともマニアックな店を発見した。アメリカンコミックや日本のマンガなどのフィギアや雑誌などを売っている店だ。

 入ってみると、鉄人
28号のTシャツやサンダーバードの日本製プラモデル、スパイダーマンやバットマンなんかのフィギア、SF映画の雑誌、HASBRO社(米国)製ポケモンのおもちゃなど所狭しと並んでいる。「How to Draw MANGA」なる本まである。中身を見ると、英文で書かれた、目玉の大きい“日本の美少女マンガ”の描き方だ。こんなものが世界中に出回っていると思うと、なんだか気持ちが悪くなってくる。

 実際この店に来ているお客を見てみると、少々気味の悪い(失礼)まるで映画に出てくるステロタイプのような、イカニモといった感じの人達が多い。具体的な描写は避けさせて頂くが、これがイギリスの“オタク”というものか。もしかすると、「
OTAKU」でもここでは通用するかも知れない。

 店の奥に進むと、これはびっくり。
50年代60年代のスーパーマンやバットマン、キャプテンアメリカやスパイダーマンといった骨董品的なアメリカンコミックが、びっしりと並んでいるのだ。もしかすると戦前の物もあるかも知れない。15千円といったところだろうか。この手のコレクターにとっては宝の山に違いない。
経済低迷の理由?
 イギリスは、店が閉まるのが早い。まだ6時だというのに次々と店が閉まっていく。ブキャナン通りを南に下り、突き当たりにある『セント・イノック・センター
St. Enoch Centre)』というショッピング・センターに行ってみた。天井が高くて「ブキャナン・ギャラリーズ」よりも大きな建物だ。だが、すでにほとんどが閉店していて人がいない。ぐるっと回ってみるが何もない。

 1階の出入り口付近にATMの機械を見つけたので、弟がお金を引き出そうとトライしてみる。まずはあたりを見回して注意を払う。やってみると思ったよりも簡単だ。カードを入れて、暗証番号を押して、
Withdrawを選択して、表示された金額を選べばOKだ。もう一度あたりを見回す。二人の時は、一人は周りに注意を払う役になるとよい。人気のない所では用心に越したことはない。

 8時までは時間があるし、仕方がないので「プレミア・ロッジ・ホテル」に戻ることにする。途中、コンビニのような店を見つけた。ミネラルウォーターを買おうと、中に入る。この店はちょっとした食料品を売る店だった。店の人は頭にターバンを巻いたインド系の人のようだ。やっぱり訛りで何を言っているのか、どうも聞き取りにくい。ホテルに戻り1時間ほど横になる。
やっぱりここもイタリアンなのか
 約束の8時、三人が泊まる「クオリティ・ホテル」のロビーで待っていると、Uさんが一人で降りて来た。TさんとEさんは、映画を観に行ったのだと言う。きのうマンチェスターでは観に行かなかったらしい。街の中をウロウロ歩き回り、レストランを探す。やっぱり適当な店が見当たらない。

 ブキャナン通りからちょっと入った所にオイスター・バーというのがあったので、そこに入る事にする。1階がバー、地下がレストランになっている。地下に降りると、係りのおねえさんに予約はしてあるかと聞かれた。していないと答えると、上のバーで
15分ほど待っていて欲しいと言う。こういう所は予約するのが当たり前なのだろうか。仕方がない。バーに入り、三人でシャンパンを飲みながら待つ。それにしても居場所に困るくらいのすごい混雑ぶりだ。大声を出さないと話も出来ない。

 時間が来たので、再び地下のレストランに行く。1階の喧騒がウソのように静かだ。先程の、“ヒデとロザンナ”のロザンナが若かった頃をもっと可愛らしくしたような、いかにもイタリア系といった顔つきのきれいなおねえさんが、僕らを店の奥のテーブルに案内してくれた。そういえば上のバーのバーテンダー達も、イタリア系の顔つきをしていたっけ。ここもやっぱりイタリアン・レストランなのだろうか。まずはワインで乾杯だ。注文したサーモン料理もすこぶる美味しい。

 食事も終わり、11時を過ぎたので店を出ることにする。三人で90£。一人6千円!。いくら美味しくても、日本じゃこんなに高い店には絶対入らないよな。出口のクロークでコートを受け取る。お皿にチップ1ポンドを入れたが、普通は幾らぐらいなんだろうか。チップの事ではいつも頭を悩ませる。

 あしたは
10時に「グラスゴー美術学校」の前で待ち合わせだ。早くホテルに帰って寝ることにしよう。あたりに注意を払いながら、真夜中のグラスゴーの街を歩く。ガイドブックには治安は悪いほうと書かれてあったので、人と擦れ違うときなんか内心ビクビクものだ。多分向こうも警戒しているんだろうけどね。果たして無事、自分の部屋に戻れたのだった。