朝日山地森林生態系保護地域問題について
今月4日、山形市内において朝日周辺の保護地域設定のための委員会が開催されました。
以下、極めて主観的な報告となりますが、ご容赦下さい。
森林局当局は設定委員の意見聴取を始め、会合を公開にするなど開かれた会合である=民主主義の尊重と民意を反映したものであるとアピールしていました。
しかし我々がこの問題を知り得たのは第3回会合の前後でありました。
しかも設定委員も森林局当局が任意に選出しており、公平な委員会とはとても言い難い代物であります。更に今回の会合に私が参加したのは「傍聴者からの意見も参考にする」との情報があったのも一因であり(そうでなくとも行くべきなのでしょうが)原稿を準備して行ったのですが、座長判断により発言を封じられてしまいました。(時間がないというのがその理由)
これはこの間の意見書等の状況から、傍聴からの発言は止めさせるべきだとの判断からだと思いますが、考えすぎでしょうか?
傍聴発言で言えば、最終的に1名だけ発言が許されました。会合が全て終了した上での特別発言でしたが。(山形県山岳連盟会長)
今更こんな事を言っても仕方ないのですが、これからの事もあり、我々の反省点としてアンテナを常に高くしておくと同時に素早い連携プレーの必要があると感じた次第です。
マスコミ報道で一定の内容が明らかにされており、更には親切な事にストウさんが各社の記事を掲示板に貼り付けてくれましたので、重複は避けたいと思います。(ラッキー!)
報道でもその中心となっていましたが、懸案は保存地区における登山道以外の入山が認められるか否かでした。
前回までの素案によれば「所定のコース以外の立ち入りは行わない」との記述があって、これは実質「釣りや沢登り」を規制するものだとして我々が意見書の提出などの行動を展開したのですよね。
今回の管理計画書ではこの文言が削除されていました。
新聞報道の「保存地区への立ち入り可能」という表現は、こうした事の裏返しです。
つまり立ち入り禁止となっていないのだから入れるだろうと言う事です。
しかし実際は、表には出ていませんが、管理計画書の補助資料(考え方)には「森林内への立入りに当たっては、植物の採取、樹木の損傷や焚き火により生態系への悪影響を与えないように配慮する。特に、魚釣り、狩猟、沢登りについては、当面、これらを目的とした立入り自体への規制を設けるわけではないが、入山者は、森林生態系保全の趣旨を尊重して行動する」と記述されていて「本当は入れたくないが、しょうがないから入れてやる」といった意図が見え見えです。しかも当面。
我々釣人は決して歓迎されるものではなかったのです。
委員会での委員の発言では、たとえば「多くの団体・個人から意見書、反対書があったと報告されたが大変驚いている。こんなに多くの釣人が魚を釣り上げているのか。こんなに沢山の人が魚を釣り上げたら魚が居なくなってしまう。釣りは規制すべきだ。」「朝日鉱泉近辺しか分からないがマナーは決して良くない。規制もやむを得ない。」「猛禽類の保護も言われているが、魚だって生き物だ。生態系の一員なのだから、特例は必要ない。」など等・・・・。
釣人悪玉論が見事に展開されました。私を始め、山形の釣り倶楽部代表のS 氏、某釣り雑誌編集者のK氏、ルポライターのU氏の心境はいかばかりか、お察し頂けますでしょうか?
居ても立っても居られず、結局座ったままでしたけれど。
特に私の隣の傍聴席に陣取った某編集者は、持参した手榴弾のピンを抜こうとしたため制止するのに大変でした。
こうした雰囲気の中、「釣人を排除すべきではない」とただ一人、気を吐いていたのは「葉山の自然を守る会」代表の原敬一氏だけでした。さらに原氏は「せっかく多くの人が傍聴に来ているのだから、前回同様、意見を貰うべきでないのか」と再三にわたって座長に傍聴者(私達)からの発言を求めるよう催促してくれました。結果として無視されましたが。
あとの、○用学者、○鳥愛護、○チュラリスト、○○の○然を守る会の方々・・・・・・。
正直、がっかりしました。多くは語りませんが。
しかしこうした乱暴とも言える多くの委員の発言、もとより委員の選択であっても、かろうじて最悪の結果=入山規制が回避されたのは、原委員の孤軍奮闘ともいえる頑張りがあったからと同時に、各釣りの会・山岳会・沢登り・自然愛好家・他の団体、個人の皆様方が「意見書」「反対書」を提出して頂いたからに他なりません。
原委員も「意見書の提出が多くあったため、(確か58の団体や個人。違っていたらゴメン)当局もこれを無視出来なくなったのだと思う。今回の計画書はその妥協点。満足とは言えないが、50点はあげられるのではないか。」と言っておりました。
会合の終了直後、原さんに「どうでした?」と尋ねられ、「がっかりしました」と言ってしまいましたが、それは委員の発言や会合のあり方などについてであり、けして今回の結果(これまでの経過からすれば)についてではありませんので。
ここで言い訳してもしょうがないですが、葉山のY・Hさん、もしこれをご覧でしたら原さんに言っておいてネ。
脱線しましたが、意見書を提出して頂いた皆様方に、この場を借りて厚く御礼を申し上げます。
それから重要な事ですが、前回は文言としてなかったのに、今回、具体的な表現として「保存地区内における山菜、キノコ、落葉落枝等の採取は認めないものとする」という一文が記述されました。
これについても原氏が撤回を求めましたが、多勢に無勢、強引に押し切られました。
我々が採取する山菜・キノコが一体どの様な生態系の破壊につながると言うのか?
こうしたことは一切山菜やキノコを採った事のない学者やその取巻きが、森林局当局の言葉に踊らされて書いた一文であるか、当局そのものの嫌がらせではないでしょうか?
「釣り?沢登り?チッ。しょーがねーナー。んじゃあ・・・。」そんな風に感じるのは私だけでしょうか?
そもそも「林道・伐採・砂防ダム」の三点セットであらん限りの機力を使い、文字通り「環境破壊」を実践してきたのは林野行政当局であるという事を、事実として突きつけると共に、私達はこの事を片時も忘れてはならないと思うのであります。
まあ憶測や推測や感情で文章を続けるわけにはいきませんので、この辺に致します(疲れてきましたし、酔いが回ってきました)が、この問題は「これで終わり」ではなく「これから」という気がします。
しかし同時に「やれば出来る」ということも実感出来たのではないでしょうか。
行政の横暴に対しては「静観」ではなく「行動」で示そうではありませんか!
なお異論反論は管理人さんへお願い致します。
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