国道13号線の東栗子トンネルと西栗子トンネルの間、福島・山形県境の板谷大橋のところで南に折れると板谷の集落に入ってゆく。丁字路にぶつかり、西は板谷峠経由で滑川・姥湯温泉、東は五色温泉に向う。西へ行くと現在はスイッチバックでなくなった板谷駅があり、その横を通り抜けて板谷峠へと登ってゆく。
板谷峠は戦国時代には伊達政宗、江戸時代には上杉家の参勤交代が通った峠で、明治に万世大路が開通するまで米沢と福島を結ぶ重要なルートであった。その峠の途中に赤穂藩浅野家家老の大野九郎兵衛の供養碑がある。大野は赤穂城明け渡しの後、大石内蔵助と図って見捨てて出奔したと見せかけ、板谷峠に待ち伏せした。大石ら赤穂浪士の討入りが失敗し、吉良上野介が息子上杉綱憲の領地、米沢に逃げてきたら板谷峠で討ち果たそうとしたのである。大石ら四十七士の討入りが成功して吉良が討ち取られた翌年早春、大野は主君浅野内匠頭らの後を追ってこの地で切腹した。
板谷峠から北西に進むと峠を下り、羽黒川沿いに関根・米沢方面に街道は向かうが、峠を登りきる手前で左折すると峠駅へと向う。峠駅も板谷、大沢、赤岩駅同様にスイッチバックで有名だったが、山形新幹線の開業でスイッチバックは無くなり、ホームもトンネルの中に移った。峠の力餅が名物である。峠駅から南に向かうと滑川温泉、姥湯温泉である。 |