羽根沢温泉は大正八年(1919年)日本石油が石油試掘のため、ボーリングを行った際に多量の天然ガスとともに噴出したのが始まりである。羽根沢温泉の奥にある与蔵峠(630m)を越えると庄内に出るが、延喜式での佐芸(さけ)駅と飽海駅を結ぶ道と推定されている。峠には与蔵沼があり、伝説が残されている。麓の集落に住んでいた与蔵という炭焼きが魚を食べたところ、のどが渇いて沢をせき止めて水を飲むうちに大蛇になって沼の主になったというものである。 羽根沢温泉の東、曲川の小杉地区に「小杉の大杉(曲川の大杉)」という巨木がある。その形状から「トトロの木」として広く知られるようになった。神木として祀られており、樹齢は千年以上とも言われている。縄文式土器や石器までも出土しているという。別名「猫の木」。二本並んでいるため縁結びの杉ともされている。 |