謹んで平成17年の新春のご挨拶を申し上げます。
旧年中は日本国内でも地震や洪水等の天変地異や種々の社会異変が多発しました。
また、昨年は80歳を過ぎた我が人生にも思いがけない異変が生じた年でもありました。
県職員を定年退職してから、市内斎藤内科医院に高血圧症と糖尿病で通院治療中、
毎年定期的に胃の内視鏡検査を受けていたのですが、5月27日妻と長男の嫁と共に
来院するようにとのことで、主治医に面接すると「噴門癌」と宣言され紹介状とX線
フィルムを渡され手術を受けるように指示されました。
6月2日資料を持参し米沢市立病院の医師に面接指示を受け、6月8日入院を余儀
なくされました。入院してからは毎日点滴治療や各種の検査を受け、7月1日13時
「胃の全摘手術」を受けました。幸い早期発見、早期治療の甲斐あって他への転移も
認められず、予定より早く7月17日(土)退院できました。
この間、家族はもとより親族知人、檀信徒の皆様の励ましと物心両面に渡っての
丁重なお見舞いをいただきましたこと、感謝に耐えず深謝申し上げる次第です。
私は元々在家出身でして、大正から昭和に渉っての不況のあおりで家業の機業が
倒産した為、小学校入学と共に近くの海応院住職西山法運老師(後に林泉寺住職)に
預けられ、当時老師が復興中であった春日山林泉寺に住み込み、小学校在学中から
中学校卒業までお世話になっておりました。
昭和17年、20歳のとき、ここ昌伝庵の前住職大庵祥堂老師が、後継者が無い
ままに急性肺炎で遷化されました。
そのために急遽呼ばれ、この昌伝庵の室中において「師資面授の拝」の儀式を受け
それを以って後継者となり、現在に至っております。
話は変わりますが、国内だけでなく台湾や中国にも車のタイヤを販売している
カーライフサービス「イエローハット」の鍵山幸一郎社長(創業者;鍵山 秀三郎)は
自ら店のトイレ、公衆トイレ、学校のトイレの掃除を実行されているとのこと。
勿論社員全員も挙って実行されていることは、「知る人ぞ知る」実話であります。
昌伝庵の会館や庫裏のトイレの使用や掃除には家族全員が心がけ、時には小生も
気が付けば夜中でもすぐに掃除するよう心がけています。
「陰徳あれば陽報あり」とは、淮南子(えなんし)(人生訓)にある有名な教えで、
「陰徳を積んだ人にはよい報いが目に見えて現れる」のです。
しかしながら「言うは易く行いは難し」他人の見ている処では格好良く行っても
人の見ていない処では知らん振りする人が多いことは、実に淋しいことです。
「人のふり見て我がふり直せ」をモットーに、小さな心を引き締めて、毎日感謝
しながら、がんばって生きていきたいものです。
平成17年 元旦
昌伝庵住職 今成 良全
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