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朝日山地生態系保護地域指定問題 |
自 然 環 境 保 護 と は 何 か ? -もう一度朝日山地問題を考える-
文責 群遊会 武田 昌仙
はじめに
この間、各方面で論議を呼んだ朝日連峰における保護地域設定問題は、昨年(2002年)の12月4日に一応の決着を見た。 しかしその内容には、私達釣人を始めとして登山者、沢登り愛好家、地元民(山菜やキノコ採り)等にとって、受け入れがたいものも含まれている。 一体この保護地域設定とは何なのか。そしてまた何が問題なのかを個人的な考えで大変恐縮だが、あらためて紐解いてみたい。 そうすることによってこの事に関する問題点やこれからの課題等が明らかになってくるのではと考えたからである。 ※注 尚本文では、葉山の自然を守る会の原敬一氏からつり人社を通じて頂いた設定委員会での配布資料や新聞報道その他から一部引用させてもらった。また文中の下線・太字は筆者。 1概要及び経過 森林生態系保護地域とは何か 森林生態系保護地域とは林野庁が国有林を保護及び管理する上での保護林制度の一つである。保護林制度は7種類からなり、森林生態系保護地域はその中で最も厳しく保全される地域のことをいう。 林野庁によればその目的は「原生的な天然林を保全することにより、森林生態系からなる自然環境の維持、動植物の保護、遺伝資源の保存、森林施業・管理技術の発展、学術研究などに資する」とされている。 保護地域は保存地区(コアエリア)と保全利用地区(緩衝地帯。バッファーゾーン)とに区別され、当然ながら保存地区には様々な規制がある。 たとえば植物採集、山菜採り、土石採集は国有財産の管理として規制が可能とされており、また登山道以外の登山は原則として立ち入りを制限されている。 ただ魚や昆虫などの動物は無主物とされ、規制する法的根拠がないため「理解と協力」を得ることとされてきた。バッファーゾーンにはこうした規制はない。 この森林生態系保護地域はすでに全国に26箇所あり、今回の決定により朝日山地は27番目の指定となった。 東北地方の保護地域としては、恐山山地、白神山地、葛根田川・玉川源流部、早池峰山周辺、栗駒山・栃ケ森山周辺、飯豊山周辺、吾妻山周辺の7箇所が指定されている。 今回設定された朝日山地の保護地域面積は、保存地区が27,828.92ha、保全利用地区が42,127.94haで合計69,956.86haにも及び、約7万haという面積は北海道の日高山脈中央部のそれを上回り、国内最大規模となったのである。 保護地域設定委員会の設置 東北森林管理局は、山形・新潟両県に跨る朝日連峰のブナ原生林を本年度中(2002年度)に森林生態系保護地域に設定するための委員会を立ち上げ設定作業を進めたが、実は朝日のブナ林を保護林制度の対象とする方針は94年に既にあった。 当初、東北森林管理局は別の保護林制度である「森林生物遺伝資源保護林」の設定を目指していたのだが、ところが当該地は大規模林道・朝日−小国間の工事区間にあり「葉山の自然を守る会」などが林道建設反対運動を展開していたため作業が遅れた。 今回の保護林制度の設定はその再燃といえる。 こうした経過から昨年3月の第一回会合は「森林生物遺伝資源保護林」の設定を目指して開催されたものであった。 提案では大朝日岳の南東部約5千fを同保護林指定地としていたが、各委員より「エリアを広げるべき」との意見が相次ぎ、保護林制度の規模としてはより広いエリアを対象とする「森林生態系保護地域」に切り替えられたのである。 したがって第二回会合(2002年8月29日)からは「朝日岳周辺森林生態系保護地域(仮称)」設定委員会と名称が改められ、以降、第三回会合(10月28日)、第四回会合(12月4日)と設定委員会が開催された。 設定委員会の主な内容 それぞれの会合における提案内容及び議事録等を全て入手しているわけではないので、知り得ている情報の中での特徴的な事項を報告する事としたい。 第一回会合 東北森林管理局は前述の通り、森林生物遺伝資源保護林の設定を目指していたものの、委員からは「周辺にも貴重なブナ林があり、範囲を広げるべきではないか」という意見が多く寄せられた。これにより当局の目指す保護林制度が大きく方向を変える見通しとなった。 第二回会合 冒頭、事務局から第一回目の会合の経過が報告され、検討の結果「森林生物遺伝資源保護林(約5千ha)」から「森林生態系保護地域(約6万3千ha)」への指定を目指すこととした等の趣旨説明がなされた。 またエリアの拡大により関東森林管理局も参加(事務局)となった。 次いで各専門委員より朝日山地の特徴、動植物や昆虫などの稀少性や重要性が述べられた後、討論に入った。 討論では金目川上流域も保護地域とすべきであるといった更なる区域拡大の提案や、大規模林道やスーパー林道などの道路利用のあり方、災害時における道路(公道、林道、登山道)や建物(公共施設、山小屋)の復旧の可否、共有林野区域はバッファーにし、契約を存続すべきであるなど利用と保全のあり方についても意見が述べられた。 釣りについてはコアにおいても現状維持の緩やかな利用のされ方があっても良く、白神のような入山規制はすべきではないとした意見も出された。 こうした意見に対し事務局からは公道、既設の公共工作物については取り扱いを規制することは制度上出来ない(管轄外)こと。また保護林の設定というのは国有林野の管理経営の方針の上で、保護地域の範囲及び取り扱いを示すことであり、森林生態系保護地域は法律ではないので権利を制限したり、禁止したりという効力はない(要するに林野庁の内部通達である)ということ。また保護林の設定の効力については、地域別の森林計画は5年毎に計画を見直しており、状況変化があれば再検討の可能性はあるとした森林局の基本スタンスが述べられたにとどまり、具体的には次回に持ち越しとなった。 第三回会合 第一回会合同様、議事録を入手していない。よって配布された資料等及び新聞報道を基に概略を報告する。 「第二回設定委員会における意見等に対する検討課題について」の資料(意見に対する回答。検討案)及び「朝日岳周辺森林生態系保護地域(仮称)設定(素案)」が事務局から提示されたので以下に示す。(抜粋) 意見等に対する回答(検討案)
新聞報道された内容は以下の通り。
冒頭、事務局は「入林のあり方が論点になっていて、賛否両論あり溝を埋めることは困難である。また地元の方やボランティアなどの協力を得て管理体制の強化と推移を見守る意味で、特別モニタリング区を設置したいと考えているので審議の程を」との挨拶を行い、また今設定委員会に対して釣人や山岳会などの団体・個人から多くの意見書等が寄せられていることも報告した。 出席者の紹介後議事に入り「第3回設定委員会における検討課題と対応策(案)」について、「地帯区分及び面積(案)」について、「朝日山地森林生態系保護地域(仮称)管理計画書(案)」について、それぞれ事務局から提案があり意見交換に入った。 多様な意見が述べられたが、論点になっている保存地区の入山(入林)のあり方に絞って報告したい。 まず「第3回設定委員会における検討課題と対応策(案)」についてだが、第3回委員会では「コアを縮小し、厳正に保護すべき」との意見があった。これに対し(案)では「一定期間厳正な保存を図る特別モニタリング区を設け、あらゆる目的の入林を規制し、森林生態系の推移の観察を行い、その結果を森林生態系保護地域の取り扱いに役立てることとする」と回答し、管理計画書(案)にも盛り込まれている。 またコアにおける歩道以外の立ち入りについてだが、対応策として事務局の回答は「森林内への立ち入りの当たっては、植物の採取、樹木の損傷や焚き火により生態系への悪影響を与えないよう配慮する。特に、魚釣り、狩猟、沢登りについては、当面、これらを目的にした立ち入り自体への規制を設けるわけではないが、入林者は、森林生態系保全の趣旨を尊重して行動する」というものであり、道路敷(大規模林道等)の取り扱いについても「保護地域に含めない」と明記されている。 次に今回提示された「管理計画書(案)」では前回提示された素案が一部変更され、削除・追加された文言があるため引用し掲載する。 前回の提案から削除された文言
今回の提案に追加された文言
さて入山のあり方についての論議であるが、釣りが目的の入山の場合では、釣り人のマナーもさることながら、釣り自体そのものが問題であるという意見が多数を占めた。
数例を挙げる。「意見書の数を聞いて驚いている。これほど多数の釣り人が朝日に訪れ釣りをしているのか。これでは魚が釣り尽くされてしまうのではないか」「自分もかつては良く釣りをした。しかし最近の釣人のマナーは決して良くはない。一定の規制もやむを得ないのではないか」「イヌワシなど猛禽類の保護が言われているが、魚も生態系の一部。例外はなく、規制は当然でないか」 こうした発言に対し、一部委員が数回にわたり「傍聴者が沢山来ているので意見を聴取すべきでないか」と座長に対して傍聴者からの発言を許可するように促した。傍聴者の受付名簿には釣団体や個人の関係者の名前が記載されていたからであろう。 また別の委員からは「山形県山岳会の会長が来ているので意見を受けて欲しい」との要請があった。 しかし座長は「時間があれば」との姿勢を最後まで貫き、結果的に却下された。(山形県山岳会会長については全ての議事が終了した後、特別に発言が許された) また「管理計画書(案)」及び「第3回設定委員会における検討課題と対応策(案)」の記述に対して一部委員が文章の表現を修正・削除して欲しい旨の要望を述べたが受け入れられなかった。こうした流れの中で設定委員会の議事は進行し終了の時刻を迎えた。最後に座長は各委員から一言ずつ発言を求め、事実上の「採決」を行い、反対の意志を表明した委員は1名だけであったので管理計画書(案)は承認された。 長くなったが以上がこれまでの大まかな概要及び経過である。 2 問題点及び課題 なぜこの問題に取り組んだのか 朝日山地を保護地域に設定すること自体は意義のあることである。 なぜなら保護林制度の対象となれば、大規模林道などの開発行為から免れるからである。 問題の一つは「保存地区」においては既設登山道以外の立ち入りを禁止するという林野行政当局の方針である。 山に入り自然に親しみ遊び、その恵みを享受するということは誰にも侵されない、私達国民全てが当たり前に保有する権利ではないか。 それを当局の一文で規制・制限し、その権利を奪うことが出来るのか、また許されるのかということだ。 そもそも「自然保護」という言葉は、森林であれば林道建設や伐採、河川ではダムや砂防ダム建設などの開発行為から守るという意味で使われていた。 それは一度手を付ければ自然環境に壊滅的なダメージを与え、修復するにしても長い年月と莫大な費用を要すため非常に困難であるからである。 今回の設定方針はそうしたことに頬かむりをし、山に入る人間が環境にダメージを与えており、だから規制して守るのだと、事の本質をスリ替えるものではないのか。 何よりも、これまであらん限りの機力を使い、開発行為の先頭に立ってきたのは林野行政当局であるということを指摘しておかなければならない。 二つ目の問題点は、魚釣りについては好ましくない行為であるとして「理解と協力を求める」という方針である。 当初から事務局は私達釣人の全てを環境破壊者とみなし、押し付け、山から締め出そうとした意図があったと推察される。 例えば、設定委員会では一部学者が、このままではイワナ資源が枯渇してしまうという何の根拠もない自論を展開したり(イワナの知識は殆ど無いようであった)、また一部自然愛好家はほんの一握りの釣人のマナーの悪さを取り上げて釣人の排除を訴えるなどしたが、これもこうした方針を正当化させようとした力が働いたからと考えれば納得がいく。 確かに一部マナーの悪い釣人が存在することは事実であるし、看過出来ない問題だ。 しかし多くの良識ある釣人は、むやみに魚を殺生したりはせず、また資源の枯渇どころか反対に増殖の手助けとして、釣り上げたイワナを魚止め以遠に放流を実践している釣り人を私は知っている。 また私達群遊会を始めとした釣人が「清掃山行」と称したゴミ拾いを実践し、環境美化に努めていることは今更言うまでもないことだろう。 こうした事実や実態を知らずに、また知ろうともせずに「理解と協力」という言葉で一方的に私達を山や渓から締め出そうとすることに対しては「理解と協力」など出来る筈もない。 何れにしても、こうした事態を重く見た釣りや山岳会などの各会・個人は、最終設定委員会に焦点を合わせ、林野庁などに対し意見書の提出を組織的に取り組んだのである。 管理計画書の問題点 設定委員会で承認された管理計画書には前掲した通り新たな文言が記載された。 その全において問題があるといっても過言ではないが、特に認め難いものは、山菜・キノコの採取及び焚き火の禁止である。 一体、山菜・キノコの採取が生態系にどのような影響を及ぼすというのだろうか。 保存地区に立ち入るのはごく限られた一部の人達であり、こうした人達は山菜・キノコに熟知しておりその資源を枯渇するような採取はしない。 もっともそのようなことは不可能であるが。 確かに昨今は「山菜ブーム」で山菜採りの人達が増加の傾向にあることは否定しない。 しかしその殆どは日帰り圏内、つまり保存利用地区でのそれにとどまっており、それとて生態系に深刻な影響を及ぼす状況ではない。 ただし山菜・キノコ採りの人達の節度を越えた採取(例えばタラの木を早期に枝ごと切って持ち帰るなど)や、いとも簡単に食事ゴミ(弁当やおにぎりのカラ、飴の包み紙、缶やペットボトル、タバコの吸殻など)を投げ捨てていく行為に対しては、節度ある採取とマナーの向上に心掛けてもらう他ない。 仮に当局が本当に資源の心配をしているのなら、道路敷(特に大規模林道。後述する)についても保存地区に指定しゲートを閉じて、車での安易な立ち入りを封じるべきであるのだが、そうした設定にはなっていない。 焚き火についても禁止すべきではない。立ち木を伐採した焚き火は、緊急時以外は慎まなければならないが、流木や落枝を使用した節度のある焚き火は認めさせなくてはならない。 渓を楽しむ上で、焚き火の必要性・重要性は今更述べるまでもないことであろう。 何れにしても一度でも奥山で自然と触れ合い幕営してみれば、これらの文言は奥山の実態を知らない当局及び委員(一部除く)による全く馬鹿げた机上の空論であることが分かるというものだ。 釣人の入渓・入山を認めざるを得なくなった当局が、その仕返しとして提案した苦肉の策とのそしりを免れない文言である。 また管理計画書には提示されてはいないが、前記の通り第3回設定委員会における検討課題と対応策(案)には道路敷の取り扱いについては保護地域に含めないとされている。しかし保存地区内の道路敷(大規模林道)については保存地区に含むべきである。 大規模林道は山間部に無理やり建設された道路であり、山地を構成する上で重要なブナなどの樹木を伐採したことにより、当然の結果として地割れを発生させ山崩れなどの土砂崩壊を引き起こしている。 必然的に、河川に大量の土砂を流出・堆積させ川虫などが棲めない状態を作り出し、それを捕食するイワナなどの魚族に対し深刻な影響を与えているのである。 また車の騒音や振動に敏感なイヌワシの営巣活動にも悪影響を及ぼし、生態系保護の観点でいえば、大規模林道などの道路敷きこそが何よりも問題視されなければならない課題ではなかったか。 金目川の中・上流域はその典型であろう。(大規模林道・朝日−小国間の工事区間。現在は工事が中止され、ゲートも閉ざされている) ダムや砂防ダムについては言うまでもない。 しかし管理計画書には、こうした構造物に対しては国土保全や災害復旧と称して治山、砂防工事、道路等の補修は許されると明記され、大きな矛盾を抱かざるを得ない。 最後に、事務局からは管理計画書とともに「朝日山地森林生態系保護地域管理委員会開催要領」が示された。 これは管理計画書の、その他の留意事項という項目に「常設の管理委員会の設置について」という一文があり、それを具体化したものと思われる。 管理委員会開催要領は1.目的、2.協議事項、3.委員会の構成・運営等、4.顧問の設置、5.その他から構成されている。 ポイントは協議事項の「特別モニタリング区における調査について」である。 この特別モニタリング区とは、特定の地域を定めて入林者が森林植生に、釣りが渓流魚にそれぞれ与える影響について調査することを目的としている。(別紙 特別モニタリング調査実施要領《概案》による) 要するに入山禁止及び禁漁区を定め、同時に比較対照となる区域を定めて一定期間(5年間)毎年調査を行うということである。 「概案」であるため詳細は明記されていないが、そのエリア、対象物、調査方法等が明らかになっていない。また調査方法は専門家に依頼作成するとあるが、専門家とは一体誰なのか?・・・。 しかしそもそもこのようなモニタリング調査は必要なのであろうか。 確かに動植物の個体調査は必要であろう。しかしなぜ比較対照調査なのか。 私から言わせてもらえば、この調査は最終的に保存地区を全面入山禁止にするための布石・アリバイ作りにしか思えないのだが考えすぎだろうか。 一時的に禁漁にすれば、その水系の魚は当然に増殖する。 その「数字」を提示して「釣人は入れるべきでない」との理論を展開する腹づもりなのではないだろうか。 何れにせよ、こうした森林局の動向には注視していかなければならないであろう。 集約すれば、管理計画書は自然に親しむ人間を排除する一方で、機力の投入は許可をするという、本当の意味での自然保護には程遠いものといえる。 これからの課題 結果的に「朝日山地森林生態系保護地域管理計画書」は承認され、今年度中に正式に設定される見通しとなった。 しかし当初危惧されていた、保存地区への入山禁止という最悪の事態だけは免れ、条件付ではあるが入山は容認された。 これは行政当局に対して、釣りや山岳会などの団体・個人から多くの意見書などが提出されたからであることは間違いない。 事態を甘く見て、或いは諦めて看過していたならば決してこのような結果にはなっていなかったであろう。 改めて意見書を提出して頂いた各会や個人の方々、そして会員・会友の方々にこの場を借りて厚くお礼を申し上げたい。 しかしこれで終わりではなく、前述の通りこれからの取り組み如何によっては「全面入山禁止」の可能性も無きにしも非ずで、楽観は許されない。 「管理計画書の問題点」で指摘した通り、我々はこうした事項に対して様々な機会を通じて反対の意思を示していかなければならない。 こうした状況の中、森林局及び管理委員会の動向を監視すべく、昨年末に山形県渓流釣り協議会が中心となり「朝日山地の自然保護と有効利用を考える会」が立ち上げられた。 その取り組みとして、今回意見書を提出して頂いた団体等に支援、後援、要請団体として協力してもらい、1.釣り・沢登り・登山の節度ある自由な利用を認め、2.山菜等の節度ある自由な採取を認め、3.原状回復を厳守した焚き火を認めることを森林局及び管理委員会に要望していくとある。 よって群遊会、及び兄弟会の根がかりクラブは、こうした「考える会」の趣旨に賛同し、支援・協力をして行くことを決定した。 具体的には「考える会」と連絡・連携を取りながら「朝日山地森林生態系保護地域管理委員会」に対し、意見、要望、反論を展開していくことになると思われるが、詳細については会報等で明らかにして行きたい。 最後に 相手は海千山千の当局である。簡単に私達の意見・主張が通るとは考えにくい。 しかし今回の取り組みに学んだことは「少数より多数の意見」を当局に反映することではなかったか。 一見当たり前のことのように思えるが、たとえそれがどんなに正しいことでもごく少数の意見であった場合、悲しいことにわが国では無視されてしまうのである。 本来、民主主義とは少数の意見も尊重することであるはずなのだが・・・。 今回の意見書の取り組みにしても、その趣向や立場によって意見や主張は微妙に違う。ましてや同じ釣り人であってもである。 しかしそれはある意味当然のことであって、大切な事は、多少の意見の違いはあっても「自然を真に愛する人間を、山や渓から排除することは許せない」という共通の想い・認識を確認し、大同団結することではないか。 私達が一枚岩であるという姿勢を当局に見せない限り、課題の克服は困難である。 今回の朝日山地問題を通じて会員・会友の各々が、自然環境保護とは何かを考えるきっかけとなれば幸いに思う。 以 上
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