転 宅  (てんたく)



 ある家に泥棒が入ると、そこには妾だという女が一人で暮らしていました。
 女は驚くどころか、自分も泥棒の仲間だと切り出し、
「今の旦那には飽き飽きしていて、男気のある人と所帯を持ちたいと思っていた」と言うのです。
「お前さんのような人と一緒になりたい」と言い寄られ、泥棒は段々その気になってきます。
「支度をしておくから、あした必ず来ておくれ」と、妾は約束の印に泥棒の紙入れを預かってその晩は帰します。
 一夜が明けて、泥棒が妾を迎えにやってきます。
 
 別名 義太夫語り
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