目黒のさんま (めぐろのさんま)
殿様が急に
鍛錬
のため
野駆け
をすると言い出し、馬に乗って目黒へ出掛けます。
やがて殿様が空腹を訴えますが、家来も
火急
の出来事で食事の準備をしていません。
そこへどこからともなくさんまを焼く臭いが漂って来て、家来が臭いをたよりに行ってみると、百姓がそれを焼いていたので譲り受けます。
野外で空きっ腹のところへ、焼きたてのさんまを生まれて初めて食べた殿様は、この味が忘れられないものとなってしまいます。