簡単なレトリックの1つ「名詞止め」を教える授業です。向山実践の追試です。
次の文章を黒板に書く。
恵理子は昨日新潟に行った。
そして次のように指示する。
指示1.この文を恵理子で終る文に書き直しなさい。
出来た子からノートを持ってこさせる。
昨日新潟へ行った恵理子。
ほぼ全員が正解であった。
指示2.この文を昨日で終る文に書き直しなさい。
これも出来た子からノートを持ってこさせる。
今度はほぼ全員が間違いである。
私は何も言わないで大きくバツをつける。
子どもたちはびっくりして机に戻る。そしてあれこれ考える。
教室は、だんだん緊張につつまれてくる。私がバツをつけるほどに緊張感が高まる。出来そうで出来ないからである。
ほとんどの子は次のように書いてくる。
恵理子は新潟に行った昨日。
この文章はおかしい。
もしも2つに分けて「恵理子は新潟に行った。昨日。」とするなら、これでも良い。
しかし、1つの文となると問題である。
一度で正解した子はわずか2人。本が好きで、日記も長く書いている子たちだった。
大きくマルをつけてやると、飛び上がって喜ぶ。その動作が教室の空気を更に刺激する。
波及効果で1人2人と、正解者が増え始める。
半分ほどに広がったところで正解を告げる。
恵理子が新潟へ行った昨日。
「は」を「が」に直さなければならないと説明する。
指示3.この文を新潟で終る文に書き直しなさい。
これは正解者が多数になった。一度練習しているからである。
恵理子が昨日行った新潟。
ここまでで約45分。
元実践には無かったが、次の説明をして授業を終えた。
「このような書き方を名詞止めと言います。読む人に、文の最後の言葉を強く伝える書き方です」