春雨庵

上山に流された沢庵禅師が住んだ春雨庵

(写真:上山に流された沢庵禅師が住んだ春雨庵)

上山には紫衣事件で流罪となった沢庵和尚が住んだという春雨庵がある。京都大徳寺百五十三世の沢庵禅師は元和法度や紫衣事件に抗議したため、幕府によって1629年上山に流罪となった。時の上山藩主土岐頼行は名君の誉れ高く、沢庵のために小庵を建て、自身も沢庵に帰依してその教導を仰いだ。沢庵はこの小庵を春雨庵と名付け、三年間の上山での生活の間、禅や詩歌、風流の道、さらには水利、築庭の設計など京都の文化を上山に伝えた。この春雨庵を昭和30年7月復元したのが現在ある春雨庵である。

「花にぬる胡蝶の夢をさまさじと ふるも音せぬ軒の春雨」