既存の砂防ダムのスリット化を求めて  ‘05.1.28
  山の崩落、侵食は重力場におけるポテンシャルエネルギーの放出です。つまり防ぐことのできない自然現象なのです。造山運動により、位置エネルギーを高められた大地は、風や雨、地震等の作用により風化、侵食、崩落を繰り返すがこれらの現象は大地が不安定な状態から安定な状態へと変化する一過程であるといえます。
 つまり、重力場の中で物質が運動エネルギーを放出しながら位置エネルギーの高い状態から低い状態へと変化することです。川は水の作用によって土砂を山から海へと移動させるのです。この現象は位置エネルギーが0になるまで続くものです。つまり土砂の流出は重力のあるかぎり永久に続く現象なのです。
 現在の砂防政策の目指す方向は、これらの現象をあたりまえのものとせず、なにがなんでも土砂の流出を止めようとしているところに、多くの矛盾をかかえこむ結果がでています。今のやり方で行けば、谷をさかのぼり山頂近くまで砂防堰堤を造らざるをえなくなります。極端なことをいえば山全体をコンクリートで覆うことになり兼ねません。
 砂防ダムの目的は本来、下流域の人命、財産を守る為に土砂流出を抑制することにあります。しかし、上流部の開発や山林の完全伐採、問題のある林道の建設など、土砂流出を促進させる要因を考えもせず、単に対症療法的に砂防ダムを造ってきたといわざるを得ません。
 砂防ダムは河川の景観や生態系を壊しているだけではなく、適正な土砂移動が阻害されることで海岸侵食、磯焼け、河床低下、セメントに混ぜる小石や砂の不足など、誰の目から見ても明らかに負の現象が生じています。
 多くの河川で砂防ダムによって、下流に必要な砂や石が流れてこない状況が作られ、そのためにどんどん岩盤が削られて、河床が下がっています。その結果、橋は土台の付け根から削られてしまい、再工事が必要な橋脚も出てきました。農業用水用の堰も河床の低下によって、高くかさ上げしてやらないと、水が引けないなどの問題が生じています。また、せっかく護岸しても、肝心の河床が掘られ崩落し、再工事しなければならない箇所も多数出てきています。砂防ダムによって悪循環がえんえんと繰り返されているのです。また、河畔林も河床低下により、傾いたりし、その支持力が弱まってきています。これは、集中豪雨などの増水の際に、河畔林ごと流されて、被害を拡大する恐れが出てきています。
 さらに、生態系についてですが、砂防ダムによってイワナ・ヤマメなどの魚の移動が遮られてしまいます。川の分断化上下流の交流をなくすることは、近親相姦が進み遺伝的多様性が失われ絶滅の危険性が高くなってきます。
 どんな沢でも数十年に1回くらいは豪雨によって崩れることがあります。でも、まったく被害を受けない小沢も必ずいくつかあるものです。それは、不安定な場所が一度崩れてしまえばその後何十年か崩れにくくなるからです。つまり、河川のすべての沢が崩れる確立は非常に低いのです。そうした小沢に逃れた魚が時間をかけて、本流や他の沢に移っていき、全体に拡幅するメカニズムになっています。ところがそこに砂防ダムがあったらどうなりますか。
 川の生態系で重要なことは、本流から支流へ、支流から本流へとイワナ・ヤマメなどの渓流魚たちが、移動可能な連続性にあります。それが絶たれてしまえば、渓流魚の数が減少していくことは避けられません。砂防ダムは渓流の連続性を完全に遮断してしまう行為であり、結果的に生態系に致命的なダメージを与えてしまうことになります。
 元来、川、沢には土石流に対する調整機能が存在します。それは淵であったり、峡谷部であったり、滝であったりします。落差10mの滝が大増水によって、全く姿を消してしまったなどという事例はいくらでもあります。そして、それは、また徐々に侵食されて、元の姿に戻っていくわけです。
 このように川には、ある程度の調整機能が存在しているわけです。それが十分機能しないのは、森林の乱伐であったり、無用のダムの建設であったり、無用の大規模林道の建設の為です。
 防災面からいっても砂防ダムに頼るのが以下に危険なのかいくつかの事例を紹介します。1996年、長野県の小谷村浦原沢(おたり村がまはら沢)の土石流災害では死者14名が出ています。ここ砂防の総貯砂量は1万5000立方mで、災害時の流出土砂量は約10万立方mと推定されています。また、鹿児島県の出水市針原川(いずみ市はりはら川)で1997年に起きた災害は死者21名、ここの総貯砂量は2万2000立方mで、災害時には20万立方mの土砂が流出したと推定されています。
 しかし、秋田県の鹿角市八幡平登川温泉で1997年に起きた災害の場合は、流出土砂が200万立方と大きかったにもかかわらず、死者は出ていません。しかも、ここには砂防ダムは1基も無いのです。これらの事例は大規模災害に砂防ダムがいかに無意味であるかを、如実に示しています。
大事なことはハード面に頼らず、危機意識を持つか、そして、避難の体制をいかに確立するかにあります。逆に砂防ダムがあるから大丈夫だとの気持ちがあり、避難に遅れをきたすおそれがあります。
 これらの多くの諸問題を総合的に捉えた場合、環境面、防災面、財政面を解決するという3要素を考慮しようとすれば、土石流や土砂のでることを前提にした、つまり谷筋は土石流の通り道であるというあたりまえの考えの基に、対策を立てること必要があります。できうる限り砂防ダムを造らない、可能な限り砂防ダムを減らす、必要ならば既存ダムを環境型へと改修する必要があります。
 既存ダムのオープン化が上記の3要素を満たすことにつながっていくだろうと思われます。良好な河川環境を作る必要ために、既存の砂防ダムのオープン化、スリット化が必要です。

 本稿は2004年9月米沢市議会において、「既存の砂防ダムのスリット化」を求めた質問を元に修正、加筆したものです。


山形県の温室効果ガス排出量増加  ‘04.12.16
 京都議定書の削減目標まであと8年。日本では基準年の1990年の排出量に比べると、二酸化炭素排出量は削減どころか、増加し続けています。
 山形県は2000年3月に「山形県地球温暖化対策地域推進計画」を策定し、2010年度までに2000度比の7%削減を目標に制定しました。しかし、地球温暖化をもたらすといわれる温室効果ガスの2001年の県全体の排出量は883万トンで、京都議定書の基準年の1990年と比べると19%も増加しています。
 製造業などの産業部門の伸び率が12%、家庭や事務所などが35%、自動車などの運輸関係が23%となっています。これは県内の世帯数の増加、自動車や家庭製品の普及などによるエネルギーの消費量が増加したことによるものです。
 地球温暖化は私達の生活と密接な関係にあり、一人ひとりのライフスタイルの変革や省エネ行動などの取組みが必要です。    (やまがたけんの環境情報NO47より一部抜粋)


砂防ダムと生態系  ‘04.8.28
「山里のあり方、可能性を考える」パネルディスカッションの提起より
 田沢を流れる小樽川本流にも数基の砂防ダムがあり、大荒沢や小荒沢、不動沢などの各支流にも相当数の砂防ダムが建設されています。この田沢地区は特に最上川の最上流部ですから、下流部にも責任を持つということになると考えています。
 砂防ダムは河川の景観や生態系を壊しているだけではなく、海岸侵食、磯焼け、河床低下、骨材(セメントに混ぜる小石や砂)の不足、生態系の破壊など多くの問題を抱えています。特に地区的には河床低下は深刻です。砂防ダムによって、下流に必要な砂や石が流れてこない状況が作られ、そのためにどんどん岩盤が削られて、河床が下がっています。
 結果、橋脚は付け根から削られて、せっかく護岸しても河床が掘られ壊れてしまう。また、農業用水用の堰も河床の低下によって、高くかさ上げしてやらないと水が引けないなどの問題が生じています。砂防ダムによって悪循環がえんえんと繰り返されているのです。税金の無駄使い以外のなにものでもありません。元凶が何なのかを私たちはしっかり見据える必要があります。
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パソコン用スプレー  ‘04.5.19
 5月18日の朝日新聞朝刊に「代替フロン放出野放し」の見出しの記事が載っていました。
 「地球お温暖化の原因になる代替フロン(HFC)が、パソコン用のほこり飛ばしスプレーから放出され、野放し状態になっている。温室効果は非常に高く、1缶(500mmg)で一人が半年に排出す二酸化炭素(CO2)の量に匹敵するという。
 フロントと代替フロンは「フロン回収破壊法」で使用後の処理が義務付けされた。しかし、対象はカーエアコンや業務用冷蔵庫、空調機だけで、スプレーは入っていない。
 パソコン用スプレーに含まれる代替フロンはそのまま放出されるため、その量はパソコンの普及などで急増している。本数にすると約450万本で8割が、ほこり飛ばし用と見られる。HFC134aはCO2の1300倍の温室効果があるといわれている。」というものでした。
 
 実は私もパソコン用のほこり飛ばしに、E社のAZエアーダスターを何気なく使ってきました。よくみると缶に小さく赤字で「地球温暖化に影響しますので必要以上に使用しないでください。」と記してありました。
 私たちが何気なく使用しているものの多くに、地球や生命に影響を及ぼすものが多いことでしょうか。儲け第一主義の日本では、私たち消費者が目を光らせなければならないことがたくさんあるようです。
 今後はパソコン用スプレーを「買わない・使わない」ように呼びかけを行っていきます。
深い反省を込めてこの記事をUPします。


市民として、議員として、釣り人として(渓流2004春 掲載記事より)
釣り人社「渓流」掲載原稿転載許可済
                   まずは現状を認識すること
 釣りは自然環境を維持されることを前提に成り立つ行為です。環境が悪化すれば続けることはできませんし、釣り人として、市民として、環境の問題は他人事ではありません。
 いっぽう、河川の改修工事やダム工事による環境の悪化は深刻です。ただでさえ疲弊した市町村から、自然環境を活かした産業転換への可能性を奪い去ってきました。また、下水道が整備されていない中山間の集落からは雑排水が垂れ流され、河川環境に直接大きく影響を与えています。さらに、日本各地で問題になっている不法投棄は大気・水・土壌をも汚染し、結果として川や海までも破壊することになりました。私たちを取り巻く多くの問題が、実は、社会的、政治的構造に起因していることを議員となって一層強く感じました。
 本誌2003年夏で「釣り人ができる政治とは何か!?」で、インタビュー形式で、市議会議員としての抱負を話しました。あれから半年あまりの議員活動ではありますが、釣り人としての政治活動を検証し、今後の課題について問題提起をしたいと思います。

                     土地意識との葛藤
 市議会議員というのは身近な相談役的存在です。道路・上下水道・側溝の整備・介護・年金・失業など、大きなことから小さなことまで、さまざまな相談や要望があります。私が住む田沢地区は、小樽川沿いに集落を織りなす典型的な中山間地です。それだけに側溝の整備や河川改修、堰の整備などの要望が特に多いのです。
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米沢市の地盤沈下  ‘04.2.29

年間沈下量 (単位 mm)
大町2丁目 −11
金池7丁目 −7
福田町2丁目 −7
門東町1丁目 −7
東3丁目 −7
門東町2丁目 −6
下花沢2丁目 −6
花沢町1丁目 −6
下花沢1丁目 −6
東1丁目 −6
平成12年10月〜13年10月

累積沈下量 (単位 mm)
門東町1丁目 −211
門東町2丁目 −163
駅前2丁目 −160
東3丁目 −159
相生町 −147
中央1丁目 −136
丸の内1丁目 −133
福田町2丁目 −122
大町2丁目 −122
花沢町1丁目 −113
昭和49年〜平成15年10月
 右の表(上・下)沈下量の多い箇所を上から順に並べたものです。同一丁内に数箇所の水準点がある場合は、最大沈下量を選択しました。
米沢市内をA〜Gブロックに区分し、市内96箇所で観測しています。

 今年度は大町2丁目において−11mmが観測されたが、他水準点において−10mmを越えた観測点はありません。全般的な観測結果を比較すると、年間の沈下傾向については平成14年度と同様の沈下量であり、緩やかな沈下傾向で推移しているものと思われます。
 昭和42年頃から米沢市街地の大町地区の一部地域で地盤沈下による被害が生じ始め、その後も沈下が進行しています。このため昭和49年から米沢市が水準測量を実施するとともに、昭和51年10月から県条例に基づき地下水採取の規制を行っています。
 昭和42年頃、米沢市街地の大町地区で床コンクリートに亀裂が入る等の被害が発生しています。地下水位は近年ほぼ横這いですが、消雪用に使用される冬期には一時的に5〜10m低下することもあります。
 地盤沈下は、主として軟弱地盤において地下水を過剰に採取することによって生じるもので、一旦沈下を生じると、ほとんど回復することが不可能であるという特徴を有しています。
 米沢市における地下水揚水量は、農業用、消雪用、工業用が多く、特に消雪用の使用が多いと思われます。豪雪地域として、安易に安価な地下水(特に料金を払う必要はない)による消雪を行い続けている結果ともいえます。米沢市も井戸の口径を規制するなどの対策を講じていますが、地盤沈下の傾向に歯止めがかかっていません。消雪方法の根本的な改革と雪に強い街づくりが求められています。
 このまま地盤沈下が続くならば、家屋の基礎などにゆがみや亀裂が入り、大地震などの予期せぬ災害にあった場合、被害の拡大が懸念されます。


環境保全都市宣言  ‘04.2.23
 米沢市は1997年の3月議会において「環境保全都市宣言」を議決しています。しかし、議決したにもかかわらず米沢市の環境行政はどうでしょうか?置賜地方には産業廃棄物最終処分場が7施設(安定型3、管理型4)あります。そのうち米沢市には法15条の対象が5施設もあります。さらに簗沢地区に新たな施設を作る計画があります。(平成11年に森崎興業に許可)
 母なる川最上川の最源流地として、これ以上の施設が必要なのでしょうか、今、環境保全都市としての米沢市の姿勢が問われています。

環境保全都市宣言
                                    平成9年3月26日
 わたしたちは、「最上川の源流地」、「上杉の城下町」として豊かな自然や歴史的文化を享受し、健全な生活を営む権利を有するとともに、今ある環境を守り、育て、未来へ引き継いでいくという大きな責務を負っています。
 わたしたちは、あらゆる活動において環境に配慮しながら、自然に抱かれた快適で美しいまちとして、輝く未来を迎えるため行動することを決意し、ここに米沢市を「環境保全都市」とすることを宣言します。


公的機関で石けんの使用を求める活動  ‘04.1.18
 合成洗剤は生分解に一ヶ月以上もかかり、自然界に多くの負荷を強いている。また、残留性が高く、添加剤が多く含まれているなど、人体に悪影響をもたらしていると考えられている。
 米沢市議会は1993年に「市の公的機関で石けんを使う請願」を採択している。学校給食現場では、残留性の高い合成洗剤での食器洗いを止め、子供たちの健康を守ること、調理員の手荒れを防ぐなどの意味から、石けんを使っている。しかし、、市の庁舎内では合成洗剤が使用されているのが現状だ。
 議会請願が採択されていることなどを踏まえ、この間、米沢市の庁舎内ならびに市関係機関での合成洗剤を使用しない活動を、米沢生協と協力しながら進めてきた。小さな成果かもしれないが、来年度より予算措置を取り、食器洗い等の石けんを市が責任を持って準備することになった。


釣り人の目で見た環境保護  ‘04.1.11

釣りは自然環境が維持されることを前提に成り立つ行為であり、環境が悪化すれば続けることはできない。河川の改修工事やダム工事が始まれば、列記するまでもない悲惨な状況となる。下水道が整備されていない中山間の集落の雑排水は直接、河川環境に大きく影響する。また、各地で問題になっている不法投棄は大気や水、土壌をも汚染し、川や海までも破壊することになる。
 本来、川や海には川原や干潟など浅くて大気中の酸素が溶け込みやすい場があり、微生物の働きによる浄化作用が高い場所を有していた。しかし、その貴重な場所は治水や土地の有効利用の名のもとに、コンクリートで固められ、生物の住みにくい環境に変えられてしまっている。機能を単純化し、効率を上げようとして進めてきた人工物化は、本来自然が持っている様々な機能をすべて担うことができず、その歪みとして環境破壊が生じたともいえる。
 釣り人じゃないと分からないことはたくさんある。机上ではあくまでもデーターや人の話で判断せざるを得ない。しかし、私たち釣り人は年中川にいる。それだけに環境の微妙な変化にもいち早く気付くことができる。
 護岸工事・生活雑排水・環境教育などなど、私たちが声を上げれば変えられることはたくさんある。川に魚がいなくなったことを嘆くのではなく、いかに魚がすめる環境を作るか大きな課題である。



最上川源流を守る運動  ’03.12.26
 12月23日に「産廃から最上川源流を守る会」が設立された。私も案内をいただいたので、参加させていただいた。簗沢地区に新たに産廃施設を作る計画が持ち上がり、地域の住民・各種団体が協力して建設を阻止しようと設立されたものだ。この簗沢地区には既に産廃施設があり、これまで汚水や異臭で大変苦労をしてきた。またぞろ産廃施設を建設するというのだから、反対運動は必然であったろう。
 実はこの問題が報道された時点で、私は所管委員会で質問をしている。しかし、米沢市当局は「県が許可したことだから・・・」と、明確な返答は得られなかった。行政の厚い壁を思い知らされた。行政を動かすためには、議員だけの力では高が知れている。やはり、地域住民と議員が手を組んで行政を追い込んでいく必要がある。
 私は行政の厚い壁に対して、米沢市独自で環境条例を作り、安易な産廃施設の建設や河川工事などを、市が許認可、監視するシステムを作れないかと考えている。「議員発議の市条例」ということになろうが、このためには大変な労力と世論形成、議会の調整など多くの困難が予想される。時間がかかろうとも、実現しなければならない課題である。