三年目  (さんねんめ)



 八方手を尽くしても快方に向かわない長患いの妻は、「私が死んだ後であなたが後添いを貰うかと思うと、それが気がかりで死ねない」と言うのでした。
 亭主が、「決してそんなことはないが、万が一そんなことがあったら幽霊になって出ておいで」と約束すると、女房は安心して息を引き取ります。
 百箇日を過ぎた頃から縁談話が頻繁になるのを断り続けていた旦那でしたが、親戚に押し切られてとうとう後添いを迎えます。
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