コンサートに行きましたー報告(その1)
平成17年度置賜文化ホール自主事業
山形交響楽団演奏会
2005.9.25 18:30開演
伝国の杜 置賜文化ホール
プログラム
@ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調作品18
ピアノ:清水和音(しみず・かずねって読むんだよ)
Aベートーベン:交響曲第7番イ長調作品92
指揮:阪哲郎(ばん・てつろうって読むんだよ)
私の服装:上、イクシーズの秋の新作上着(最高級品ではありません)、下、黒い綿
パン。つまり、みすぼらしくない程度のカジュアル。
(ちなみに、会場に行ったら、煌びやかで重そうなネックレスを着けて黒いソワレ
を着ていたセレブな(体格もセレブな)おばさんがいて、とても目立っていまし
た。)
自分の服装は失礼にあたらないだろうと思いつつ、1つ難点を自覚していました。
つまり、隣の席にはやや落ち着きのない7歳の男児が・・・(自分が連れていった、
自分の子供)。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ある日、このコンサートのポスターを見て、清水和音のお写真も見て、「懐かしい
な〜、清水和音の生演奏を聞くなんて、17年ぶり位になるな〜。前は、山形市で聞
いたな〜。ベートーベンの月光ソナタと、リストのソナタロ短調だったな〜。ソナタ
ロ短調はアグレッシブ(攻撃的)だけど完璧な演奏で、総じては満点だったな〜。で
も、月光ソナタが思いっきり手抜きの演奏で、腹がたったな〜。何で手抜きしたのか
な〜、山形は田舎だから、許されるとでも思ったのかな〜、ちくしょっ!演奏終了
後、壇上の清水和音に、リボンで飾ったワインをあげてた女性はいったい誰?あげな
くていいのに!・・・・・でも、今度の演奏会では真面目に弾いてくれるかな〜。で
も、また手抜きされると嫌だから、当日よっぽど暇だったら、そして当日券があるの
を電話で確かめられたら、聴きに行ってもいいかなー」との思いが一気に頭をよぎり
ました。次にピアニストの顔写真を見てよぎった思いは・・・「しかし何だなぁ、ロ
ン・ティボ(ショパンコンクールやチャイコフスキーコンクールにほぼ匹敵するよう
な、超格上の国際コンクールだぞ!最近、盲目の日本人ピアニスト、梯さんが2位を
受賞しているのだ!その人はショパンコンクールではワルシャワ市長賞を受賞したの
だ!)で優勝した頃(()の中が長すぎるっつうの!読んでて文が繋がり難いぞっ
!)、清水和音は、フランスでアンファンテリブル(恐るべき子供、つまり、恐ろし
いほど才能の輝いている若手)とも称され、しかも、俳優の渡辺徹の兄弟ではないか
とまで噂された程とってもハンサムだったのに、それから20年も経つと、ハンサム
というよりは・・・アディユルトテリブル(怖いおっさん)とでも称した方がいいの
か・・・(失礼な表現でしたらお許し下さい。文責は全て筆者にあります)」との感
想でした。(頭の中ではほんの一瞬の思考でも、文章として書くのは実に大変じゃ
!)
ともあれ、コンサート当日、自分は暇で、側では7歳の子供がぐだぐだしていたの
で、伝国の杜に電話で問い合わせして、思いつきで子供も連れて行くことにして、当
日券で会場に入ったのでした。子供がマナー違反をしないかとの恐怖におののきつ
つ、演奏にわくわくしつつ、いわゆる複雑な面持ちってやつですね(何のこっ
ちゃ)。
開演5分前、私には始めての体験。指揮者とピアニストがマイクを持って壇上に登
場してトークを始めるじゃありませんか!「ツアー3日目だけど、今日は会場の響き
もいいし、ピアノもいいし云々」とご満悦の和音さん。(確かに、ピアノは一応スタ
ンウェイだけど、このホールってそんなに音響がいいの?高畠の“まほら”の方がい
いと思ってた・・・)「ピアノは二十歳の女性みたい」との訳のわからんことを言い
出す和音さん。(ホントは何を示しているかは分かりますけど、なんて、偉そうに・
・・)。こういう形式を“プレコンサートトーク”と呼ぶのだそうでして、最近の新
しいスタイルなんでしょうか。でも、黙っておもむろに演奏が始まるより、演奏者に
親近感を持てて、いい感じと思いました。
改めてオーケストラ全員、そして、指揮者とピアニストが登場。会場、拍手(よう
こそ米沢に来て下さいました、を意味する拍手だよ)。そして演奏開始。
手短に感想を書きます。@会場右側後ろに席をとってよかったなぁ、ピアニストの
手は見えないけれど、こっちの方が音がいい。和音さんもそう言ってたし!A第1楽
章の第2主題再現部のホルンがのろい、おーい、テンポ大丈夫かー、結果は・・・全
然大丈夫でした。何のことはない、プロの小技(表現方法)でしたBあっ、子供が貧
乏ゆすりを始めたっ。近くの客の顰蹙をかいそう・・・そうだ、足で抑えてやれっ!
と自分の足で、子供の足を抑える、責任者父兄の私Cロマンティックな第2楽
章...ピアノユニゾンがちょっときつい響き...そうか、ここは音響がよすぎ
て、しかも狭いホールだもんねDテクニカルな第3楽章、自分なんかには、一生か
かっても弾けない難曲、でも、さすが和音さん、軽々と弾きこなしてしまう、すげっ
!E最後までピアニストとオーケストラの息がぴったり!相性よすぎる。あっ、ツ
アー3日目だったねF子供が親のいうことをきいて、1楽章や2楽章のあとに拍手し
なくてよかった。楽章構成の曲は最終楽章が終わってから拍手するのが、大前提、基
礎の基礎、常識中の常識だから。
終了後、会場拍手の渦(いい演奏をありがとうの意味)。演奏者も笑顔。指揮者と
和音さんが退場しても、しばらくなりやまない拍手。それに応じて繰り返し登場して
きてくれるお二人。隣で退屈そうにしていた子供も何故か一緒になって拍手。その親
(自分)は、あまりの好演に「ブラボー!」を叫んでしまった(女性演奏者にはブラ
バー、複数演奏者にはブラビーだよ)。確かにすばらしい演奏で、すばらしすぎる演
奏で、これがメインディッシュみたいで、次のベートーベンの曲がひけをとらないか
ちょっと心配になったりして。しかし、何だなぁ、完璧な、ミスタッチの一つもない
演奏だけど、何だか、名スポーツ選手のプレイを見ているみたいで、いまいち情にこ
ないなぁ。あの、何ともいえないジーンという感動はなかったなぁ。私に言わせれ
ば、和音さんは、「聴かせる」のではなく、「見せる」が売りかぁ?もう一歩、聴衆
へのサービスが欲しいなぁ。だって、演奏って、人に聞かせるためにするもんじゃな
いの?見せもんじゃないよ。俺たちはお金を払って聴きにきてるんだぞ!との感想も
一緒に浮かぶから、自分でも不思議。何でだろ?
残念だったけど、子供がかわいそうだったんで、ベートーベンを聴かずに帰宅。子
供に感想をきくと、「・・・・・」演奏中何か考えてた?「・・・じゃんけんのこ
と」はっ?!ガーン!!子供っていったい・・・どんな感想でも怒るつもりはなかっ
たけど、あぁ、子供ってこういうもんなんだと思いました。ところが、自宅のボロピ
アノで、ピアノ協奏曲の主題を幾つか弾いてみたら、「あっ、さっき聴いた曲だ」と
反応する子供・・・!ん〜〜実に不可解!!でも、こういうコンサートの楽しみ方も
ありかな、と一人で納得。しかし、実に子供って不思議じゃ。
ちなみに、その後何気なく教育テレビを観たら、またまたオーケストラの演奏。曲
は、チャイコフスキーの「大序曲1812年」。「この曲は、あとで大砲がなるぞ!
教会の鐘の音もなるぞ!」というと、突然オモチャを手放してテレビの前にかぶりつ
き始める、7歳と2歳の男児合計2名。ホントに大砲を鳴らすかなぁ、と思っていた
ら、偽大砲から音を出し始める律儀なNHK交響楽団。NHKホールに充満する煙。子供は
大喜び。「NHKっていったい・・・」と、二重の意味で感動する私。何だか、疲れる
一日だなぁ。「この曲は、曲を作った人の国が、超強いフランスのナポレオンをやっ
つけた記念に作られたんだぞ」といっても無関心の長男。「じゃ、オーストリアもエ
ジプトも神聖ローマ帝国もプロイセンも倒したナポレオンを、どうやってロシアが
やっつけたと思う?」というと、ようやく関心を示して考えこむ長男。「大砲?」ち
げーよ。ヒントは、ロシアは寒いってこと。「雪玉?」ちげーよ。雪玉じゃナポレオ
ンには勝てねーよ。「・・・」じゃ、この曲の名前と作曲者の名前を明日の朝まで覚
えていたら、教えたるよ。「1821、ん?1812年。チョコレート?ん?あ、
チャ・・・」覚え方は、“茶色ふすま”だぞ(チャイコフスキーファンの方には申し
訳ありません)「そか、チャイロ、あ、コ、・・・ブスキ?」と眠りにつく長男。な
んだかんだで、充実した一日でした。ちゃんちゃん。(文責は全て「か」)
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「か」さんのコンサート体験記です♪
その2も楽しみにしています!!!