ありえない出来事をあたえて、発想豊かに文を作る授業である。
1年も2学期になると、文を書くことに慣れてくる。しかし作文として単に毎日の出来事を書かせていると子どもも教師も、マンネリ化してくる。そこでこんな文作りをしてみた。
「今から問題を言います。自分の考えで答えを、その紙に書きましょう」
発問1.地球が二つにわれたら、どうしますか。
「おもしろい問題ですから、よーく考えて書いてね」
少々、もったいぶって言ってみると、子どもたちは、何がはじまるのかと、こちらを見た。そこで、発問1を言うのである。
「えーつ!」「へんなのォ」「わあ、こわい」
さんざん騒いで、早い子は用紙にさっと書いた。
『こわい』『しんじゃう』
すっかり私は、あわててしまった。子どもの発想は、おもしろいと良く聞かれるが、信じられない気分であった。超現実的である。
問いがいけなかったのだ。そこで言いかえた。
死なないから大丈夫よ。もし地球が2つにわれたら、あなたたたちはまず何をしますか。自分が、することを書きなさい。
そう言って、やっと少しおもしろいのが出てきた。
『ばすにのってにげる』
『せっちゃくざいでくっつける』
『ふたつにわれたどっちかにうつる』
『うちゅうにとびちって月に家をつくる』
『うちゅうににげる』
『せかいじゅうの人のおもみでなおす』
発問2.えんぴつで字をかきますね。字をかくほかに、えんぴつの使い道はありませんか。
これはちょっと難しかったようで、「どういう意味?」と何回も聞かれた。
「字や絵をかくことのほかに、何かの道具に使えないかな」と説明した。
これは、すごく悩んでいた。