発議第5号「米沢市議会議員定数条例の一部改正について」
(議員定数を28名から24名へ改める条例改<正>)
反対討論  我妻 徳雄
 「米沢市議会定数条例の一部改正について」の発議第5号に反対の立場で討論させていただきます。
 議員定数については「米沢市議会活性化検討委員会」で議論がされ、本年の8月11日に「削減について賛成」「削減について概ね賛成」「削減について反対」とする3案が議長に答申されました。約半年間の議論でしたが、議員定数について深く掘り下げ、議論されたとはいいがたい状況でした。
 まず、議員定数を考える場合、その前提として「議会とは何か」「議会の任務は何か」という、根本的な事項をしっかと把握・理解しなければならないのではないでしょうか。
 一般的に、市の財政状況の悪化の中で言われているのは、「議員を減らせ」「報酬を減らせ」などであります。その考えと気持ちは理解出来ないわけではありませんが、これらは、市民の「議会・議員は、その任務を十分にはたしているのか。」との疑問と批判から生じているものではないでしょうか。
 議会に対する不信感から出ていることを率直に反省し、批判を謙虚に受け止め、正さなければならないことは述べるまでもありません。
 そうしたことを踏まえ、私は議会活性化検討委員会でも、多くの議会改革について提案・提言しましたが、残念ながらこちらも不十分な議論で終わってしまいました。
 また、広く市民意見を聞く姿勢が欠けていたのではないでしょうか。例えば議員定数の公聴会を開くなどの工夫をしながら、市民合意を醸成する努力などがないままに、議員定数削減が進められることに、「本当に市民意見を反映しているのか。」との疑問を感じています。
 さて、地方自治は、民主主義の学校といわれています。今日、その地方自治の大きな位置を占める議会の役割・任務は、一段と重要かつ大きくなったといえます。同時に、議会を構成する議員の資質向上がより求められています。
 地方自治体は「自己決定・自己責任」の原則のもと、地域における行政を自主的かつ総合的に実施される役割を広く担って行くことになり、地方分権の担い手として、まさに「主役」となるものです。
 議会の基本ともいえる議員定数が、現行の「法定定数制度」から「条例定数制度」に変更になったことも、地方分権を推進し、市町村の自主性と自立性を高めていく上で、重要な意義を有するものと考えます。
 いうまでもなく議会は、間接民主主義の形態での意思決定機関です。市民意思の反映機能と、執行機関に対する批判監視機能に加えて、条例策定など政策形成能力も問われる時代になりました。
 以上の認識に立ち、以下7項目の具体的な理由を申し上げます。
 まず、議会は意思決定機関であり、市民を代表して地方自治法第96条で定める「条例の改廃」「予算を定めること」「決算認定」などの15項目を審査・議決することを考慮すれば、市内全域・各界・各層の市民意思が最大限反映できる議会機能を発揮するための議員は必要であります。
 2点目は、行政の量・質ともに増大しています。また、今年度から市長部局では管理者が1名、教育委員会でも1名増えている現状などを踏まえ、市長・執行機関と対等な立場を保持するには、政策形成能力を含め識見ある相当の議員が必要であります。
 3点目は、地方分権にふさわしい議会にするためにも、多様な市民が議員になれる条件のもと、常任委員会活動の活性化を図る必要があります。理想的な合議体の人数は7名といわれていますが、それを常任委員会構成に適用すべきです。
 4点目は、議員を減員して質の向上は図られるかは、大きな疑問です。むしろ「狭き門」となり若年層・女性などの立候補者が限定されるおそれがあり、議決機関としての役割を果たせるかとの危惧と、議員の特権化及び市民との遊離の可能性があるのではないでしょうか。
 5点目は、議員を減員しても議会運営に限れば可能といえます。しかし、確実に議会審議の質・内容と監視機能など、議会本来の役割を果たせるかが問題です。議会運営はできても、多様な価値観や地域性・職業・年代など、幅広い市民の意思・要望などを十分に反映し、監視機能を発揮していなければ議会本来の役割を果たしているとは言い難いものがあります。
 6点目は、経費削減を理由とした減員は、監視機能・市民意思の反映という間接民主主義としての議会を軽視するものであり、議会議員定数は、時々の財政状況によって左右されることになります。財政状況を理由にするならば、約99%の歳出を占める執行機関にメスを入れることが本筋と考えます。
 7点目は、地方自治法で定める議員定数は、人口区分を根拠にしています。都市基盤整備、市民要望の多様化、地方分権時代などにより、議会の役割が大きく変化し、一段と重要性が増しています。地方自治法91条定める議員定数の上限は30名です。市の条例で2名を減員している現状を認識すべきであります。また、現在の28名が議会機能を低下し障害を及ぼしている具体的事実がない状況で、少なくてもこれ以上の減員はすべきではないと考えます。
 いかに自主判断による定数とはいえ、24名は9万2,000人の本市からすれば大幅な減員となります。
 以上の理由で、現状維持が妥当と考えます。
 最後に、市民が議会及び議員に求めているのは、
*一つには、議案審議を、十分に行うこと
*二つには、行政の適正執行を、十分に監視すること
*三つには、市民の意思・要望を、十分に反映すること
*四つには、効率的な議会運営をすること
であると思います。
 このことに応えるために全力を挙げることこそ大切であり、そのため、より一層の研鑽を深め、資質の向上を図り、活性化に向けた議会改革をすることが本筋であると考えます。
 議会が本来果たすべき役割と改革を実践すべきであり、単なる経費削減のための議員削減ではなく、この機会に改めてまちづくりのあり方と合わせて、議会の役割・任務を認識すべきであると考えます。
 以上、申し上げまして、
「米沢市議会定数条例の一部改正について」の反対討論とします。