TOSSランド: 授業・教科>国語>小学校4年生>名詞止め
©TWO-WAY

教室が心地よい緊張につつまれる・名詞止めの授業

TOSS山形・海老名久美子
向山洋一『教え方のプロ・向山洋一全集22巻』(明治図書)P18の追試
作成日:2002年7月26日(金)

 簡単なレトリックの1つ「名詞止め」を教える授業です。向山実践の追試です。

 次の文章を黒板に書く。

 恵理子は昨日新潟に行った。

 そして次のように指示する。

 指示1.この文を恵理子で終る文に書き直しなさい。

 出来た子からノートを持ってこさせる。

 昨日新潟へ行った恵理子。

 ほぼ全員が正解であった。

 指示2.この文を昨日で終る文に書き直しなさい。

 これも出来た子からノートを持ってこさせる。

 今度はほぼ全員が間違いである。

 私は何も言わないで大きくバツをつける。

 子どもたちはびっくりして机に戻る。そしてあれこれ考える。

 教室は、だんだん緊張につつまれてくる。私がバツをつけるほどに緊張感が高まる。出来そうで出来ないからである。

 ほとんどの子は次のように書いてくる。

 恵理子は新潟に行った昨日。

 この文章はおかしい。

 もしも2つに分けて「恵理子は新潟に行った。昨日。」とするなら、これでも良い。

 しかし、1つの文となると問題である。

 一度で正解した子はわずか2人。本が好きで、日記も長く書いている子たちだった。

 大きくマルをつけてやると、飛び上がって喜ぶ。その動作が教室の空気を更に刺激する。

 波及効果で1人2人と、正解者が増え始める。

 半分ほどに広がったところで正解を告げる。

 恵理子が新潟へ行った昨日。

 「は」を「が」に直さなければならないと説明する。

 指示3.この文を新潟で終る文に書き直しなさい。

 これは正解者が多数になった。一度練習しているからである。

 恵理子が昨日行った新潟。

 ここまでで約45分。

 元実践には無かったが、次の説明をして授業を終えた。

「このような書き方を名詞止めと言います。読む人に、文の最後の言葉を強く伝える書き方です」