教職を去りました。  平成22年3月31日

  このたび、31年5ヶ月務めた小学校教員を退職いたしました。
 住職が昨年11月に遷化し、自分自身の進退を考えていましたが、
 潔く教師を退職し、住職に専念することにいたしました。
 この100年に1度と言われる経済不況の中で、職を辞するという
 ことにかなりの決断を要しましたが、いたしかたありません。
 
  今までは、お寺の壇務等は土・日曜日に行い、あるいは勤務終了
 後にしていました。朝は、7時30分には学校に出勤していますので
 無理がありました。
  教員の休日・祝日、年末年始休業、お盆、ゴールデンウィークや
 シルバーウィークなどの連休には、逆にお寺の仕事が山積でした。
 家族や自分のことは二の次三の次にしなければなりません。
  また、住職交代の手続き関係では、宗務所・法務局・県知事など
 への申請・届出などもあり、また他寺院との打合せなども含めると、
 平日でも学校を抜けざるを得ない状況になってきました。
 
  一方、教頭の仕事は管理職として学校を守ること。普段は朝から
 晩まで学校に詰め、休日でも工事や緊急なこと等結構あります。
  
  教員(公務員)には「職務に専念する義務」があります。
 いよいよ今年は自坊での本葬と晋山式があります。他寺院との打
 合せや準備、役所への手続き等で、平日においてもお寺のことで
 動かざるを得ない状況になってきました。これを考えると、はたして
 「職務に専念する義務」を全うすることができるのかと悩みました。

  学校や校長に迷惑をかけてしまうようであれば、もはや考える余
 地はありません。
  教頭として、その職務に支障が出てくるようであれば潔く退職しな
 ければならないと考えました。自分の病気などではなく全くの「私用」
 のためなのですから・・・。

  本山の永平寺を乞暇する際に、「どんなに貧乏しても他には目を
 くれずに、お寺に住み、草むしりをして生活して行け」というような
 訓示をいただきましたが、そんなことを言われても生活のために、
 よく言えば仏道修行者の教育指導の一環として教師を目指したの
 でした。 なお私は曹洞宗の一等教師でもありますから。(笑)

  これからは収入は激減してしまいますが、雲水の本来の生き方
 に近くなったと思い、専念することにいたします。
 
  3月30日

 教員生活最後
 の出勤の朝。

 明日は退職辞令
 交付式で、置賜
 教育事務所に
 行きます。