十 徳  (じゅっとく)



 隠居が変わった形の物を着ていので名前を聞くと、隠居は十徳だと教えます。
 そのいわれを聞き、
「立ったところは衣の如く、座ったところは羽織の如く、如くと如くで十徳だ」と教えられた男が、それを仲間に話して自慢しようとしますが、如くが思い出せず、
「立ったところは衣の様だ、座ったところは羽織の様だ、様だと様だでやあだ」とか、
「立ったところは衣みたい、座ったところは羽織のみたい、みたいとみたいでむたい」などと失敗します。
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