吉祥院千手堂

吉祥院千手堂庭園に立っている千手観世音菩薩

(写真左:吉祥院千手堂)(写真右:庭園に立っている千手観世音菩薩)

山形市北部にある吉祥院千手堂は天平九年(737年)聖武天皇の勅願により、行基が悪疫退散のためにこの地を訪れて伽藍を建立したとされている。しかし、年月が経つうちに千手堂を残すのみとなったという。延文元年(1356年)斯波兼頼が再建し、天文十二年(1543年)に最上義守が再建修復したという。建物は室町末期のもので市有形文化財に指定され、本尊の千手観世音菩薩立像は平安中期の一木造で国の重要文化財に指定されている。最上三十三観音の第三番札所であるが、慶長八年(1603年)最上義光が奉納した御詠歌額では「第一番千手堂」となっており、当時の第一番札所だったことが分かる。